祝! ニューヨーク・タイムズ「2026年に行くべき52カ所」に選出された長崎を、ご当地ライターが徹底解説!
長崎在住の旅色LIKESライターおんりです。新年恒例の米メディア『The New York Times(以下ニューヨーク・タイムズ)』の特集「2026年に行くべき52ヵ所」に、長崎が選出されました。地元の長崎が選ばれたことにも驚きましたが、紹介されたスポットを見ると、昨年主催した旅色LIKESコミュニティ内のイベント「長崎さるく」で訪れた場所が目白押し! 奇跡的な偶然に、狐につままれたような気持ちになりました。イベントの様子を振り返りながら、ニューヨーク・タイムズで掲載されたスポットをご紹介します。
目次
創業寛永元年。長崎銘菓カステラの老舗「福砂屋本店」
ニューヨーク・タイムズで紹介されたのは、船大工町(ふなだいくまち)にあるカステラの老舗「福砂屋本店」。この辺りは、江戸時代「丸山遊郭」があった場所で、現在は長崎を代表する歓楽街となっています。スナックや飲み屋がひしめき合う一角にありながら、そこだけ別世界のような凛とした佇まいのお店。昼間は修学旅行生も訪れます。
「福砂屋」のトレードマークといえば、蝙蝠(こうもり)。中国では、「蝠」と「福」が同音で縁起が良く、幸運のしるしなのだそう。店内や包装紙など、至る所に蝙蝠マークが隠れているので探してみてください。
私のおすすめは、カステラ生地にココアが練り込まれた「オランダケーキ」。表面に胡桃やレーズンがトッピングされ、カリッと香ばしい食感と、レーズンの甘酸っぱさが、しっとりとした生地によく合います。
本店でしか手に入らない、「御菓印」もお忘れなく! 「御菓印」は、全国の老舗和菓子店が趣向を凝らして作った御朱印のこと。全国銘産菓子工業協同組合に加盟している和菓子店の本店でしか手に入りません。一定額以上の商品購入時に配布、または有料で販売しているので旅の記念にいかがでしょう。
昨年開催したイベントの集合場所が、すぐ近くの「丸山公園」だったので、待ち時間に「福砂屋本店」でお土産を購入する参加者も。「世界的に注目されるとわかっていたら、もっと時間を取って案内したのに……」とちょっぴり悔やまれます。イベントの詳細については過去記事をご覧ください。
◆福砂屋本店
住所:長崎市船大工町3-1
電話:095-821-2938
営業時間:9:30~17:00
大徳寺の樹齢約800年の大クス
大徳寺の大クスは、「福砂屋本店」から徒歩5分ほどの大徳寺公園内にあります。かつては寺があったそうですが、明治時代に廃寺となり、現在は「寺もないのに大徳寺」と長崎七不思議のひとつに数えられています。
入り組んだ路地から、突如現れる大クスは圧巻の大きさ。幹回りは10メートルを超え、県指定の天然記念物とされています。上方向にはもちろん、横へも広がる枝ぶりは見る方向によって印象が変わるので、お気に入りのアングルを探してみてください。
◆大徳寺公園
住所:長崎県長崎市西小島1-1
昔ながらの味を守り続ける「梅ヶ枝焼餅 きく水」
大徳寺公園内に、時が止まったかのような一角があります。長屋造りの店構えにレトロな看板が印象的な「梅ヶ枝焼餅 きく水」は、明治初期創業のお店です。ご夫婦が注文を受けてからゆっくりひとつひとつ焼き上げる焼餅は、アンコがぎっしり詰まっていて、1個でも充分満足感があります。
昨年のイベント時には、締めのデザートとして参加者全員で焼きたてをシェアしました。2時間近く歩き回り、ちょっぴりお疲れ気味だった皆さんの表情もやわらぎ、おしゃべりに花を咲かせていた姿が印象に残っています。地元民でも行ったことがない人も多い穴場的なスポットで、ここを知っていれば「長崎通」と言えるかも。
お店の営業状況は、天候やご夫婦の体調によるところがあり、2026年1月に訪れた際には、「当分の間休ませて頂きます」と張り紙がありました。記事を見て、世界中からたくさんの人が訪れると思うと少し残念ですが、再びあのほっこりする味に出会えることを楽しみに営業再開を待ちたいと思います。
◆梅ヶ枝焼餅 きく水
住所:長崎県長崎市西小島1-1
電話:095-826-9566
営業時間:10:00~16:00
定休日:火曜日
長崎のミルクセーキは、飲み物ではなく食べ物⁉ 「珈琲冨士男」のミルクセーキ
「福砂屋本店」から徒歩5分ほどの場所にある「珈琲冨士男」は、1946年創業の老舗カフェです。ニューヨーク・タイムズで紹介されたのは、珈琲ではなく長崎名物の「ミルクセーキ」。長崎のミルクセーキは、飲み物ではなく食べ物ということをご存知でしょうか。 ジュースではなく、フローズンの状態で提供されるんです。イベント開催時にも「長崎名物"食べるミルクセーキ"を食べてみたい!」とリクエストがあり、終了後に希望者で食べに行きました。
市内にはほかにも、「ツル茶ん」「カフェ&バー ウミノ」「喫茶銅八銭」「喫茶セヴィリヤ」など、ミルクセーキの名店がたくさんあります。各店舗で甘さや氷の細かさ、盛り付けなどが異なるので、食べ比べるのも楽しいかもしれません。
ニューヨーク・タイムズの推しはミルクセーキでしたが、私の推しはサンドイッチ。ふわふわの白いパンに挟まれた具材は、エッグ、野菜、ハム、フルーツとバラエティに富み、どれも甲乙つけがたいおいしさです。ほどよい塩味の卵焼きや、みずみずしさを保ったまま薄くカットされたきゅうりとトマト、見た目も美しいフルーツサンドなど、シンプルながら細部にまでこだわりを感じる王道のサンドイッチは、小説家の遠藤周作が愛した珈琲との相性も抜群です。
数ヶ月前までは中国人観光客が行列をつくっていましたが、先日訪れた際には待ち時間なくスムーズに入店することができました。発表があってからは、欧米人の観光客が増えたそう。地元民としては、買い物の途中にふらっと立ち寄り、ホッと一息つくようなローカルな雰囲気を守り続けて欲しいなぁと思います。
◆珈琲冨士男
住所:長崎市鍛冶屋町2-12
電話:095-822-1625
営業時間:9:30~17:00
定休日:木曜日
2026年は世界が注目する長崎へ行こう!
再開発中の長崎駅前。完成までもう少し(2026年1月撮影)。
ニューヨーク・タイムズは、長崎の選出理由を、「核拡散の脅威が世界中に広がる中、訪れるべき強い理由がある」とし、「街の中心部が原爆の被害を免れたことで、"スライドドア(もしも、あの時……)"のような超現実的な感覚をもたらしている」と述べています。今回ご紹介したスポットのほかにも「グラバー園」やジャズバー「JAZZ & BOOZE Milestone」の名前も挙がっていました。いずれも繁華街近隣に位置しているため、1日あれば回りきることが充分可能です。
さらに同紙では、「長崎駅周辺の大規模な再開発プロジェクトが完成したことで、旅行者を迎える準備が整っている」とも述べています。長崎駅周辺の再開発など、今なお進化し続けている長崎。2月6日からは「長崎ランタンフェスティバル」が開催され、街全体が極彩色の灯りに包まれます。世界が注目する長崎に今こそ訪れてみませんか?












