【山梨】白州の大地から世界に認められた日本酒を生み出す七賢酒蔵
山梨県北杜市にある「七賢酒蔵」を訪れました。山梨といえばワインの産地として有名ですが、こちらでは白州の自然に恵まれた仕込み水を使った日本酒が作られています。なかでも「白心」は、9月に行われた世界最大級のワインと日本酒のコンペティション「IWC2025」で最高賞を受賞。旅先でおいしいごはんとお酒を楽しむ時間が大好きな旅色LIKESライター・酒旅担当のERIが、酒米造りからこだわり世界に認められた日本酒の魅力に触れてきました。
目次
南アルプスの天然水で仕込まれる日本酒「七賢酒蔵」
甲州街道の宿場町・台ケ原宿に佇む「七賢酒造」は、 1750(寛延3)年創業の老舗蔵元です。名水百選にも選ばれた南アルプス・甲斐駒ヶ岳の清らかな天然水を仕込み水に地元で栽培された酒米を使い、伝統を受け継いだ酒造りを続けています。趣ある木造建築の蔵は、かつて明治天皇の行在所として使われた由緒ある建物で、現在は山梨県の有形文化財に指定されています。重要文化財となっている明治天皇が宿泊された奥座敷や、蔵所有の貴重な美術品などを展示する伝奏蔵は予約制で見学することができます。
蔵の一角には、米麹を使ったスイーツが味わえるカフェや、酒器やオリジナルグッズがそろうショップも併設。お酒が飲めない方でも楽しめる空間です。店内では、日本酒はもちろん、麹を使った発酵食品なども販売されています。
●行在所
見学時間:10:30、13:30、14:30
●伝奏蔵
見学時間:10:00、11:00、14:00、15:00
定員:各15名
料金:各300円
休業日:元旦のみ
※前日16:00までに要予約
●くらかふぇ
営業時間:10:00~16:00
※4~8月の土日祝日のみ営業
酒処で自慢の日本酒をテイスティング
敷地内にある「酒処 大中屋」では、定番の銘柄から季節限定酒まで、数種類を飲み比べることができ、それぞれの香りや味わいの違いを楽しめます。スタッフが丁寧に特徴を説明してくれるので、日本酒に詳しくない方でも安心。自分好みの一本を見つけたらその場で購入もできるので、旅の思い出として自宅でも七賢の味を堪能できます。
七賢スパークリング日本酒「アラン・デュカス スパークリング サケ」。
なかでも私が気になったのは、フランス料理の巨匠・アラン・デュカス氏が手掛ける「デュカス・パリ」とのコラボから生まれたスパークリング日本酒「アラン・デュカス スパークリング サケ」。シャンパンと同じ瓶内二次発酵で造られ、きめ細かな泡立ちと上品な香りが特徴です。洋食との相性が抜群で、食卓を華やかにしてくれます。世界に向けて日本酒の新しい可能性を切り開こうとするものづくりに、感動しました。
世界に認められたチャンピオン酒「白心」
IWC2025最高賞チャンピオン酒を受賞した「白心」
世界最大級のワインと日本酒のコンテスト「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2025」で今年の9月に最高賞・チャンピオン酒を受賞した「白心」も試飲させていただきました。絞りの段階で、酒袋に一滴一滴落ちてくるお酒を、重力を利用して自然に滴らせる「袋式」といわれる手間と時間のかかる方法で作られた酒です。スイーツを思わせる華やかな香りと、まろやかな口当たり、仕込み水から酒米造りまで、すべてにこだわり抜かれた一本であることが伝わってきます。長い歴史に培われた技と自然の恵みが生み出す、上品で澄んだ味わいを感じる一杯でした。山梨出身の染色作家・古屋絵菜さんによる、甲斐駒ヶ岳をモチーフにした作品があしらわれたラベルも素敵です。
●酒処 大中屋
営業時間:9:00~17:00(試飲は30分前まで)
休業日:元旦
酒蔵のレストランで伝統の発酵料理を
酒蔵に隣接する七賢酒蔵直営の「レストラン臺眠」では伝統の発酵料理をいただけます。レストランでまず提供されるのは、七賢が酒造りに用いる仕込み水。口当たりの柔らかさが印象的です。今回は、季節限定のひやおろし純米「七賢」をおつまみセットとともにいただきました。おすすめは、酒蔵直営ならではの麹を使った料理の数々。五日間じっくり煮込まれたビーフシチューは、味噌と日本酒が隠し味となり、深いコクが広がります。甲州豚の塩麹漬けには山梨ブランドの「富士桜ポーク」を使用し、脂の甘みととろけるような柔らかさが魅力。麹の力が引き出す豊かな旨みが、どの料理にも息づいています。定食でも提供されており、地酒とともに郷土の味をしっかり楽しめるレストランです。
●レストラン臺眠(だいみん)
電話:0551-35-5111
営業時間:11:30~15:30(15:00L.O)、17:00~20:30
※夜は5名以上からコース料理のみ、完全予約制
白州の水から生まれる大切なもの
昔から、お祝い事や季節の祭りに欠かせない日本酒。「七賢酒造」は白州の暮らしや歴史と寄り添いながら歩んできました。真の地酒であるために、甲斐駒ヶ岳の名水で作られた山梨県産の酒米で仕込まれた、この土地だからこそ生まれる酒を造り続けています。古くからこの土地の自然と伝統を守りながらも、世界へ向けて新しいことにチャレンジし続ける造り手の想いを感じる酒蔵でした。訪れた時期は刈り取りを待つ酒米の田んぼが黄金色に美しく輝いていました。来年の新酒も期待しています。
◆七賢酒蔵・山梨銘醸株式会社
住所:山梨県北杜市白川町台ケ原2283
電話番号:0551-35-2236














