鹿児島県・徳之島で、闘牛と散歩! 世界自然遺産の島で、生き物とふれあう1泊2日の島旅

鹿児島県

2025.11.02

LINEでシェア
はてなでシェア
pocketでシェア
鹿児島県・徳之島で、闘牛と散歩! 世界自然遺産の島で、生き物とふれあう1泊2日の島旅

徳之島は、鹿児島県・奄美群島のほぼ中央にある離島です。2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄県北部及び西表島」として、世界自然遺産に登録されました。アマミノクロウサギやオビトカゲモドキなどの絶滅危惧種や固有種が多く生息しており、全国でも珍しい伝統文化「闘牛」が盛んな島としても知られています。人と自然が共生する徳之島で、生き物とふれあう島旅を旅色LIKESライター・おんりが体験しました。

目次

閉じる

徳之島と「闘牛」の歴史

闘牛ふれあい体験で、間近のご対面!

「徳之島世界遺産センター」で、生き物について楽しく学ぼう

ナイトツアーで、国の特別天然記念物・アマミノクロウサギを見つけよう!

徳之島をより深く知ることができるエコツアーガイドは超おすすめ!

おわりに

徳之島と「闘牛」の歴史

なくさみ館

島で一番大きな全天候型闘牛場の徳之島なくさみ館。3,000人以上を収容できる。

なくさみ館

闘牛資料館で、闘牛についての説明映像を鑑賞中。

なくさみ館

牛主やファンなどが作成するタオル。子どもたちは何枚集められるか競いあうのだそう。

徳之島お土産

闘牛をモチーフにしたお土産も人気。

徳之島の伝統文化のひとつ「闘牛」。その歴史は400年以上といわれています。スペインの闘牛とは異なり、人対牛ではなく、牛対牛で闘います。どちらかが戦闘意欲をなくすまで続けられ、数秒で決着がつくこともあれば、30分以上決着がつかないこともあるそう。
訪れた日は、全島一を決める大会が終わったばかり。残念ながら実際に試合を観ることはできませんでした。年間を通して20回ほどしか開催されないため、旅程と試合の日程を一致させるのはなかなか難しい……。そんな人におすすめしたいのが、「闘牛ふれあい体験」です。牛舎にお邪魔して普段の生活を見たり、一緒にお散歩したりできるのだそう。

闘牛ふれあい体験で、間近のご対面!

闘牛ふれあい体験

「秀吉大宝」の頭をなでる友人。

闘牛ふれあい体験

ブラッシングの仕方を教えてくれる稲富亮太(いなとみりょうた)さん。金属製のブラシには、ノコギリの歯のような細かい凹凸がある。痛そうだけど、牛にとっては気持ちいいそう。

闘牛ふれあい体験

優勝したときの「秀吉大宝」。お相撲さんのようで、かっこいい!

闘牛対戦表

徳之島なくさみ館にあった対戦表のチラシに「秀吉大宝」の名前を発見!

紹介していただいたのは、伊仙(いせん)町にある稲富さんの牛舎です。愛牛の「秀吉大宝(ひでよしたいほう)」は、10月に開催された全島一を決める大会の中量級を連覇したばかり。対面してみると、つぶらな瞳が可愛らしい! 黒々と光る毛並みがビロードのように美しく、大切に育てられていることがわかります。とはいえ、筋肉と立派な角の迫力は想像以上。王者の風格に圧倒されて、なかなか触ることができません。稲富さんに「どこを触ってもらっても大丈夫ですよ。普段は大人しいので」と教えてもらい、恐る恐る頭を撫でてみましたが、喜んでいるのか迷惑なのか、感情を読み取るのが難しく、ドキドキの初対面となりました。

闘牛ふれあい体験

爪が伸びるスピードによって、コンクリートを歩く時間と、土の道を歩く時間を調整するのだそう。

闘牛ふれあい体験

蹄行(ていこう)と呼ばれる特殊な歩行方法。つま先立ちのように歩くことで、肉食動物から逃げる能力を高め、長時間の草原の移動も効率よく歩ける。

闘牛ふれあい体験

首を鍛えるためのおもり。首にかけて散歩したりするそう。

だんだんと打ち解けてきたところで、手綱を持たせてもらい、一緒にお散歩に出かけます。大きな声で「モー!」と鳴かれる度に、立ち止まって狼狽えてしまう私たちに、稲富さんが「他の牛の糞が気になってますね」「牛舎が近づいているので、雌牛にアピールしてるんです」と理由を説明してくれます。牛主にとって、牛は自分の子どものようなもの。稲富さんの言葉や眼差しから、秀吉大宝への深い愛情が伝わってきます。「島の子どもたちにとって、闘牛は憧れの存在で、牛のお世話をすることが自慢でありステータスである」とか、「勝敗が決まると、❝ワイド! ワイド!❞の掛け声で、みんな一斉に踊りだす」など、エピソードを聞けば聞くほど、実際に試合を見て、その熱気を味わいたくなってしまいます。単なる娯楽やイベントという枠を超えた、生きた伝統文化の歴史を感じる貴重な体験でした。

「徳之島世界遺産センター」で、生き物について楽しく学ぼう

徳之島世界遺産センター

「徳之島世界遺産センター」の正面。オビトカゲモドキがお出迎え。

徳之島世界遺産センター

目の前に広がる三方通岳(さそんつじだけ)。中央のシルエットはケナガネズミ。

徳之島お土産

「道の駅 とくのしま」で見つけたユニークなお土産。

2024年12月にオープンした「徳之島世界遺産センター」は、徳之島の生態系や自然について、楽しく学ぶことができる施設です。木造平屋の館内に入ると、大きな窓いっぱいに世界遺産の山々が広がっています。"リビングミュージアム""のコンセプトのとおり、自然と一体となったような心地よい空間に、ついつい長居してしまいそう。隣には「道の駅とくのしま」があり、観光の拠点としても便利です。

徳之島世界遺産センター

ジオラマの中のケナガネズミ。リアルすぎません⁉

徳之島世界遺産センター

「いのちのにぎわい箱庭」。眺めていると、深い森に入ったような気分になる。

徳之島世界遺産センター

生き物を見つけるチェックシートを提出すると、スタンプラリーカードがもらえる。

私のお気に入りの展示物は、徳之島の森を再現した巨大なジオラマ「いのちのにぎわい箱庭」です。はく製や標本の動植物約150種が展示されていて、本当に森の中にいるよう! 観察すればするほどいろいろな生物を発見できるので、時間が経つのを忘れて見入ってしまいました。

徳之島世界遺産センター

「ストップロードキル」に賛同すると、可愛いステッカーがもらえる。

徳之島世界遺産センター

受付に飾られていたレゴ。スタッフのお子さんがつくったそう。

国立公園乃印

国立公園乃印は、御朱印のようなもの。

受付カウンターにはクイズやスタンプカードなどが用意してあり、大人も子どもも楽しめます。参加するとオリジナルステッカーや生き物カードがもらえるなど、嬉しい特典が盛りだくさん。 こんなに充実していて入場無料なんて驚きです。屋内なので、雨でも立ち寄れるスポットとしてもおすすめ。ナイトミュージアムなどのイベントも企画されており、何度でも訪れたくなります。

◆徳之島世界遺産センター
住所:鹿児島県大島郡徳之島町花徳2206番地
電話:0997-84-0726
営業時間:9:00〜17:00
休館日:火曜日、12月29日~1月3日
入館料:無料

「徳之島世界遺産センター」公式HPはこちら

ナイトツアーで、国の特別天然記念物・アマミノクロウサギを見つけよう!

アマミノクロウサギ

飛び出し注意の看板。

アマミノクロウサギ

道路にも注意を促す表示が。

アマミノクロウサギ

アマミノクロウサギの通り道。トンネルのようになっている。

「徳之島世界遺産センター」で勉強した後は、「本物の生き物たちを見てみたい!」ということで、ナイトツアーに参加しました。アマミノクロウサギは夜行性のため、夜の方が遭遇する可能性は高いそう。19:30に宿を出発し、天城町の当部(とうべ)集落にある「アマミノクロウサギ観察小屋」へ向かいます。観察小屋では、定点カメラなどで撮影したアマミノクロウサギの行動記録や資料などを見られるのだそう(前日までの要予約)。人里離れた山間部にあるため、辺りは真っ暗。持参したライトをたよりにガイドさんと一緒に、周辺を歩きながら探します。

◆アマミノクロウサギ観察小屋
住所:鹿児島県大島郡天城町当部字大井久479-2
電話:0997-85-5178
定休日:土・日曜日、祝日
その他:前日までに要予約。

アマミノクロウサギ

いた! ピンボケですが、アマミノクロウサギを発見。耳と後ろ足が短く、ずんぐりむっくりしている。

アマミノクロウサギ

アマミノクロウサギの糞。丸くてコロコロしている。

観察小屋周辺には、アマミノクロウサギの糞がたくさん落ちていて、独特の甲高い鳴き声が聞こえます。どこからか獣臭もしてくるので、近くにいることは間違いなさそう。目を凝らしながら探していると、ガイドさんが「あそこにいますよ」と教えてくれました。草むらの中に見え隠れするアマミノクロウサギを発見! しかし、距離があるのと、草むらの中なので、写真に収めるのはなかなか難しい……。距離を詰めようと歩いていると、なんと目の前の藪の中からピョコっと飛び出してきたではありませんか。 突然の出来事に、固まる私たち。ガイドさんも、「向こうから目の前に出てくるパターンは初めてかも……」とびっくりしていました。
目の前で見るアマミノクロウサギは、想像よりけっこう大きい! 警戒する様子もなく、近距離で草を食べる姿に思わず笑ってしまいました。

絶滅危惧種のオビトカゲモドキ。かなり接近しても微動だにしない。

昼間に発見したアマミハナサキガエル。

道路を歩いていたアマミヤマシギとは、50メートルほど一緒にお散歩を楽しんだ。

毒蛇・ハブをも食べるというアカマタ。

案内していただいたガイドの常加奈子(つねかなこ)さんは、生き物に詳しいのはもちろん、生き物を見つける天才です。真っ暗な木の上でじっとしている鳥やカエルなど、「ここにいます」とライトで照らして教えてくれるのですが、言われて見ても、最初はまったくどこにいるのかわかりません。常さんのおかげで、アマミノクロウサギのほかにも、オビトカゲモドキ、アマミハナサキガエルなどたくさんの生き物たちと出会うことができました。

徳之島をより深く知ることができるエコツアーガイドは超おすすめ!

ハブ箱

通りすがりの方に見せてもらったハブをいれる箱。友人の手作りだそう。

ドラゴンフルーツ

いただいたドラゴンフルーツは、朝食でおいしくいただいた。

車を停めて、いろいろと教えてくれた島の人。

通りすがりの方に案内してもらったコーヒー農園。

奄美大島には、奄美群島認定エコツアーガイドという制度があり、「奄美群島の自然・文化について深い知識と哲学を有し、来訪者に安全で質の高い体験を提供するとともに、地域の環境保全に責任を持つガイド」を、奄美群島エコツーリズム推進協議会が認定しています。訪れる場所によっては、認定エコツアーガイドの同行が必要です。
今回私たちは、奄美群島エコツアーガイドである「旅友Tokunoshima」の常さんに旅程をアレンジしていただきました。闘牛ふれあい体験からナイトツアー、観光名所、島グルメと幅広く対応していただいたのですが、常さんといると島の人たちに声をかけられる頻度が段違いです。 売り物にならないドラゴンフルーツをいただいたり、通りすがりにコーヒー農園に招待されたり、ハブ箱を見せていただいたり、想定外の出来事がいろいろと起こります。「観光客」というよそ者の視点から、「島で生活する人」の視点に一歩近づくことができるのが、エコツアーの魅力なのかもしれません。

「旅友Tokunoshima」の公式HPはこちら

おわりに

ムシロ瀬

「ムシロ瀬」でのトリック写真。

犬の門蓋

自然が作り出した「犬の門蓋(いんのじょうふた)」にある通称"めがね岩"。

金見崎ソテツトンネル

約崎00メートルにわたる金見崎ソテツトンネル。

阿権集落のガジュマル

阿権(あごん)集落の樹齢約300年のガジュマルと石垣。

あっという間の1泊2日でしたが、「人は自然の一部である」という当たり前のことを再確認する旅となりました。人と生き物の距離が近い徳之島では、人と自然がうまく共生していくヒントがあるような気がします。
今回は生き物を中心に紹介をしましたが、徳之島にはまだまだ魅力的な場所がたくさん! 花崗岩の海岸線が続く「ムシロ瀬」や、サンゴ礁が隆起してできた「犬の門蓋(いんのじょうふた)」、ソテツトンネルが続く「金見崎展望所」、樹齢約300年を超えるといわれるガジュマルの木など、どれも見ごたえがあります。
2025年12月15日まで、「奄美群島周遊キャンペーン 奄美群島しまめぐり割」でお得に行くことができるので、魅力がいっぱいの徳之島へぜひ足を運んでみてくださいね。

「奄美群島周遊キャンペーン 奄美群島しまめぐり割」公式HPはこちら

Author

トレンド旅 おんり

トレンド旅トレンド旅

おんり

長崎市在住。グルメ、アート、パワースポット、日本文化と広く浅くいろんなことに興味があり、好奇心の赴くままに出かけます。直感と自分のアンテナを頼りに、トレンドの、またはトレンドの一歩先を行く旅をお届けします。

Articles

トレンド旅 おんり

広島県宮島の世界遺産・弥山(みせん)で異世界トリップ! 【巨石パワースポット探訪記】

トレンド旅 おんり

磁器のまち・有田で見つけたおもしろ土産5選! 陶器だけど陶器じゃない!? 【佐賀県】

トレンド旅 おんり

“神々の島”とよばれる壱岐島(いきのしま)を地元民の口コミでめぐる、IKI(息)抜きドライブ旅

New articles

- 新着記事 -

広島県宮島の世界遺産・弥山(みせん)で異世界トリップ! 【巨石パワースポット探訪記】
  • NEW

広島県

2025.12.12

広島県宮島の世界遺産・弥山(みせん)で異世界トリップ! 【巨石パワースポット探訪記】

トレンド旅 おんり

おんり

トレンド旅

【毎年12月15日~18日開催】約900年続く、奈良の1年の締めくくり。「春日若宮おん祭」徹底解説!
  • NEW

奈良県

2025.12.10

【毎年12月15日~18日開催】約900年続く、奈良の1年の締めくくり。「春日若宮おん祭」徹底解説!

奈良まほろば旅 神奈月みやび

神奈月みやび

奈良まほろば旅

【千葉】冬こそ行きたい農園リゾート「THE FARM」で野菜の収穫、温泉、星空のご褒美ステイ

千葉県

2025.12.06

【千葉】冬こそ行きたい農園リゾート「THE FARM」で野菜の収穫、温泉、星空のご褒美ステイ

千葉旅 マユ

マユ

千葉旅

【滋賀県】京都からのアクセス抜群! 混雑を避けたいなら大津市へ

滋賀県

2025.12.05

【滋賀県】京都からのアクセス抜群! 混雑を避けたいなら大津市へ

旅色LIKES メンバー

メンバー

旅色LIKES

「ちゃんと旅を考える学校」第1期レポート──旅の概念が揺さぶられた、濃密な“大人の学び舎”

全国

2025.12.03

「ちゃんと旅を考える学校」第1期レポート──旅の概念が揺さぶられた、濃密な“大人の学び舎”

tabiiro 旅色編集部

旅色編集部

tabiiro

映画『港のひかり』のロケ地・能登で「いましか味わえない」旅に出会えた

全国

2025.12.02

映画『港のひかり』のロケ地・能登で「いましか味わえない」旅に出会えた

編集部 ハリマ

ハリマ

編集部

More

Authors

自分だけの旅のテーマや、専門的な知識をもとに、新しい旅スタイルを提案します。

トレンド旅 おんり

トレンド旅トレンド旅

おんり

奈良まほろば旅 神奈月みやび

奈良まほろば旅奈良まほろば旅

神奈月みやび

千葉旅 マユ

千葉旅千葉旅

マユ

旅色LIKES メンバー

旅色LIKES旅色LIKES

メンバー

tabiiro 旅色編集部

tabiiro

旅色編集部

編集部 ハリマ

編集部

ハリマ

編集部 ホソブチ

編集部

ホソブチ

鉄道旅 なお

鉄道旅鉄道旅

なお