窓の景色だけでなく散歩も話題のお店も楽しむ、十数年ぶりの江ノ電乗車記。
だんだん暑さも和らぎ、お出かけしやすくなる季節が近づいてきました。これからの時期にぴったりな江ノ電周辺散策を、旅色LIKESライターのさくやさんがレポート。車窓を楽しむだけでなく、駅間を歩くことで発見したこともあるそうです。
目次
はじめに
わたしが通っていた中学校では、二年時の遠足で鎌倉に行くのが伝統でした。車窓から見えるさまざまな風景が印象的で、遠足後には江ノ電に魅了される人が校内に続出するのもお決まりでした。今回はその当時のことを思い出しながら、江ノ電周辺を散策したのでその様子をレポートします。
懐かしさの「藤沢駅」から旅をスタート
出発駅の藤沢駅について早速、江ノ電のホームが2階だという事実に驚いていたなぁ、と思い出しました。路面電車と聞いていたのに、駅が小田急線のホームの上だなんて。今回乗った電車は、2024年8月~12月の期間限定で運行されたオリジナルラッピング車両「ベビースター号」。おやつカンパニーと台湾の高雄メトロがコラボしていたキャンペーンで、中吊り広告が全て昭和レトロな広告に、床には三社のキャラクターが歩き回っているデザインになっていました。
お気に入りの「腰越(こしごえ)駅~鎌倉高校前駅」間をあえて徒歩で堪能して気づいたこと
久々の乗車で驚いたのは「日本語の会話が少ない」こと。国内外からの観光客で満員だったため、藤沢駅から6つ先の腰越駅で降り、一駅分歩くことにしました。この区間の車窓が特に印象的で、これを見たいがために江ノ電に乗るといって過言ではない風景を徒歩でゆっくり堪能してみると、車内からは気づけなかった町の良さを見つけました。レトロなお店、いい雰囲気の路地裏、そんな町並みの中を歩く、サーフボードを抱えたウェットスーツ姿の男性……。この町に住む人たちの生活が垣間見えてなんだか微笑ましくなってきました。
ノスタルジックな通りを進むと、海岸沿いに国道と江ノ電が並走する、江ノ電の絶景ポイントが見えてきます。この日は台風が近づいていましたが、波間にはサーファーが浮かんでいました。台風の前後の波は波乗りにとって乗ってみたい高い波なので、敢えてその日に行くから人が多い、と昔、知人に聞いたことがありますが、大丈夫なのだろうか。そんなサーファーたちを横目に、少し立ち止まってはカメラで撮り、歩いて、また撮って……。そうこうしているうちにわたしの好きな鎌倉高校前駅に到着です。しかし、人が多い……。鎌倉高校前駅から二駅先の稲村ケ崎駅へ、そこから七里ヶ浜駅まで一駅分歩いて戻ります。車窓から見えたものは全部確かめたい。止まって写真を撮って、また進んでを繰り返し、のんびり腰越駅に戻りました。
江ノ電好きなら寄ってほしい、「江ノ電自転車ニキ」のお店でランチ
ランチは鉄オタ界隈では有名になってしまったメキシコ料理店「HOME taco bar」へ。深夜に試運転していた古い形式の江ノ電と並走したため、撮り鉄に詰め寄られた映像が拡散され、当時ネットで騒然となった「江ノ電自転車ニキ」こと、ディランさんが営業しているお店です。入ったらすぐ自転車ニキと向かい合う状態になり、固まりました。しまった、心の準備をしていなかったよ……。次回行くときは事前に精神統一をしておかねば。メニューからコラボグッズまで、店内が当時の事件のコラージュだらけでニヤニヤしてしまいます。勧められたポークブリトーとクラフトビールを注文。まるで広島風お好み焼きのごとく、生地にどんどん盛られていく具材たち。そうして出来上がったのは、今まで見た中で最も巨大なブリトーでした。中に入っているプルドポークがすごくおいしい! なによりBBQソースが絶妙なスパイシーさでわたし好みでした。ソースは自家製だそう。次はタコスも食べてみたいです。
◆HOME taco bar
住所:鎌倉市腰越2丁目10-25-202
電話番号:090-2425-1235
営業時間:12:00~15:00、17:30~20:00
定休日:火曜日
事件現場「腰越カーブ」を見学後、ご当地菓子を買いに「扇屋」へ
ここまで来たので事件現場にも行ってみました。鉄オタの聖地であり「江ノ電自転車ニキ事件」の現場となった通称「腰越カーブ」。ここは線路のカーブとしては日本最小のS字カーブだそう。走っている江ノ電を撮ると、まるで脱線しているように見えるぐらいの急カーブです。
事件現場近くには以前から気になっていた江ノ電もなかの「扇屋」が。車窓からいつも気になっていたお店で、バラで買えるのはここだけです。なお、バラで買えるのは抹茶餡のみ。ほかの季節の生菓子もおいしそうだったので少し悩んでしまいましたが、江ノ電もなかを購入。
◆扇屋
住所:藤沢市片瀬海岸1-6-7
電話番号:0466-22-3430
営業時間:9:00~17:00
定休日:月3日ほど
おわりに
せっかくの江ノ電。終点の鎌倉駅まで乗ってから、海を見に折り返して長谷(はせ)駅へ。鎌倉といえば、ということで由比ヶ浜(ゆいがはま)も行ってみました。こちらにはサーファーのほか、沖合にはウインドサーフィン、さらに沖にヨットという、海辺の町ならではの風景が広がっていました。少し歩いていたら、親子で波乗りに来た二人組の姿が通り過ぎて行ったのが印象的でした。次回は妹たちと一緒に神社仏閣巡りがしたいところですが、あまりの観光客の多さが少しネックです。けれど、満員の車内で遠足のしおりを持っている中学生グループを見かけたとき、懐かしくなったのもこの旅の思い出です。
◆このブログを書いたメンバー
さくやさん
隙あらば散歩をするほどお出かけ好き。特に、ワイナリー、ブリュワリー、酒蔵のはしごが大好き。















