トレッキングの道中こそ面白さにあふれている! 屋久島を愛するガイドさんの貸切りツアー
夏に森の中を歩くのは、涼しさも求められて気持ちがいいです。屋久島に行ったらぜひとも体験したいと思っていたのが、ガイドツアー。団体で縄文杉に行くツアーが数多くありますが、早朝に出発し往復で約10時間の登山はかなりハード。体力にあまり自信がない方や、登山というよりはゆっくり自然を楽しみたい方におすすめなのが貸切りのガイドツアーです。屋久島を愛するガイド藤江さんの貸切りツアーを、実際に体験してきた旅色LIKESライター・さっかがご紹介します。
目次
一期一会のガイドさんとの出逢い
屋久島には貸切りのガイドツアーをされている方がたくさんおり、屋久島観光協会公式HPにある「屋久島ガイド名鑑」から調べることができます。どのガイドさんにお願いするのかも一期一会の出逢いです。選んだのが「屋久島☆自然感察ガイド」の藤江 昌代さん。「ガッツリな登山ではなく、のんびり森歩きや里山歩きなど屋久島の自然を愉しむコース」とHPに案内されていたことが決め手でした。私は静岡県西部の浜松市在中ですが、藤江さんは愛知県東部の田原市出身とご近所だったことにも運命を感じます。連絡を取ってみると、オリジナルのカスタムコースで1日案内していただけるとのこと。やり取りする中で内容は、屋久島で有名な観光スポットの1つ「ヤクスギランド」にある50分のハイキングコースを歩くほか、自然を楽しめるスポットいくつかも訪れることに決まりました。
3倍の時間をかけてマイペースに「ヤクスギランド」を満喫
車窓から見た、ヤクザルの集団。
朝ホテルまで迎えにきてもらい、「ヤクスギランド」へ向かいます。車中ではカフェや食堂、お土産屋などの情報を教えてもらいます。翌日、島を一周ドライブしようと思っていたのですが、一緒にルートを考えてくれました。藤江さんは2度目の屋久島移住で、合わせて10年以上を屋久島で過ごすベテラン。住んでいる方ならではの情報も、たくさん聞くことができました。
途中、ヤクザルの集団に出会い、車の速度を落としてもらって写真を撮ることができました。野生のサルには凶暴なイメージがありましたが、ヤクザルの集団はのほほんとしていてかわいらしいです。
「ヤクスギランド」に到着すると、藤江さんが立派な双眼鏡を装備。お仕事でありながら、楽しもうという気合いを感じ、本気で楽しんでいる方のガイドはきっとすごくおもしろいはずと、私までワクワクしてきました。
50分のハイキングコースは歩道が整備されていて、どなたでも歩きやすいコースです。まず学んだのは、屋久島の森の素晴らしさについてです。屋久杉は江戸時代に、平木と呼ばれる屋根材などに使うため切り倒されました。なかには状態がよくないために、運び出されることなく長い年月をかけて朽ちていくものもあります。次第に朽ちた木を養分として苔が生え、新たな木が芽生え、朽ちた屋久杉の上に新たな森ができていきました。「死んだら土に還る」と言いますが、土に還って新たな森の養分になることが実感できる場所が屋久島の森です。
森を歩いていると、普段は気になるものを発見します。葉っぱの裏にいくつも並んだコブのようなもの。「これなんですか~⁉ 」思わず先を歩く藤江さんを呼び止めます。葉っぱはシキミ、コブのようなものは虫コブといって虫が卵を生みつけた跡、中に幼虫がいます。日頃から、ヤクスギランドを歩いている藤江さんだからこそ気がつくこともあります。「ここの新芽、この前はあったんだけど動物に食べられちゃったみたい」というのは、歩道からちょうど手の届く場所にある枝。動物にとっても食べやすい場所だったのでしょう。森の中にはさまざまな生き物が暮らす様子が垣間見えます。「ガイドって何でも知っているように思われるけど、そんなことないんですよ」という藤江さんですが、歩道から見えるさまざまなものに説明を加え意味づけてくれます。
「ぜひ深呼吸してみてくださいね」藤江さんに言われて、小さな滝の前で立ち止まって深呼吸。澄んだ空気が体中に染み渡り、いい気持ちです。
気になったものがあれば立ち止まり、ときには立ち止まって深呼吸したり水の流れる音に耳をすましてみたり。ガッツリと登山ではない、のんびりしたトレッキングだからこそ楽しめる時間。ヤクスギランドの50分のハイキングコースを、気がつけば3時間近くかけて歩いていました。「こんなにゆっくり歩く方、他にはいないですよね? 」と聞くと、笑いながら「全然いいんですよ」と言ってくださる藤江さん。貸切りのガイドツアーだからこそ、こんなにもゆっくりと過ごせたことで満たされた気持ちになりました。
自然を愛し屋久島を愛するガイド藤江さん
お昼ごはんにお湯を沸かして味噌汁を入れてくれる藤江さん。
藤江さんが初めて屋久島を訪れたのが2002年。うまく言葉にはならないような感動を覚え、その気持ちを確かめるために4ヶ月後に再訪してみると、屋久島が好きだという気持ちが確信に変わる感覚を覚えたのだそう。その後、宮古島への移住を通して「自然が好き。ちゃんと自然を学びたい」と感じ、30歳で東京にある自然環境系の専門学校に入学。卒業後、屋久島に移住しガイドを始めました。10年ほどガイドをした後、一度地元である愛知県田原市に戻りますが、2023年に再び屋久島へ移住。現在は11月~1月は田原市、それ以外は屋久島と2拠点で生活しながらガイドをしています。
田原市でも「ここ屋久島じゃん! 」と感じる風景を見つけてガイドを始めたという藤江さん。印象的だったのは「登山はそんなに好きではないんですよね」という言葉。屋久島といえば、登山のイメージでした。しかし、藤江さんが大切にしているのは、目的地にたどり着くことではなく道中で見つけたものを楽しむこと。だからこそ、ヤクスギランドを通常の3倍の時間をかけて一緒に歩いてもらえたのです。屋久島の自然を愛し、全力で自然を楽しみながらガイドをしていることが話の中で伝わってきました。
自然の魅力を捉えた記念写真
ガイド中に藤江さんが、たくさんの写真を撮ってくれていました。スマホでの写真ですが、パノラマ撮影で大木の全体を画面に収めるなど屋久島の自然の魅力がよく伝わるものばかり。記念撮影をお願いすることはあっても、旅を楽しむ自然な様子を撮ってもらうことは少ないので記念になりました。
おわりに
屋久島というと縄文杉までの登山のイメージが強く、体力的にも不安がありました。ゆったりと屋久島の自然を楽しみたいと思って出逢ったのが、藤江さんの貸切りガイドツアーです。私はどこを訪れても、道中気になるものは時間をかけて見たいのですが、一緒のペースでガイドをしていただきました。体力にあまり自信がない方や、登山というよりはゆっくり自然を楽しみたい方に藤江さんのガイドツアーがおすすめです。他のお客様がいないので歩くのが遅くても、もう少しゆっくり見たいと思ったときも気を遣う必要がありません。気になったことをどんどん質問できるのも貸切りのいいところ。ぜひ参加してみてください。
◆屋久島☆自然感察ガイド
電話:090-2047-7710
定員:1~3名
その他:女性限定 (カップル・ご夫婦、同伴OK)、完全予約制、時間や料金はコースや参加人数によるため公式HPを参照
















