絵心ゼロでも描けた!旅の記憶を絵にする「水彩スケッチ」レッスンを体験

旅色LIKESライターのふみこさんが主催した「水彩スケッチレッスン」が5月末に都内で開催されました。講師は、ふみこさんの水彩画の師匠、クリスティーナ先生。水彩画って難しそう……と思いきや、実はめちゃくちゃ気軽に始められるんです。道具はポーチにすっぽり収まるミニマムサイズで、ちょっとしたコツさえつかめば、絵心ゼロでもいい感じに描けちゃう! そんな目からウロコのレッスンの様子をたっぷりお届けします。
目次
実は超気軽に始められる水彩スケッチ
旅色ライター・ふみこさんが旅先の景色をスケッチにして残しているのを見て、「これ、やってみたい!」と思っていた人も多いはず。でも、水彩画って技術が必要そうだし、道具も多くて大変そう……と思っていました、今日までは。
結論、クリスティーナ流の水彩スケッチなら、輪郭はボールペンで描けばOK、色塗りは100均の水筆ペンでOK。でっかいバケツや水場も不要。旅先、カフェ、新幹線の中、思いついたらいつでもどこでもささっと描けるんです。「うまいヘタは関係ない、とにかくやってみることが大事!」という先生に、さっそくそのコツを教わります。
ちなみに、クリスティーナのレッスンは全編英語です。今回は、通訳案内士でもあるふみこさんが通訳してくれました。
◆Christine Lopp(クリスティーナ ロップ)先生のプロフィール
カリフォルニア生まれのアーティストで講師、グラフィックデザイナー。2017年に家族とともに来日し、日本の暮らしの美しさに魅了される。17年間「水彩ジャーナル」の講師を務め、東京での生活を30冊以上の作品に描き続けている。書道や墨絵、木版画も学び、日本の芸術文化に深く触れている。著書のジャーナルも出版予定。
道具はコレだけあればOK

とりあえずこれだけあればOK
初心者にぴったりの、「これだけあればOK」なセットがこちら。すべてがポーチに収まる、コンパクトなサイズ感です。
・約B5サイズのスケッチブック
・ボールペン(1.0mm)
・4色の絵の具&パレット
・水筆ペン
そのほか、筆を拭き取るためのペーパー、水を入れるための小さな容器(ヨーグルトやゼリーの空き容器で代用OK)を使います。外出先で描く場合は、水筆ペンにあらかじめ水を入れておけば、水入れは不要とのこと。
ちなみに、絵の具とパレットは、ミントタブレットくらいの小さなケースに収まるタイプもあります。こんなにミニマムな道具で始められるなんて、ちょっと驚き!

ミニサイズの絵の具ケース。上部をパレットとして使う
紙を“見ずに”輪郭を描く練習
レッスンではまず、対象を見ながら、紙を見ずにアウトライン(輪郭)を描く「BLIND CONTOUR(ブラインド・コンター)」という斬新な技法に挑戦。スケッチブックを机の下に隠し、片手にペン持って、ひたすら対象だけを見ながら一筆書きで線を引いていきます。いびつな線になったり、パーツがズレたりもしますが、先生いわくそこが“味”になるとのこと。
実は机の下で描いてます
皆が机の上にある対象(こけし、植物、ぬいぐるみなど)を見ながら、机の下でおのおのスケッチブックに輪郭を描いてみた結果……
こんなかんじになりました。さすがに“味”がすぎる!?
最初は線がぐちゃぐちゃになって焦りましたが、何度か描くうちに少しずつ慣れてきました。BLIND CONTOURをマスターすれば、対象と紙をいちいち見比べなくても、スピーディーにアウトラインが描けるように。線が歪んでもガタついても、それが“味”になるのがこの手法のいいところ。「うまく描かなきゃ」という意識を手放せば、ぐっと気楽にスケッチが楽しめます。
100均の水筆ペンが色塗りに活躍

100均の水筆ペン、発明した人天才では
着彩には100均でも手に入る「水筆ペン」を使用。中に水を入れて使えるこのアイテム、これさえあればバケツなどの水入れが不要なので、旅先でのスケッチに大活躍なんだとか。先生いわく、「日本の最高の発明!」とのこと。

絵の具をたっぷりの水で溶いて一気に塗ると、ムラなくきれいに広がります。乾かないうちに色を重ねればやさしくにじみ、乾いてから重ねると、しっかりとした色合いに。気づけばみんな無言で集中。デジタルに囲まれた日々だからこそ、アナログな筆と紙の手ざわりが新鮮です。無心になって、ひたすら色を重ねていく……まさに“マインドフルネス”な時間。
ちなみに、用意されていた絵の具は黒・青・黄・赤の4色だけ。でも意外にも、これだけでさまざまな色がつくれてしまうんです。

ほかにも、絵の具が乾く前に塩やアルコールスプレーを振って質感を出したり、DIYテープを使ったりと、ひと手間で表情を変えられるのも水彩ならではの楽しさです。
「BOX POP」でスケッチを日記風に仕上げる

描いたモノがはみでるように囲むと雑誌っぽくなる
お次は、水彩スケッチをジャーナル(日記)風に仕上げるレッスン。描いたスケッチを囲むようにボックスを描き、タイトルと日付、空いているスペースに今日の出来事などを書き添えていきます。このデザインを「BOX POP(ボックスポップ)」というそう。

スケッチをボックスで囲って、タイトルを添えるだけで……あら不思議。どんな絵でも、ぐっとアートっぽさが増してきます。さらにちょっとした文字を組み合わせれば、写真では残せない、自分だけの記録=ジャーナルの完成です。
色の塗り方は自由で、背景だけ色を塗る、主役だけ塗る、なんでもアリ。それでは、参加した皆さんの作品をいくつか発表します!
水彩スケッチで残す旅の思い出
今回のレッスンでいちばん心に残ったのは、「水彩スケッチって、うまく描かなくてもいいし、こんなに簡単にできるんだ!」という発見。絵心がなくても、それなりに見える作品ができあがるのがうれしくて、筆を動かすたびにワクワク。クリスティーナの明るくフレンドリーな人柄、センスあふれるアトリエの空気も心地よく、気がつけばあっという間に時間が過ぎていました。
スマホで撮った写真は、意外と見返さなかったり、どこかに埋もれてしまったり。でも、手で描いたスケッチは、そのときの空気や気持ちまでも不思議と記憶に残るものです。
レッスンのあとのランチで訪れたお店では、その場でスケッチ→帰宅後に着彩という流れで、今日の思い出を一枚に閉じ込めてみました。

ちょっと間違えちゃっても、それが味!
こんなふうに旅や日々の何気ない記録を残せるのって、ちょっといいですよね。これからはお出かけのときに水彩セットをバッグに入れて、ちょこちょこ描いていこうと思います。
次回のレッスン開催は秋ごろ予定
現在、クリスティーナはアトリエの引っ越し中。次回の水彩スケッチレッスンは秋ごろを予定しているそうです。
「絵なんて描いたことない」という方こそ楽しめる、気軽で楽しい水彩体験。興味のある方はぜひ、次回のレッスンにご期待ください! 詳細は旅色LIKESメンバーサイトでお知らせします。ふみこさん、素敵なイベントの開催ありがとうございました。
◆今回の水彩スケッチレッスンイベントの概要
日時:5月31日(土)10:00~12:00
場所:東京都港区麻布にあるクリスティーナのアトリエ(現在引越し中)
参加人数:6名
参加料金:旅色LIKESメンバー特別価格
次回開催:2025年秋ごろ予定
※気になる方は旅色LIKESメンバーサイトでご確認ください

クリスティーナのSNSやHPもぜひチェックしてみてくださいね。日本の風景や素敵な作品、彼女ならではの世界観が楽しめますよ。さらに、日本各地を旅したジャーナルの出版も予定されているので、お楽しみに!