トンボロを渡って涼を求めに出かけよう。春~夏にぴったりな江の島お出かけ情報5つ

出張や旅行で全国を飛びまわっている旅色LIKESライター・&ヨシカです。4月末、ふらりと訪れた江の島で海の中に現れた砂の道に出会いました。いつもは水に沈んでいるはずの場所が、潮の引いたわずかな時間だけ陸と島をつなぐ“道”が現れる不思議な現象「トンボロ」。この道は春から夏にかけての限られた季節の干潮の時間帯にだけ見られるそう。今回は、このトンボロとともに楽しめるおすすめスポットを紹介します。
目次
江の島ってどんなところ?
神奈川県藤沢市にある江の島は、都心から気軽に足を延ばせる小さなリゾートアイランド。新宿駅や東京駅から電車で約1時間〜1時間半、交通費は片道1,000円ほどと日帰り旅にもぴったりです。橋を渡って徒歩で島に入ると、そこには海の絶景や歴史ある神社、趣あるカフェや昔ながらの土産店がぎゅっと集まっています。観光地としてのにぎわいがありながら、一本奥へ入れば静けさと潮風に包まれる不思議な空気感があり、何度も行きたくなる魅力のある場所です。
潮が引いたらいざ、トンボロ体験
干潮時に海の上に砂の道が現れ、普段は橋を渡らなければ上陸できない江の島へ、砂浜づたいに歩いて渡ることができるトンボロ現象。海の中にあるはずの場所が砂浜として姿を現す光景に、まるで海に招かれているような気になります。普段は橋の上から見る富士山が橋桁越しに見えたり、潮が引いてできた水たまりに取り残されたカニや小さな魚たちの姿を見たりもできるので、何度も江の島に来た人でも新しい一面が楽しめるはずです。
ほかにも国内でトンボロが見られる場所はいくつかありますが、江の島では潮位が20センチ未満になるとトンボロができる可能性があるそう。トンボロが現れる可能性のある日時や江の島に上陸できる階段の開放日は、藤沢市観光協会のホームページで確認することができます。一日の中でも潮位が1メートル以上変化することがあるため、潮見表アプリなどで事前に潮位をチェックしてからお出かけの予定を立てましょう。
「江の島サムエル・コッキング苑」でのんびり小ワーク
江の島サムエル・コッキング苑は、島の最も高い場所に位置する、木々や草花に囲まれた素敵な公園です。江の島のシンボル「シーキャンドル」もこの苑内にあります。山の頂上にあるため、たどり着く頃には真夏でなくても汗ばむほど。そんなときは売店でドリンクやアイスキャンディーを購入し、木陰のテーブルで一息つくのがおすすめです。私はここで休憩がてら、少しだけ仕事をすることもあります。暑い日でも、木陰に吹く風はひんやりとしてとても心地よいのです。広々とした園内を歩きながら季節の花々を眺めてリフレッシュしたり、天気の良い日には富士山を望んだりと、訪れるたびに癒やされます。以前は入園料が必要でしたが、2023年4月1日からはイルミネーションなどの夜間イベントが行われていない期間に限り、終日無料で入苑できるようになりました。また、苑内には絶品のフレンチトーストが楽しめる「LONCAFE」もありますよ。
◆江の島サムエル・コッキング苑
住所:藤沢市江の島2-3-28
電話番号:0466-25-3525(藤沢市観光センター)
営業時間:9:00~20:00 ※最終入苑19:30 ※イベントにより変動あり
定休日:無休(施設点検などで臨時休苑の場合あり)

ランチは年初めにも立ち寄るほどお気に入りの「㠀舎(とうしゃ)」で
コロナ禍で江の島の多くのお店が休業していた頃に見つけ、それ以来、定期的に訪れているお気に入りのお店が「㠀舎(とうしゃ)」です。古民家を改装した広々とした空間で、窓からは海が見え、ゆったりとした時間を過ごせます。初めてランチの定食を食べた際、魚がカラッと揚がっていて、頭からしっぽまで丸ごと食べられたことに感動。以来、普段のランチだけでなく、初詣のときは、海鮮丼とお雑煮をいただくのが恒例になりました。定食の魚メニューのほか、ブリの身がたっぷり入った粕汁もイチオシ。定食メニューにもなっているのですが、私はランチセットのお味噌汁を有料で粕汁に変更してもらっています。
◆㠀舎
住所:藤沢市江の島2-6-10
電話番号:0466-66-6252
営業時間:11:30~定食完売次第終了
定休日:不定休
涼を求めて「江の島岩屋」へ
江の島岩屋は、江の島の最奥部にある海食洞で、波に削られてできた神秘的なスポットです。洞内は一年中ひんやりとしており、夏のお出かけ先にぴったり。ろうそくの灯りに照らされた幻想的な空間を進むと、まるで異世界に迷い込んだような感覚に。第一岩屋、第二岩屋の2つの岩屋があり、第二岩屋には龍神伝説(※)にまつわる像が祀られ、江の島に伝わる神話の世界に触れることもできます。
※龍神伝説:鎌倉にはかつて、悪さばかりする「五頭龍(いずりゅう)」が住んでいた。五頭龍の住む腰越地域に天女が現れ、何もなかった海上に一つの島が出現(これが今の江の島とされている)。天女に一目惚れした五頭龍は結婚を申込み、天女は今までの悪行を悔い改めるのを条件に承諾したとされる。
◆江の島岩屋
住所:藤沢市江の島2丁目
電話番号:0466-22-4141(藤沢市観光センター)
営業時間:9:00~16:00(季節により変動あり)
定休日:荒天時や高波時は閉洞の可能性あり
料金:大人500円、小人200円

潮風が心地よい「べんてん丸」でワープもおすすめ
江の島の遊覧船「べんてん丸」は、江の島弁天橋と島の西端にある稚児ヶ淵(ちごがふち)・江の島岩屋を約6〜10分で結ぶ船。徒歩だと約40分かかり、アップダウンもあるところを海上で楽々とアクセスできます。運航は主に土・日・祝日で、3〜10月は平日も運航されますが、強風や高波、干潮などの天候・海況により欠航となる場合があり、朝は運航していても途中で欠航することも。実は何度も江の島に行っている私でも、運行しているのを見た事がなかったのですが、今回縁があり、利用してみることに。いつもと違う目線で江の島を見られてよい経験になりました。運航情報は当日10時30分頃に確定され、藤沢市観光公式ホームページで確認できます。ちなみに、トンボロの出る日は水位が低いので運行できないそう。
◆べんてん丸
発着場所:江の島弁天橋~稚児ヶ淵(江の島岩屋付近)
電話番号:0466-23-2444(江ノ島遊覧船株式会社)
運航時間:10:00~16:00(15分~30分間隔で運航、季節・天候により変動あり)
定休日:荒天・強風・高波・干潮時は欠航
片道料金:大人(中学生以上)400円、小人(6歳以上)200円
終わりに
今回紹介したのは江の島の魅力のほんの一部にすぎません。春から夏の干潮時にだけ現れる「トンボロ」現象のように、夕暮れ時の海辺や、シーキャンドルのイルミネーションが灯る夜の景色など、四季折々でその姿を変えるのが江の島ならでは。何度でも足を運びたくなる不思議な魅力にあふれた江の島で、あなただけのお気に入りの楽しみ方を見つけてみてください。