1日7組限定! 秩父の隠れ宿 「二百年の農家屋敷 宮本家」で元力士が紡ぐ唯一無二のひととき

埼玉県

2025.06.30

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1日7組限定! 秩父の隠れ宿 「二百年の農家屋敷 宮本家」で元力士が紡ぐ唯一無二のひととき

埼玉県秩父郡小鹿野町には、大相撲元幕内力士の剣武(つるぎだけ)で12代目当主・宮本一輝(かずてる)さんが運営する「二百年の農家屋敷 宮本家」があります。幕末から続く農家屋敷を改修した旅館で、相撲文化と秩父の里山の魅力を融合させた特別な場所です。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で埼玉県初の入選を果たしました。囲炉裏で味わう地元食材の料理や、こだわりの貸切風呂、BARで楽しむ自家製山の実酒で贅沢なひとときを過ごした旅色LIKESライター・相撲旅担当のさっちもが大人の癒し旅をご紹介します。

目次

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「埼玉県おもてなし大賞」にも輝いた、「二百年の農家屋敷 宮本家」

一着一着、趣の異なる特別な館内着

同じ部屋は2つとない、個性豊かな客室

約50種類の自家製山の実酒が楽しめる蔵BAR

絶品ちゃんこ鍋と秩父の郷土料理を堪能

当主自慢の貸切風呂で、心を解き放つ極上の時間

おわりに

「埼玉県おもてなし大賞」にも輝いた、「二百年の農家屋敷 宮本家」

バスの大きな窓から眺める秩父の美しい景色は格別。

バスの大きな窓から眺める秩父の美しい景色は格別。

西武秩父駅から無料送迎バスで約20分。秩父市街を抜け、山々を眺めながら宮本家がある小鹿野町へ向かいます。あいにくの雨模様でしたが、晴れた日の道中は、夏の日差しに輝く深い緑や、キラキラと光る荒川の清流が美しいのだそう。

宮本家の歴史は約300年前に遡るとされ、秩父では有名な豪農だった。

力士からの寄贈品が展示されている母屋の玄関。

たっぷりと光が差し込む吹き抜けの階段は、大人2人が並んで登っても余裕のある幅の広さ。

ぬくもりを感じる母屋の廊下。

囲炉裏の香りが迎える別邸の玄関。

宮本家に到着すると、「ただいま」と口にしたくなる、どこか懐かしい安心感に包まれました。広大な敷地に建てられた「二百年の農家屋敷 宮本家」は、1975年に宮本さんの父、猛治(たけじ)さんが民宿として開業。約200年前からある母屋を客室に、馬屋はフロント、蔵はBARに改修され、畑で採れた新鮮な野菜を使った里山料理で豪農文化を体現する宿に。その後、大相撲の世界を離れた宮本さんが経営を引き継ぎ、力士の風格を活かした「日本の原風景」を感じる旅館へと発展させました。

一着一着、趣の異なる特別な館内着

鮮やかな色と柄が目を引く力士浴衣。

力士や相撲部屋から贈られた反物で浴衣を仕立てる。

フロントで貸し出される館内着は、力士が実際に着用する浴衣の生地で仕立てられた特別な一着。力士の四股名や相撲部屋の名前が入った反物は、力士がお中元として贈り合うのが習わしとされています。この希少な生地を使った浴衣を着られるのは、宮本家だけ。

馬屋を改装したフロント。

静かに佇む「てっぽう柱」(写真左奥)。

フロントの入口には、樹齢約50年の秩父産杉で作られた「てっぽう柱」※1があり、宮本家にあるパワースポットのひとつとして存在感を放ちます。その柱に触れて、エネルギーを感じてみてください。

※1 相撲の伝統的な稽古方法「てっぽう」をするための柱。力士は、柱に向かって左右のつっぱりを繰り返す。相撲部屋には必ずあるもの。

2つに折りたたんで座る力士座布団はフッカフカ。

2つに折りたたんで座る力士座布団はフッカフカ。

宮本さんが現役時代に使用していた力士座布団※2もフロントの中央に展示されています。大きさは約90~100センチメートル四方で、厚さ約20センチメートル、重さ約4キログラムという堂々とした姿は、滅多に見られない貴重な品。じっくりとその風格を味わいました。

※2 土俵下の控えで、幕内力士だけが使う事を許されるしこ名入りの座布団。出世の証。

同じ部屋は2つとない、個性豊かな客室

宮本家の客室は全部で7部屋。母屋に3部屋、宮大工仕立ての別邸には4部屋あります。
私が宿泊した客室は、母屋にある「力士の間」。2024年に改装され、6畳と8畳の和室に加え、フローリングの寝室が備わり、壁面を飾る大きな力士の絵は圧巻です。名前の通り、部屋の随所に相撲や力士にちなんだ品々がちりばめられ、相撲ファンの心を掴んで離しません。

ラベンダーの香りがする寝室は、心地よい眠りを誘う。

相撲のマンガや、懐かしいトントン相撲のおもちゃなど、童心に帰る喜びを存分に味わえる。

部屋の至る所に飾られてある力士の小物は、まるで妖精のよう。

他にも、戦国武将・小田原北条氏ゆかりの装飾品が華やかな「武将の間」や、著名人がひそかに訪れる最上級客室の「隠居の間」、庭園を望める客室露天風呂が魅力の「嫁の間」など個性豊かで、唯一無二のものばかり。何度泊まりに来ても楽しめそうです。すべての部屋に宿泊して「宮本家マスター」になりたい! そんな思いが湧き上がりました。

約50種類の自家製山の実酒が楽しめる蔵BAR

庭園には約150年湧き続けている井戸(写真右)がある。

庭園には約150年湧き続けている井戸(写真右)がある。

デトックス効果があるといわれる「黒文字」。効能を聞いたら飲まずにはいられない!

夏のおすすめは「あまりん」と「ブルーベリー」。お酒ということを忘れてしまうほど果実の甘みが濃厚。

力士の手は大きい。色紙に手をかざして大きさを比べてみよう!

夕食前に案内されるのが、蔵を改修した「蔵BAR」です。棚には約50種類ある自家製の山の実酒や、「キハダ」「黒文字※3」といった珍しいお酒がずらり。愛らしい力士のイラストが描かれたグラスで提供され、相撲好きの心を盛り上げます。山の実ジュースも用意されているので、アルコールが苦手な方でも安心。

※3 クスノキ科の植物。殺菌消毒作用があり、昔は、枝を歯ブラシとして使用していた。

出身校や後援会から贈呈されることが多い化粧まわし。製作費は1本100万円を超える。

力士の魂が宿る立派な「大銀杏」も大切に保管されている。宮本さんは2012年3月場所で引退した。

「蔵BAR」の2階は展示室になっており、宮本家に代々伝わる骨董品や、力士時代の貴重な品々が飾られています。

絶品ちゃんこ鍋と秩父の郷土料理を堪能

江戸時代からある囲炉裏端で食事が楽しめる。

パリッと焼かれた川魚の皮は香ばしく、身はふっくら。串から外さず豪快にかぶりつこう。

秩父名物「味噌ポテト」。郷土料理が並ぶ前菜だけでも心が満たされた。

人生の折り返し地点で、新たな感動をくれた焼きピーマン。

食事は、1960年代前半の農家の食文化を体感できる、素朴だけど、色とりどりのごちそう。「おなかいっぱい食べてもらいたい」という当主の心遣いから、懐の深さとボリュームはまさに横綱級。野菜はすべて直営農園「秩父ふるさと村」で採れたものです。なかでも、感動したのは囲炉裏で焼き上げた大きなピーマン。肉厚でみずみずしく、ピーマンとは思えないほどの甘みがあり、とてもおいしかったです。

ちゃんこ鍋のスープは季節ごとに替わる。この日は塩ちゃんこ。

ちゃんこ鍋のスープは季節ごとに替わる。この日は塩ちゃんこ。

新鮮な野菜がふんだんに使われたちゃんこ鍋は絶品。相撲部屋のちゃんこ鍋は、力士の体重を増やすために砂糖をたっぷり加え、稽古で大量の汗をかくため塩も多く使用します。そのため、濃いめの味付けになっているのが特徴ですが、宮本家のちゃんこ鍋は、豊富な野菜から出た自然な甘みと、鶏出汁の深い旨味がおいしさの秘訣。調味料に慣れた舌をリセットしてくれるような秩父の恵みに、思わず笑みがこぼれます。農家屋敷ならではのヘルシーなちゃんこ鍋は、ここでしか出合えない特別な一品です。

当主自慢の貸切風呂で、心を解き放つ極上の時間

相撲部屋の稽古場をイメージした力士風呂。

脱衣所には階級が書かれた「番付札」がある。1宿泊1番付上げていこうと決意。

樹齢約100年の木曽産檜で作られたてっぽう柱で黙々と稽古に励む。

別邸にある庭園風呂は、アルカリ性単純硫黄冷鉱泉でツルスベ肌に。

館内には4つの貸切風呂があります。薪で沸かす五右衛門風呂の「大釜風呂」、相撲部屋に入門したかのような「力士風呂」、母屋と別邸にひとつずつある「庭園風呂」は、入浴しながら四季折々の景色が眺められ、どれも宮本家のこだわりを感じました。

現在も14代武蔵川部屋の流れを汲む相撲部屋では、稽古後に唱えられている。

現在も14代武蔵川部屋の流れを汲む相撲部屋では、稽古後に唱えられている。

また、力士風呂に掲げられた「力士修業心得」は、私の生活にもそのまま取り入れたくなる文言ばかり。力士の気持ちを味わって、1日の終わりに唱えてみませんか?

宮本家名物の大釜五右衛門風呂。

貸切風呂の中でも温度が高め。熱いお風呂が好きな方にはたまらない。

五右衛門風呂の「大釜風呂」は、その希少性から大人気。薪で湯を沸かしているので、耳を澄ませばパチパチと心地よい音が聞こえてくるかもしれません。釜は大人2人が入れる大きさです。初めての五右衛門風呂はぜひ一人占めでゆったりとしてみてください。お湯が熱いと感じたら差し水で調節でき、釜のフチも触れる温度なので安心です。

おわりに

色紙にサインと志の言葉をリクエストしたところ、当主の粋な計らいで、手形入りの特別な色紙に書いてもらえた。

色紙にサインと志の言葉をリクエストしたところ、当主の粋な計らいで、手形入りの特別な色紙に書いてもらえた。

当主の宮本さんが志とする言葉は「唯一無二」。その言葉が示す通り、宮本家は歴史ある農家屋敷と相撲文化が結び合う「日本にただひとつの力士の宿」。ここでしか味わえない貴重な体験に、心も体も癒されました。現在、宮本さんは「二百年の農家屋敷 宮本家」のほかに、団体の受け入れが可能な温泉旅館「宮本の湯」、農場体験・ふるさと体験・自然体験の3つのツーリズムが楽しめる「秩父ふるさと村」、貸切ペンション「森の風みやもと」を経営しています。力士時代に培った不屈の精神で、敏腕実業家として伝統を守りながら、「前へ前へ」と攻め続けます。宿泊は1日7組限定なので、予約はお早めに!

◆二百年の農家屋敷 宮本家
住所:埼玉県秩父郡小鹿野町長留510
電話:0494-75-4060(9: 00~21: 00)
定休日:年中無休
※小学生未満のお子様の受け入れは「母屋 力士の間」のみ
※日帰りプランあり

「二百年の農家屋敷 宮本家」公式HPはこちら

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#秩父 #旅館 #癒し旅 #体験レポート

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本場所は前相撲から結びまで、すべての取組を追いかける「スー女」です。旅のモットーは「相撲があり、力士がいる場所へ」。滞在先の魅力を、相撲エピソードを織り交ぜながら、お伝えしていきます。記事を通して、相撲をもっと身近に感じていただけると嬉しいです。

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