春の東寺は桜色。弘法さんで市を楽しみながらそぞろ歩き

京都府

2025.04.16

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春の東寺は桜色。弘法さんで市を楽しみながらそぞろ歩き

お日さまの光が温かくなり、春満開といった風情の京都。桜の名所はぎょうさんありますけど、今回は地元の人はもちろん多くの観光客の皆さんがお越しになる東寺さんで毎月21日に開かれる「弘法市」に行ってきました。

目次

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まずは東寺について

“弘法さん”ってなに?

弘法さんの楽しみ方は?

春の東寺はやっぱり桜

終わりに

まずは東寺について

弘法さんの日は門の前から露店が並びます

青空へ向かう五重塔

“東寺(とうじ)”の、正式名称は「教王護国寺(きょうおうごこくじ)」と言います。796年に平安京の守護のために創建された真言宗の総本山です。境内に建つ五重塔は約55メートルの高さで、普通のビルやったら20階建て相当。1300年も昔に高い塔を建てた人々の建築技術の高さに圧倒されます。1994年には、「古都京都の文化財」としてユネスコの世界遺産に登録されました。講堂には、弘法大師・空海が造った仏像群が安置されていて国内外からたくさんの人が拝観に訪れたはります。

住宅に囲まれてひっそりと建つ羅生門の碑

住宅に囲まれてひっそりと建つ羅生門の碑

なんで“東寺”と呼ばれることになったんかというと、創建時に羅城門の東側に建てられたからなんやそうです。東があるから西もあるやろうと思ははるでしょ。遠い昔にはそれはそれは壮大な西寺(さいじ)が、羅城門を挟んだ西側に建っていました。そやけど、時の流れと共に火災による消失などを経て次第に衰退し、今では西寺の跡地に公園を残すのみとなってしまいました。

“弘法さん”ってなに?

午前10時の人出

お雛さんが並んでる

植木屋さんは春らしいフキノトウ

京都の人が敬意と親しみを込めて“弘法さん”って呼んでいる「弘法市」、東寺の境内には、骨董品、古着、陶器、食品など、月によって数は違うような気がしますけど、だいたい1,000以上の露店が並んでいます。いつもは広く見える境内も、この日ばかりは、掘り出し物を探す人やら、お店の人と会話を楽しむ人やらで埋め尽くされます。境内を人の波に流されて歩きながら、植木屋さんでクリスマスローズの鉢を買い、しばらく歩いて着物の古着屋さんを覗き、骨董屋さんで久谷の皿を愛で、お猿さんが可愛い猿回しを眺めて奥まで進みお参りを。“弘法さん”は、毎月真言宗の開祖である弘法大師・空海の月命日である21日に開かれます。

みんな道を開けてお坊さんたちを送ります

ここの河津桜が咲くと春やなぁって思うんです

今回は、春浅い日やったさかい奥の早咲きの河津桜が満開でした。法要のお坊さんの列が、露店の間を通らはるのに出会うこともあります。そういう時はちゃんと道を開けて、お坊さんたちに手を合わせましょう。

弘法さんの楽しみ方は?

きもの屋さんがぎょうさん並びます

花嫁衣装やろか

弘法さんは、見て回るだけでも十分おもしろいですけど、楽しむためのポイントをいくつか伝授します。

まずは、お店をじっくり回って掘り出し物を探してみる。
弘法さんの日には、古い着物や骨董品、カメラの部品にカンナや金槌などのお道具、お雛さんや五月人形に、なぜかお寺さんで使うような大きい木魚とか燈籠とか盛りだくさん。雑多に見えて、貴重なお品が埋もれている可能性もあります。私はこの日、しつけのかかった大島紬の着物と春物のショールを買いました。
お買い物をするときは、お店の人と話してみるのがおすすめです。余裕のある時は、商品にまつわるおもしろいお話を聞けることもありますよ。

ドライフルーツに交じってめかぶ。まぁ、ドライではある。

ドライフルーツに交じってめかぶ。まぁ、ドライではある。

次は、縁日気分でおいしいものをゲットしましょか。
境内には、たこ焼き、お好み焼き、うどんなどその場で食べられるものから、七味唐辛子、お茶、野菜、酒粕、お漬物等買って帰って楽しめるものまで、食べ物屋の種類も豊富。

白い蛇。今年の干支

お猿さんもいはりました

他にも、手作りの品を並べるお店や白い蛇を見せてくれるオジサマや、お猿さんの芸等食べ物や骨董の露店に交じって突然現れます。このカオス感を楽しむのも弘法さんの楽しみの一つです。

春の東寺はやっぱり桜

五重塔をバックに桜が映えます。2024年4月撮影。

あったかい日には亀さんがひなたぼっこ。2024年4月撮影。

境内を埋める200本の桜。2024年4月撮影。

樹齢1000年ともいわれる不二桜。2024年4月撮影。

毎月開催されている弘法さんですが、春はいつもとちがう魅力があります。東寺は紅葉でも有名ですけど、五重塔をバックに咲く桜も楽しむことが出来ます。境内に染井吉野や枝垂桜が200本ほど植えられていて、温かいお日さんの光の下で散歩すると五感が全部春になったような気がします。
夜はお昼とは違った色っぽい桜が見えますさかい、毎年やったはる夜間拝観で訪ねるのも一興です。高さ約13メートルもある大きな枝垂桜の不二桜が青い空に咲く姿は見事ですさかいお見逃しなく。

●夜桜ライトアップ 金堂・講堂夜間特別拝観
公開期間:2025年3月15日~4月13日
拝観時間:18:00~21:30(最終受付21:00)
拝観料:大人1,000円、中学生以下500円
アクセス:近鉄京都線東寺駅から徒歩約10分

終わりに

弘法市は五感で楽しめる、まさに「体験型」の観光スポットです。お寺さんやさかいお行儀よくしながら、カオスな市を楽しんでみてくださいな。また東寺は、5月25日まで春の特別公開をしていて貴重な寺宝が公開されています。春のおでかけにいかがでしょう。

◆東寺
住所:京都府京都市南区九条町1
電話:075-691-3325
拝観時間:5:00~17:00
拝観料:金堂・講堂 大人500円 中学生以下無料 ※御影堂、食堂などの拝観は無料

●春の特別公開
開催期間:2025年3月20日~5月25日
拝観時間:9:00~17:00(最終受付16:30)

「東寺」公式HPはこちら

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京都おさんぽ旅 ちあき

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京都に住んでいます。素敵なものを求めて日々ふらふら。四季折々の京都の町をお散歩したり、出会った人とお話ししたり、時々旅に出たり……そんな京都の日々をお届けします。

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