開村60周年を迎えた「博物館明治村」がレトロ建築の宝庫! 120%楽しむ周り方を解説
明治時代の建築を間近に見ることができる「博物館 明治村」。野外博物館で温かくなってきた春先にぴったりのお出かけスポットです。約100万平方メートルもある広大な敷地には、1日では周りきれないほど見どころが満載なので、旅色LIKESライター・さっかが満喫ルートをご提案します! 今年60周年を迎え、特別ガイドやイベントの開催もしているので必見です。
目次
博物館明治村とは
愛知県犬山市にある明治村は 、明治時代の建造物を保存し展示する野外博物館です。昭和40年に開村し今年60周年を迎えました。震災や戦災、戦後の産業の高度成長など時代の変化によって取り壊されることになった建造物を移築し、復元し、今に伝えています。施設内にある11の建造物が国の重要文化財に登録されているほか、国の登録有形文化財も多数。約100万平方メートルの広大な敷地には、60以上の建造物がたち、明治時代風の衣装をレンタルできる「ハイカラ衣装館」、レストランなど1日では回りきれないほどのコンテンツがあります。今年は60周年記念のイベントも多くあるようです。
楽しむ極意1 スマホカメラを片手に、建造物の美しさを発見する
2024年2月に開催された旅色LIKESのイベントの写真家・こばやしかをる先生に教わる「スマホで雰囲気のある写真を撮ろう」に参加し、スマホ写真のおもしろさにのめり込んだ私。明治村は雰囲気のある建造物が多く、写真を撮る手が止まりません。
森鷗外・夏目漱石住宅は、庭先に咲いてある花がかわいらしくていい雰囲気です。
札幌電話交換局は石造りの重厚さと石に刻まれた模様がかっこよく、特にお気に入りの建物です。かっこよさを表現したくてモノトーンのフィルタをかけてみました。
この日、自分の中でテーマにしていたのは「光と影を切り取ること」。窓からの光、明るさと暗さのコントラストなどに注目して撮影してみました。写真は思い出になるだけなく、同じ建造物をアングルを変え、フィルターを変えることで、より面白く見えます。
楽しむ極意2 無料のガイドツアーで建造物に詳しくなる
明治村には建造物やエリアを案内してくれるガイドツアーが多く開催されています。ツアーごとに決められた集合場所、時間に行けば誰でも参加可能で、普段は非公開の場所を案内してもらえるのも魅力のひとつ。公式HPの情報を参考に、ガイドツアーを駆使しながら村内を巡るのが、おすすめです! 1日でいろいろな建造物に詳しくなることができて、知的好奇心が満たされます。公式HPには多くのプランが掲載されていますが、どう周れば満喫できるの!? という方におすすめしたい、私が効率よく、心ゆくまで楽しみつくしたプランをご紹介します。
10:30 レトロでかわいい「村営バス」で移動
正門から村内の1番奥まで徒歩約25分。村営バスが敷地内を周回していますので、体力温存のために、上手に利用しましょう。バスに乗ると正門から1番奥のエリアにある「帝国ホテル中央玄関」まで楽々と到着できます。村内9つの停留所を何度でも乗降可能で、車内では見どころを紹介する音声ガイダンスを聞きながらゆったり巡ることもでき、とくに初めて来る方にはおすすめです。バスの一日券は、500円で販売しています。
11:00 自然光を取り入れた写真スタジオを持つ「高田小熊写真館」へ
「帝国ホテル中央玄関」の停留所近くにある「高田小熊写真館」で 11:00からの「建物ガイド」に参加します。この時の参加者は5名ほどで、ガイドのすぐ近くで説明を聞くことができる、ちょうどいい人数でした。豪雪地帯の新潟県高田町に建てられた写真館で、当時の歴史を聞いたり、普段は入ることのできない現像に使われていた暗室に案内してもらったり、自分で見学するだけでは分からないことを知ることができます。2階にある撮影スタジオの照明は、窓からの自然光。部屋を明るくするというと、南側に窓をつけるものだとばかり思っていましたが、写真館の窓は北向きの屋根にあります。理由は南側は太陽の動きによって光量が変化してしまうから 。太陽と反対に窓がありながら、こんなにも明るくする方法があるのだなと、感心してしまいました。「ぜひ撮影スタジオの中で写真撮影をどうぞ」とのことで、手持ちのスマホで撮影していただきました。
●高田小熊写真館「建物ガイド」
場所:5丁目65番地
集合場所:1F玄関付近
料金:無料
所要時間:約15分
予約:不要
開始時間:11:00、11:20、11:40、13:00、13:20、13:40、14:00、14:20、※14:40、※15:00
※は土日祝日のみ
11:30 ボランティアガイドさんの案内で周る「帝国ホテル中央玄関」
「帝国ホテル中央玄関」に向かいます。案内板の前に到着すると、ボランティアのおじさん に声をかけられました。どうやらちょうど手が空いていて、随時ボランティアガイドとしてすぐに説明していただくことが可能とのこと。迷わずお願いしました。マンツーマンだなんて贅沢です。
帝国ホテルは、国内外の政治家や有名人に利用されていた日本の代表的なホテル。中央玄関部分のみが、移築されました。入り口はあえて天井を低くし、数段の階段を上がったロビーに出たころで一気に3階までの吹き抜けにした造り。開放感とワクワク感を演出しているそうです。実際に歩いてみる「ほんとだ」と声をあげてしまうほど 効果を実感できました。建物の歴史やデザインの美しさをクイズを交えながら楽しく教えていただきました。
時間に余裕があれば「帝国ホテル喫茶室」へ。建造物の美しさに酔いしれながら、優雅なコーヒータイムを過ごしてみてください。
13:00 昔懐かしい風情の「明治の洋食屋 オムライス&グリル浪漫亭」でゆったりランチ
サラダとスープもセットにして1,550円
「帝国ホテル中央玄関」近くにある「明治の洋食屋 オムライス&グリル浪漫亭」で、ランチをしましょう。店内はゆったり座ることのできるテーブル席で、洋食が楽しめます。メニューはふわとろ卵の「オムライス」が人気。トマト・デミグラス・クリーム・ハヤシ・カレーの5種類からソースを選ぶことができ、私はデミグラスソースを選びました。表面はトロトロで下のほうはしっかりした卵のオムライス。安心する味のデミグラスソースと楽しみました。
14:00 「呉服座(くれはざ)」で歌舞伎や落語の舞台裏を見学
「明治の洋食屋 オムライス&グリル浪漫亭」5分ほど歩くと、「呉服座」があります。大阪府池田市にあった、歌舞伎や落語を演じる芝居小屋です。普段は入れない「枡席」と呼ばれる客席からの雰囲気を味わったり、役者の目線で舞台に立ったりできます。当時は紙吹雪を降らせるのも、舞台を回転させて場面を変えるのも人力でした。舞台裏も見ることができます。
●呉羽座「建物ガイド」
場所:4丁目49番地
集合場所:入口付近
料金:無料
所要時間:約15分
予約:不要
開始時間:11:00、11:20、11:40、13:00、13:20、13:40、14:00、14:20、※14:40、※15:00
※は土日祝日のみ
おわりに
明治風の衣装は明治村の雰囲気にもあっていて素敵です。
明治村はイベントも盛り沢山、明治時代風の女学生姿、書生服で散策できる体験もあるなど、まだまだ魅力が盛りだくさん。帰りに時間があれば、正門まで村営バスに乗りながら、途中で気になった建造物の近くで降りて見学するのもいいですね。暖かくなってきて気持ちいい季節に、明治村を散策してみませんか。
◆博物館明治村
住所:愛知県犬山市字内山1番地
電話:0568-67-0314
営業時間:4~7・9・10月 9:30 ~ 17:00、8月 10:00 ~ 17:00、11月 9:30 ~ 16:00、12~2月 10:00 ~ 16:00、3月 9:30 ~ 17:00(最終入村は30分前まで)
休館日:不定休
入館料:大人2500円、高校生1500円、小中学生700円