【京都】大人もこどもも楽しめる! 春休みは京都鉄道博物館へ

愛読書は時刻表、旅色LIKESライターの鉄道旅担当・なおです。子どもたちはもうすぐ春休み。暖かくなりどこかに出かけたくなる季節ですね。乗り物好きな子どもを連れて京都市にある「京都鉄道博物館」に出かけてみてはいかがでしょう。子どもだけでなく大人も十分楽しめる博物館です。今回は「京都鉄道博物館」の魅力をお届けします。
目次
京都鉄道博物館のあらまし
JR嵯峨野線で京都駅から一駅、梅小路京都西駅にやってきました。京都鉄道博物館の最寄り駅です。鉄道博物館の玄関口らしく、京都方面行のホームと改札口との間にレールの絵が描かれており、鉄道博物館に向かう私たちの気分を高めてくれます。
京都鉄道博物館は「地域と歩む鉄道文化拠点」をコンセプトとして2016(平成28)年4月29日にオープンしました。「鉄道を基軸とした事業活動を通じた地域の活性化に貢献する」というミッションを掲げて地域との共生を目指しています。博物館がある梅小路地区はJR西日本の梅小路運転区があって普段から多くの鉄道を眺められる鉄道とつながりの深い場所です。かつては付近に梅小路蒸気機関車館がありましたが、蒸気機関車だけではなくさらに展示を拡張してリニューアルしたのが京都鉄道博物館です。
かつて活躍した数々の名車がお出迎えする「プロムナード」
入り口から本館までは鉄道のホーム状の長い通路になっていて、昭和初期の夜行急行の食堂車などかつて活躍した数々の名車が展示されています。103系の大阪環状線は2017(平成29)年まで走った列車で、30代のパパママ世代は通勤で使っていた方も多いのではないでしょうか。0系新幹線も含めて親世代が実際に見たり、乗ったりしたことがある車両が多く身近に感じられます。
あの寝台列車が待つ「トワイライトプラザ」
本館に入る前に、ダークグリーンに塗られた機関車が展示される「トワイライトプラザ」エリアに立ち寄ります。この色の列車といえばもうお分かりの方も多いでしょう。2015(平成27)年3月12日まで大阪と札幌を日本海側経由で結んでいた寝台特急「トワイライトエクスプレス」です。わたしは大阪駅で何度も見かけましたが、乗ることなく引退の日を迎えてしまいました。食堂車「ダイナープレヤデス」でフランス料理を食べるのが夢だったんですがね。「トワイライトエクスプレス」の名は、JR西日本の豪華列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に引き継がれ、旅行商品という新たな形で旅を提供し続けてくれています。
鉄道のあゆみや仕組みがわかる「本館」

本館にも新旧の車両が勢揃い!
いよいよ本館の中に入ります。本館にもたくさんの車両が展示されていて、大人の鉄道ファンが懐かしさを感じるはずです。500系新幹線なども展示され、子どもにも親しみが感じられる車両を見ることができます。
車両もただ展示しているだけではなく、階段で車両の下にもぐり、自動列車停止装置など普段見ることができない鉄道の機械的な部分も見て学ぶことができます。ほかにも車輪の大きさや形、パンタグラフの構造など技術的な分野を知ることができるコーナーが充実しており、車体などに興味がある子どもにとっては貴重な施設だと感じました。また、鉄道運行を影で支える保線業務の仕事や、駅員さんの仮眠室などにもスポットライトを当てています。わたしたちが鉄道で安全に旅行したり通勤したりすることができるのは、見えないところで仕事をしてくれる人があるからこそであり、改めて感謝の気持ちでいっぱいになります。
手足を動かして学べる体験施設
将来の夢は運転手に車掌さん! そんな子も多いはず。京都鉄道博物館では鉄道おしごと体験と題して、JR西日本社員による鉄道業務に関する説明と実体験を行うイベントが行われています。開催時期は毎月初めにHPに掲載されるので確認してください。また新幹線の模型を実際に動かして駅に停めるシミュレーターも体験することができます。線路上をトロッコのような乗り物で移動できる軌道自転車など、手足を動かして遊べる体験施設も数多くあります。
ほかにも鉄道にまつわる展示が無数にされています。興味深いものばかりで、時間を忘れて見入ってしまいます。巨大なジオラマは日ごとにテーマを変えており、テーマに合わせた演出が時間限定で運行されます。運行されるときは席が早い時間でいっぱいになってしまうこともあるようなので、時間を確認して見に来てください。食堂車のメニューや駅弁の展示、懐かしのヘッドマークの展示などありましたが、個人的には最近LEDになって姿を見かけなくなったパタパタ式(正式には反転フラップ式)の案内表示器を自分で操作できたのが感動でした。
懐かしのSLが並ぶ扇形車庫
再び外に出て、今度は蒸気機関車が保管されている扇形車庫を訪ねます。先に書きましたが、「京都鉄道博物館」は当初「梅小路蒸気機関車館」として開館しており、蒸気機関車の保管数は他と比べても充実しています。なかでも乗り心地の良かった「C51-239」は天皇陛下のお召し列車として活躍。令和の改元に合わせて菊花紋章などがあしらわれました。昭和天皇のご即位以後、104回お召し列車として走る大役を務めています。隣接するSLのりばからはSLで梅小路公園を一周する乗車体験も実施しており、かつて日本中を走ったSLに引かれて京都の町を走る貴重な体験をすることも。
旅の締めは旧二条駅舎
京都鉄道博物館の出口はJR二条駅の旧駅舎。1904(明治37)年、京都鉄道の本社兼駅舎として建てられました。京都らしい寺社を思わせる木造建築で、90年以上に渡り二条の玄関口として機能していました、嵯峨野線の高架化に伴い新駅舎が完成後、1996(平成8)年に役目を終えて移築されました。鉄道史においても最古級の駅であり貴重なものです。今は博物館見学を終えた方たちを受け入れ、旅の思い出になる博物館の記念グッズを販売する新たな役割を担っています。
おわりに
京都鉄道博物館はレトロな車両からお子様も親しみを感じられる車両がならび、鉄道の歴史やしくみも学べる見ごたえ十分の施設でした。京都駅から梅小路公園を通って歩いてくることもできますし、その途中には京都水族館もあって家族で楽しめる場所が充実しています。春休みどこに行くか決めかねている方、ぜひ候補にしてみてはいかがでしょうか。
◆京都鉄道博物館
住所:京都市下京区観喜寺町
営業時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:水曜日、12/30〜1/1 ※祝日、春休み、夏休みなどは開館
入館料金:一般1,500円、大学生・高校生1,300円、中学生・小学生500円、幼児(3歳以上)200円
SLスチーム号乗車料金:一般・大学生・高校生300円、中学生・小学生・幼児(3歳以上)100円
運転シミュレーター:100円アクセス:JR嵯峨野線梅小路京都西駅から徒歩約2分、JR東海道新幹線京都駅から徒歩約20分
※鉄道おしごと体験実施日は公式HPで要確認