万博までもう少しの大阪がアツい! 粉モンだけじゃない大阪グルメin難波

大阪在住、食べること大好きな旅色LIKESライター・ヒロミです。いよいよ4月13日から大阪万博が開催されるのに加え、ニューヨーク・タイムズ「2025年に行くべき52か所」にも選ばれた大阪。これから多くの人が来ることが見込まれます。旅行で来る友人からよく聞かれるのが「おいしいお好み焼き屋を教えて」。大阪と言えばお好み焼きやたこ焼きなどの“粉もん”のイメージが強いですが「“食倒れのまち、大阪”には他にもありますよ」と声を大にして言いたくなります。そこで大阪在住グルメライターが粉もん以外でおすすめのお店を観光客で賑わう難波(なんば)エリアに絞ってご紹介します。さあ、大阪を食べつくしましょう!
目次
難波エリアってどんなとこ?
大阪旅行で多くの人が訪れる難波(なんば)エリア。道頓堀沿いにはお馴染みのグリコの看板をはじめ、蟹にラーメンなど飲食店のド派手な看板が並び、フォトジェニックな写真を撮るにも打ってつけのスポット。この辺りは江戸時代から歌舞伎、義太夫、見世物などで栄えた場所で、今でも「なんばグランド花月」に「国立文楽劇場」、「大阪松竹座」などがあり大阪の演劇・芸能の中心です。歩いていると舞台前後の芸人さんを見かけることもあります。そんな場所だから昔から作家や芸人がご贔屓にするごはん屋も多いのです。
あの文豪も愛した黄色い皮で包まれたしゅうまい「一芳亭」

名物のしゅうまいに豚天を追加で
最初の1軒目は新大阪駅や関西空港からもアクセスのいい難波駅からほど近い、「一芳亭(いっぽうてい)」。昭和8年創業で、一般的によく見る小麦粉の皮で包むしゅうまいではなく、薄焼き卵で作った皮で包まれたしゅうまいが名物のお店です。難波でしゅうまいと言えば一芳亭と名前があがるくらい昔から地元の方に親しまれています。私の食のバイブル本 「散歩のとき何か食べたくなって」(新潮社)の著者である池波正太郎氏も、作家になる前は演劇の脚本・演出家として大阪をよく訪れていたので、一芳亭も贔屓にしていた店のひとつ。
小さめの餡がふわふわっとして、何個でも食べ進められちゃう軽さ。カラシと相性バッチリで、豚天と併せてビールのアテにぴったりです。周りを見渡すと昼間から飲んでる方も多くいて、「私たちもビール瓶1本お願いします! 」と、気づいたら注文していました。
◆一芳亭 本店
住所:大阪市浪速区難波中2-6-22
電話:06-6641-8381
営業時間:11:30~20:00
定休日:日曜日、祝日
ノスタルジックな店内で絶品ハンバーグ「欧風料理 重亭」

「ハンバーグステーキ」(1,300円)は180グラムとずっしり。私はカキフライをトッピング(冬限定)
難波・心斎橋界隈をよく行くようになって驚いたのは昔ながらの洋食屋が多いこと。よくガイドブックに載っているカレーの「はり重」にオムライスの「北極星」が有名どころでしょうか。なかでも私のイチオシは「欧風料理 重亭(じゅうてい)」。一芳亭から再び北側に戻ったビックカメラの裏にあり、いつも開店前から行列。白衣姿の店員さんやレジでそろばんを打つ姿からも昔ながらの雰囲気を感じられます。昨年改装しましたが店内の雰囲気はそのままです。看板メニューの「ハンバーグステーキ」は、ジューシーで特製デミグラスソースの甘さもちょうどいい。ライスはついてないので、ライスの注文もお忘れなく。

自家製ケチャップソースのオムライス
もうひとつ食べてほしいのが「オムライス」。今流行りの切れ目を入れたら卵がトロンとするタイプではなく、薄焼き卵を巻いた昔ながらのもの。自家製のソースは優しい酸味でふわっとした薄焼き卵とのバランスがよく、これぞ洋食屋の王道なオムライスと言いたくなります。ちなみにこちらも池波正太郎氏が通ったお店のひとつ。先生のお気に入りは「テキ(ヒレ肉)」だったのだそう。
◆欧風料理 重亭
住所:大阪市中央区難波3-1-30
電話:06-6641-5719
営業時間:11:30~15:00(LO14:30)、17:00~20:00(LO19:30)
定休日:水曜日、不定休
行列は覚悟! 老舗和菓子店のおはぎ「玉製家」

こしあんときなこ
私が一番好きなおはぎをつくる、創業明治32年の老舗「玉製家」。元々は今の場所からすぐ北の法善寺付近でアイスクリーム屋をしていました。その後、千日前通りに移転し、つぶあん・こしあん・きなこの3種類のおはぎ専門店として営業されています。おはぎは素朴なんですが、塩加減が絶妙で初めて食べた時の感動が忘れられなくて、足しげく通っています。並んでいる方はサラリーマンなど男性の方も多く、男女問わず昔から愛される味です。
縦に3個並ぶ形で箱詰めされ、1列は同じ種類を選びます。3種類食べたい場合は18個注文しないといけないため、どの種類にするか悩ましいところです。注文してからご主人が仕上げをして、女将さんが丁寧に包装してくれます。一人何箱も購入される方が大半で、平日でも1〜2時間は覚悟して待つ必要があります。またなくなり次第終了ですので、開店前から並んでおきたいところ。無口で職人のご主人とやわらかい口調の女将さんとのコンビネーションを見ると長時間並んだのも忘れてほっこりします。
おみやげにしたいところですが、つぶあんとこしあんは翌日の午前中まで。あんの入ってないきなこにはその日中の消費期限のため、ホテルに戻っていただくのがおすすめです。購入する時に女将さんがお約束と説明してくれますので、くれぐれもその通りに。
◆玉製家
住所:大阪市中央区千日前1-4-4
電話:06-6213-2374
営業時間:14:00~売り切れ次第終了
定休日:木・日曜日、祝日(彼岸時期は無休、盆時期は営業、年末年始休)
老舗珈琲店でひと休み「丸福珈琲店」

女性のロゴでお馴染みの「丸福珈琲店」。本店は難波のど真ん中にあります。百貨店に入ってある店舗とは違い、アンティークのコーヒーカップなどが飾られている店内は昔ながらの喫茶店の雰囲気。ステンドガラスに重厚感のあるソファーはまさに純喫茶。場所柄観光客の方もいらっしゃいますが、昔から通っているような地元の方も多いのも私が好きなポイントです。

多くの人が注文する看板メニューのホットケーキ
コーヒーだけでもいいのですが、オーダーしてから1枚1枚焼き上げる懐かしい昔ながらのホットケーキも一緒にいかがでしょう。うっとりとしてしまうほど、均一なきつね色に焼かれたホットケーキにメープルシロップをたっぷりとかけていただくのが好きです。表面はサクッと、中はふんわりとしてどこか懐かしさも感じる味です。
◆丸福珈琲店千日前本店
住所:大阪市中央区千日前1-9-1
電話:06-6211-3474
営業時間:8:00~23:00
定休日:元旦 ※不定休については公式HPでご確認を
夜は大阪発祥のテッチャン鍋を「兆治」
御堂筋を難波駅から心斎橋方面に歩いて路地に入ったところにある「兆治」で大阪発祥の「テッチャン鍋」をいただきます。豚バラ肉やテッチャン・アカセンなどのホルモン、豆もやしなどの野菜が入った韓国風すき焼きのことで、四角い浅い鍋で作られることから「ちりとり鍋」とも言われますが、「兆治」では丸い鍋を使用しています。注文を終えるとすぐ鍋がセットされ、調理もすべてやってくれるので、触るのは御法度。まずもやしとバラ肉からとりわけてくれます。甘辛い出汁と豆もやしがからんで、箸がとまらない。食べ頃になったホルモンはぷりっぷり、汁まで飲んでしまうほどおいしい。シメはうどんか雑炊どちらかではなく、まず出汁と絡んだうどんを食べて、それから出汁を吸ったごはんを雑炊にして、両方食べるのが流儀。どちらも絶品なのですがお腹がはち切れそうで、たまにごはんだけにする時もあります。ただ店主のおじちゃんから「両方食べてほしい〜」なんていわれると、気づいたときには両方ペロリといけることも多々。入店から〆まで店員さんが積極的にアテンドしてくれる、大阪らしい雰囲気も楽しんで。また初めての方はおすすめされるままに注文すると間違いないですよ。

アテにもおすすめのきゅうりのキムチ
鍋の出来上がりを待つアテには、キムチやユッケを。コリアンタウンの鶴橋が近く、大阪市内の多くの飲食店が鶴橋からキムチを仕入れているので、本格的でおいしいです。私はここの「水きゅうりのキムチ」があっさりと箸休めになるのでおすすめ。サイドメニューもいろいろありますが、ボリュームある鍋のことも頭に入れつつ、頼みすぎないよう、お腹と相談しながら注文してみてくださいね。
◆兆治
住所:大阪市中央区西心斎橋2-3-22
電話:06-6212-5408
営業時間:17:00~23:00
定休日:月曜日
さいごに
お好み焼きやたこ焼きといった大阪では定番の粉もん以外で、おいしい大阪を紹介しました。大阪の通な巡り方にもなりますので、ぜひ楽しんでみてください。