【長野】2025年のラッキーフードは発酵食品! “貧乏神神社”が福を呼ぶ「丸井伊藤商店」で味噌作り&開運体験

占い師のぷりあでぃす玲奈さんによると、2025年の運気をUPするラッキーフードは、二黒土星・土の気を意識した「発酵食品・郷土料理・手ごね系の食品」なのだとか。これを聞いて「最強フードは、信州味噌だ! 」と思ったあなたは、大正解。そんな「信州味噌」を手作り体験できるのが、長野県茅野(ちの)市の老舗味噌蔵「丸井伊藤商店」。実は、この味噌蔵は“貧乏神”が宿る特別な場所。運気UPと貧乏神? そんな矛盾を感じたあなたにこそ、知ってほしい“もうひとつの秘密”があります。それは……。今回は、長野在住の旅色LIKESライター・みっちゃんが、真相を確かめるべく味噌作りに挑戦しました。
目次
【発酵ロマン】信州味噌とは?
澄んだ山々に囲まれた長野県。豊かな自然の中で育まれた「信州味噌」は、淡い山吹色とキリッとした辛口の味わいが特徴の日本を代表する米味噌のひとつです。

信州味噌の歴史は奥深い
鎌倉時代、禅僧・心地覚心(しんちかくしん)が佐久市の安養寺(あんようじ)で味噌作りを広めたことで、信州に味噌の文化が根付いたといわれています。戦国時代には、武田信玄が兵糧として重宝したことでさらに広がり、決定的だったのは関東大震災。信州から東京へと運ばれた味噌が都市部の人々を魅了し、一気に全国へ広まりました。

諏訪のご当地グルメ「味噌天丼」
現在、日本で生産される味噌の約半分を占める「信州味噌」は、シンプルな原材料で作られながらも、奥深い旨味と芳醇な香りが魅力。野菜や肉、魚介のダシとも相性が良く、チーズやバターといった発酵食品とも絶妙にマッチします。時代とともに進化を続け、現在も多くの食卓を彩る「信州味噌」。その味わいには、時を超えて受け継がれた信州の息吹が詰まっています。
発酵の魔法で育てる、私だけの信州味噌作り体験
発酵の旅へようこそ。ここは「丸井伊藤商店」が手掛ける「発酵テーマパーク」。味噌作り体験から味噌蔵見学、直売所なども有する施設です。まずは味噌の基本をインプット。受付を済ませたら、味噌の世界へダイブ! ビデオで豆知識や作り方を学びながら、味噌の奥深さに触れていきます。

意外と知らない味噌のこと
大豆の選別、蒸す・煮る・潰す、米麹作り、混合仕込み、発酵・熟成。幾重ものプロセスを経て、味噌は完成します。今回体験できるのは、味噌作りのなかで最も重要な“混合仕込み” の工程。心と手を動かす味噌作り体験のスタートです!
手を動かせば、香りが広がる。混ぜて混ぜて、もっと混ぜる!

体験では、2キログラムの味噌が作れます
体験は、いたってシンプル。プロのスタッフが付き添い、ベストな混ぜ方をレクチャーしてくれるので安心です。

優しく混ぜて、発酵の準備開始!
まずは、ふわっと香る米麹の上に塩をのせて、軽くかき混ぜる。塩が米麹全体に均一に行き渡らなければ、味噌作りが失敗してしまいます。このひと手間が、発酵の魔法のスイッチを入れる大切な瞬間なのです。

「こねるんじゃなくて、混ぜて! 混ぜて! 」と店員さん
米麹に塩がなじんだら、次はペースト状の大豆と種味噌(味噌を水で溶いたもの)を投入。手のひらでしっかり練り込みながら、ハンバーグをこねるように丁寧に混ぜ合わせていきます。
形を整え、仕込んで、未来の味を待つ。

グーで潰すのがポイント
ここからは、ちょっと力仕事。手をグーにすると力が均等に伝わり、しっかり潰せます。

空気が入らないように団子状に
潰し終えたら、手におさまるくらいの大きさに分けて丸い味噌団子を作り、味噌玉の空気を抜いていきます。味噌作りで団子状にして空気を抜くのは、発酵過程でのカビの発生や腐敗を防ぐため。仕込み時に空気が残っていると、雑菌が繁殖しやすくなり、品質が劣化する原因となります。
味噌玉を樽に詰め込んでいきます。勢いよく投げつけるように詰めるのがポイント。味噌玉を叩きつけることで、内部の空気を効果的に排出し、発酵を安定させることができます。最後に全体を押し固め、表面をならして仕込み完了! 体験時間はビデオ視聴を除いて約30分ほどです。

直射日光を避け、湿気の少ない場所で保管を
ここで、従業員さんからのアドバイス。自宅で発酵させる際、容器を密閉したままにすると、発酵の過程で破裂する恐れがあるそうです。重しとしてお皿を入れ、蓋は少し隙間を開けておくのがポイントです。
発酵期間は3〜4ヶ月で白味噌、半年〜1年で深みのある赤味噌へと変化。仕上がる頃には、自分だけの“味”が生まれます。熟成を待つ時間すら愛おしくなるはずです。
●味噌作り体験
体験可能時間:09:00~17:00
所要時間:約1時間
料金:1,100円(2キログラム)※持ち帰りポリ樽代別途350円
※10日前までの事前予約が必要。当日の申込みも可能(混雑状況による)
※別途送料で自宅配送可能
発酵の香りに包まれながら、味噌蔵の秘密に迫る

機械と職人の手が生み出す、信州の味
タイミングが合えば、味噌醸造室では、味噌を仕込む様子を間近で見学できます。長い歴史を持つ味噌作りの工程を、実際に目で見て感じられる貴重な体験です 。

土壁に守られた、静寂の発酵空間
見学のハイライトは天然仕込みの蔵。土壁が自然の調温・調湿機能を果たし、蔵の中はひんやりとした空気。背丈よりも大きな木樽がずらりと並び、天然の二年味噌・三年味噌が静かに熟成のときを待っています。

触れると手のひら越しに伝わる、熟成の歴史
現在、木樽でじっくり熟成させる製法は、他ではほとんど見られないのだとか 。歴史ある味噌作りの伝統を、五感で体感できる貴重な場所です。木樽に直接触れることもできるので、その迫力をぜひ感じてみてください。
見て、選んで、味わう。味噌蔵ならではのお土産探し
見学のあとは、敷地内にある直売所へ。味噌作りを体験した後に、本場の味噌や発酵食品を手に取れるのも、楽しみのひとつ。信州味噌をはじめ、漬物、甘酒など、発酵食品がずらりと並びます。

見知らぬお客さんと、目が合って同時に「旨い」の一言
出来たての味噌を使った味噌汁の試食ができるのもここならでは! じんわりと体に染みわたる味わいを楽しめば、自宅でも本格的な味噌を取り入れたくなるはずです。

信州辛味噌の魔法で料理が激ウマに!
私が特に気になったのは、「信州辛味噌スープの素」。二年味噌を使用した風味の良い素朴なスープで、野菜スープや野菜炒め、鍋のスープにもぴったりなんだとか。テレビ番組でも紹介されたことがあるという人気商品で、これは試してみる価値あり。
運気UPの総仕上げ! 「叩く・蹴る・豆投げる」参拝方法が斬新な貧乏神神社へ

貧乏神神社へと続く参道(笑)
最後は運気UPの総仕上げへ。丸井伊藤商店の敷地内をさらに奥へ進むと、全国的にも珍しい“貧乏神”を祀る神社があるんです。参拝方法が、願いを込めて「叩く・蹴る・豆投げる」という、想像を超えるユニークさ! 格闘技のようなアクティブすぎるお参りスタイルに、つい心配になってしまいます……。

豆投げて貧乏神を撃退!
でも、安心してください! 貧乏神は「プラス思考の神様」といわれているんです。由来や、実際の参拝方法の詳細は、私が書いたほかの記事で詳しく紹介しています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
味噌とともに、育つ幸運。手作りの味がもたらすもの

見て、学んで、食べて! 「発酵のテーマパーク」
手を動かし、時間をかけて育てる味噌。その過程は、まるで人生のようです。混ぜるほどに深まる香り、熟成するほどに増す旨味。すぐに結果は出なくても、待つことで得られる特別な味があることを、今回の体験は教えてくれました。

焼き味噌が大好物な“貧乏神”が、味噌蔵にご降臨されたのだとか
一見ユニークな貧乏神神社も、「貧乏とはお金ではなく心の問題」という教えをもとに、自分の心の貧しさと縁を切る場。ここは、訪れる人に小さな福を宿してくれる場所なのかもしれません。

シンボルの煙突は、夜になるとライトアップされます
旅が終わり、仕込んだ味噌が熟成する頃、今日の体験はもっと深い意味を持つでしょう。信州の風土が生んだ味噌の香りと、ここで得た幸運が、これからの日々を豊かにしてくれそうです。
多くの旅が実現しますように!
◆丸井伊藤商店
住所:長野県茅野市宮川4529
電話:0120-72-2057
営業時間:09:00~19:00
定休日:年中無休
駐車場:あり