日本酒インフルエンサーが推薦する、静岡県の日本酒スポット&イベント

静岡県公式「しずおか楽しみ大使」を務めている平井 綾です。これから「旅色アンバサダー」として、地元であり、大好きな静岡県の魅力をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします! 今回は、唎酒師(ききさけし)の資格を持ち、日本酒インフルエンサーとしても活動している私が、静岡県産の日本酒が味わえるスポットと、のんべえにもってこいなお酒イベント情報をお伝えします。
目次
静岡県の日本酒の特徴

2024年に開催された「GI静岡認定酒と地場食材とのペアリング」にて
静岡県の日本酒は、富士山や南アルプスからの豊富な伏流水を利用しており、淡麗な風味が特徴です。香りはバナナを思わせるようなものが多く、米と米麹、水だけを原料とした、米本来の旨味やコクが楽しめる酒である純米吟醸酒には、メロンのような香りがするものもあります。柔らかな口当たりでキレがあるので、食事との相性が抜群です。2023年11月30日に静岡県産の清酒が酒類の地理的表示(GI)に指定され、翌年12月には日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことから、ますます注目されています。地理的表示とは、地域の共有財産である「産地名」を守り、適切な使用を促す制度で、産地が申請し、国税庁長官の指定を受けると産地名を独占的に名乗ることができます。
今回は、そんな注目度の高い静岡県の日本酒を楽しめるスポットと、のんべえに欠かせないイベントを紹介していきたいなと思います。
スポット①自分で絞った生原酒が味わえる「花の舞酒造」/浜松市

名誉杜氏の土田さんから直接お話を伺える
静岡の酒造りを見学したいなら、創業約160年の「花の舞酒造」へ。30~60分ほどで無料の蔵案内を受けられ、10人までなら予約無しで見学可能。タイミングが良いと、酒造りの最高責任者である名誉杜氏(とうじ)の土田さんが直接説明をしてくれます。見学後は、併設店舗で日本酒や焼酎、リキュールなどの試飲・購入も。さらに「お酒のしぼり体験+テイスティング体験」も行っています。この体験では、日本酒のもとになる「もろみ」を搾って瓶に詰め、専用ラウンジで日本酒のテイスティングとペアリングを楽しめます。人手不足問題から全国的に見学可能な蔵は少なくなっていますが、「花の舞酒造」では自分で搾った生原酒を飲める貴重な体験ができるんです。
◆花の舞酒造
住所:浜松市浜名区宮口632
電話番号:053-582-2121
営業時間:10:00~18:00
定休日:直営ショップ 無休、蔵見学 1月1日・2日※お酒のしぼり体験+テイスティング体験は要予約
料金:蔵見学 無料、お酒のしぼり体験+テイスティング体験 3,300円

スポット②地元食材と地酒のマリアージュを楽しむ 「すし・魚処のへそ静岡本店」/静岡市
静岡駅の北口から徒歩すぐの場所にある「すし・魚処のへそ静岡本店」は、店主自らが市場へ出向き、吟味して仕入れた旬の“しずまえ”の魚や、しずおか和牛、地元特産のワサビや野菜を使った料理と地酒のマリアージュが楽しめるお店です。「しずまえ」とは、静岡市の海沿いの地域のことで、そこで獲れる⿂介類を「しずまえ鮮魚」と呼びます。静岡名物・黒はんぺんは自家製のものを提供し、店内ではこれらの料理に合うようさまざまな日本酒を用意しています。イチオシの組み合わせは魚料理と「臥竜梅」「正雪」「英君」の辛口・旨口、焼き物などの一品料理と「初亀」「志太泉」です。ちなみに、新幹線の改札口近くには姉妹店もあり、職人が握る江戸前寿司や天然鮪の丼、時期によっては生しらすや桜海老なども味わえます。
◆すし・魚処 のへそ 静岡本店
住所:静岡市葵区黒金町38
電話番号:054-260-7728
営業時間:11:00~23:00 (料理LO22:00、ドリンクLO22:45)※大晦日、正月は時短営業あり
定休日:無休
スポット③利き酒師とソムリエがいる町の酒屋「長谷川和洋酒」/静岡市
お土産に地酒探しをしたい!という人は、町の酒屋へ行きましょう。私のイチオシは静岡市にある「長谷川和洋酒」。店名の通り、静岡の地酒と輸入ワインを中心に約2,000種を取り揃えている専門店です。県外ではなかなか見られないような銘柄や、この店ならではの超限定酒も揃えています。スタッフのなかには利き酒師とソムリエもいるので、わからないことがあったら質問してみるといいかもしれません。
◆長谷川和洋酒
住所:静岡市葵区新通1-1-26
電話番号:054-252-0307
営業時間:9:00〜18:00
定休日:日曜日、祝日
スポット④銘柄もラインナップ「ヴィノスやまざき本店」/静岡市
私のもうひとつのおすすめは、全国で26店舗を展開する「ヴィノスやまざき」。ワインの販売で有名なお店ですが、実は日本酒もアツいんです! 例えば、約50日間醸造したのちに瓶詰をし、さらに36か月以上かけて専用の貯蔵庫でじっくりと氷温熟成させたという「初亀醸造」の特別な日本酒「亀」を販売していたり、販売店を絞っている焼津市の「磯自慢」もラインナップ。「磯自慢」は2008年に行われた洞爺湖サミット(第34回主要国首脳会議)の乾杯の席で使われたことから、海外でも人気の高い日本酒です。ほかにも、酒蔵とコラボして作ったものなども販売しています。「花の舞酒造」と作った「アペロS」は、私も実際に味わいましたが、ひと口飲んで感動……! 以降、リピート購入するほどのお気に入りになりました。古くから世界的に名高い白ワインの生産で知られる、フランス・ブルゴーニュ地方のシャブリ村の白ワイン酵母を使用していて、爽やかでフルーティーな味わいが特徴です。白ワインのような華やかな香りと米の甘味を感じる口当たりなので、日本酒初心者の方にも味わいやすいと思います。
◆ヴィノスやまざき本店
住所:静岡市葵区七間町18番地4
電話番号:054-251-3607
営業時間:11:00~20:00、テイスティングバーは12:00~20:00(LO19:30)
のんべえ大集合の地酒イベント①「静岡おでん祭」/静岡市
静岡県の日本酒をもっと楽しみたいなら、イベントに参加するのもおすすめです。県内にはお酒にまつわるイベントがいくつも開催されています。まずは「静岡おでん祭」。静岡のB級グルメといえばなんといっても「静岡おでん」。そのルーツは大正時代とされ、戦後は静岡市役所前にある青葉公園に約200軒もの屋台が立ち並んでいたそう。その後、都市開発で屋台はなくなっていきましたが、いまでも地元民にとって大切な郷土食のひとつとなっています。そんな「静岡おでん」とお酒を存分に楽しめるのが「静岡おでん祭」です。今年で19回目を迎え、かつて多くの屋台が軒を連ねていた青葉シンボルロードに全64店が集合します。黒いお出汁が特徴の静岡おでんと端麗辛口の静岡の地酒の相性は最高ですよ! 今年は2月28日(金)~3月2日(日)の3日間開催です。
◆静岡おでん祭2025
住所:静岡市葵区役所前 青葉シンボルロード
開催時間:2月28日(金)16:00~21:00(一部店舗を除く)、3月1日(土)10:00~21:00(一部店舗を除く)、3月2日(日)10:00~18:00
のんべえ大集合の地酒イベント②「静岡美酒祭」/静岡市

2024年から始まった「静岡美酒祭」は、静岡県酒造組合協力のもとで県内の酒蔵20蔵以上が参加予定のお酒好きにはたまらないイベントです。なかでも卸売業の「富士の酒」が、トンネルや洋樽で熟成した静岡県の日本酒は、従来のイメージとは異なる香りや味わいが楽しめるはず。今年は4月19日(土)・20日(日)の開催で、昨年とは違う銘柄も多数出品されるそうですよ。
◆静岡美酒祭2025
住所:静岡市駿河区東静岡2-3-1 グランシップ6階
開催時間:4月19日(土)・20日(日)
※第1部11:00~12:45、第2部13:30~15:15、第3部16:00~17:45
料金:前売3,600円、当日4,000円※入場チケット1枚&日本酒チケット10枚&オリジナルお猪口付き

のんべえ大集合の地酒イベント③「清水駅前『吟』座商店街地酒ストリート」/静岡市
秋には静岡市清水区の駅前銀座商店街を貸し切りにした「清水駅前『吟』座商店街地酒ストリート」があります。このイベントでは全国から50以上の酒蔵が集結。400mを超えるアーケード内で日本酒を中心に焼酎・ワイン・ウイスキーなど、約300種のお酒が味わえます。地元の食材を使ったおつまみなども一緒にいただけるので、県内外から多くの「日本酒愛好家」が訪れます。アーケードは清水駅とほぼ直結でアクセスも良く、屋根があるので天候の心配もありません。2025年も9月中旬開催予定とのこと。詳しい日時は未定ですが、主催の久保山酒店さんのInstagramで情報をご確認ください。
今回紹介した「花の舞酒造」は、静岡県浜松市を特集した「旅色FOCAL」にも掲載しています。歴史を切り口に深掘りしていく浜松市の旅が気になる方はこちらもチェックしてみてくださいね!