【京都】猫の日は、日本で唯一の狛猫がいる町へ。京丹後市峰山町で猫尽くしの旅

京都北部の京丹後市では絹織物が江戸時代より根付き、機織りで栄えた峰山町では、絹糸を生み出す蚕をネズミから守る猫を大切にしてきました。その文化は神社やご飯処、お土産まで、今も町のそこかしこで感じられます。今年の猫の日(2/22)は、神社仏閣のイメージが強い京都の違った一面が見られる、猫と縁深い町を訪れてみませんか。
目次
日本で唯一の狛猫が迎えてくれる「金刀比羅神社」
館内に展示されている作品や食事から、京丹後の魅力を知れるホテル「KISSUIEN Stay & Food」に泊まった翌朝、まず向かったのは「金刀比羅(ことひら)神社」。境内にある木島社には日本で唯一「あ・うん」の狛猫(こまねこ)が鎮座しています。絹織物「丹後ちりめん」発祥の地として知られるこの地域では、 絹や蚕をネズミから守ってくれた猫がとても大切な存在だったとか。通常神社には狛犬がいますが、木島社のご祭神が養蚕の神様であることからお仕えするのが狛猫とのこと。社殿に向かって左側の猫は「あ」と口を開けて子猫を抱き、右側の猫は「うん」と口を閉じています。背後にある絵馬掛けには、参拝者が思い思いに猫の顔と願い事を書いた猫形の絵馬がたくさん 。また、社務所の周りには絵付けされた猫の置物が並んでおり、どの猫も可愛くて見入ってしまいます。通年で素焼きの陶器に絵付けする「こま猫絵付け体験 (3日前までに要予約)」を行っているそうなので私もオリジナルの狛猫を作ってみたい! また毎月第3日曜日には「こんぴら手づくり市」が開催されていますよ。
神社までは峰山駅より徒歩20分ほどで行けますが、ホテルで自転車をレンタルして、ランチやお買い物に出かけるのも楽しい。
◆金刀比羅神社
住所:京丹後市峰山町泉1165-2
電話番号:0772-62-0225
拝観時間:境内自由
◆こんぴら手づくり市(1月、2月、8月はお休み)
開催日(2025年): 3/16(日)、4/20(日)、5/18(日)、6/15(日)、7/20(日)、9/21(もしくは28で調整中)、10/19(日)、11/16(日)、12/21(日)
開催時間:10:00~15:00 ※9月のみ10:00~16:00
◆こま猫絵付け体験
開催期間:通年(土曜日・日曜日は12:00~15:00で要予約)
除外日:年末年始(12/30~1/3)
料金:子猫:3,500円、大猫:4,500円(所要時間60分程度)
※最低催行人数2人
前述したホテルも、2022年に開業した隣接する温浴施設共々素晴らしく、その魅力を別記事でたっぷり記しています。峰山駅から徒歩8分ほどです。
昼も夜もボリュームたっぷり、リーズナブルな定食が食べられる「みその」
峰山駅から2キロほどの距離にある「お食事の店 みその」。大通りを自転車で走っていると頻繁にお客さんが出入りしているので気になって入ってみました。店内は地元の常連さんでいっぱい。 少し待って、カウンターに通され日替わり定食(800円) をオーダー。この日のメインは唐揚げ。副菜であるお魚も大きくお味噌汁は具沢山で、優しい味付けにほっこりしました。
◆お食事の店 みその
住所:京都府京丹後市峰山町上45-1
電話番号:0772-62-1636
営業時間:12:00〜14:00/18:00〜20:00
定休日:なし
峰山町には狛猫モチーフのお菓子たちもたくさん売っています。お土産にも最適です。
香箱座りの猫が可愛い「戸田風月堂」の猫型上用饅頭
峰山駅から徒歩10分ほどの場所にある「戸田風月堂」では、京丹後産コシヒカリの米粉を使用した猫型の上用饅頭「NEKO-NO-EN」(230円)を販売しています。白猫は「招福」、黒猫は「厄除」(黒ゴマ味)を表していて、優しい甘味ともっちり食感が特徴です。柑の甘煮と白餡が入ったふわふわカップケーキ「丹後まねきねこ」(220円)も肉球の焼き印がついていて猫好きさんなら見逃せません。季節をモチーフにした上生菓子も種類が豊富で、ついついたくさん買ってしまいそう。
◆戸田風月堂(とだふうげつどう)
住所:京都府京丹後市峰山町杉谷27-7
電話番号:0772-62-0790
営業時間:平日、祝日9:00~18:00
定休日:日曜日
裏表で「あ・うん」を表現した「御菓子司 大道」の狛猫もなか
金刀比羅神社の正面にお店を構えて120年の老舗のお菓子屋さんで購入できるのは、狛猫の顔をかなり忠実に再現した「狛猫もなか」。1個でも購入可能ですが、可愛い箱に入って説明書がついてくる3個入り(620円)がお土産におすすめです。手作りケーキの種類も豊富で、肉球の焼き印の入った「大美ち 丹後ちりめんロール(※要予約)」も気になっています。
◆御菓子司 大道(おかしつかさ だいどう)
住所:京都府京丹後市峰山町泉65番地
電話番号:0772-62-1360
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
町のあちこちで狛猫を探そう
ここまでお店を巡ってきましたが、たいていのお店の店先では狛猫と木彫りの猫が出迎えてくれます。木彫りの猫にはお店ごとの特徴はなさそうですが、狛猫はお店の人が絵付けしている気がします。それを感じたのがこのお店「かさい食堂」。故・野村克也監督がひいきにされていたお店だそうで、狛猫が野球のユニフォームを着ています。もっといろいろお店を巡ってオリジナル狛猫を見て、お店の人にデザインの由来など質問してみたかったな……と思いながら峰山町を後にしました。
猫をとおして町おこし
200年にわたってこの地を守ってきてくれた狛猫を中心に地域おこしをしようと、2011年に「ねこプロジェクト」が始動した峰山町。前述したホテルで女将を務める田中さんが飲食店やアーティストに呼びかけ、陶器の猫400個が神社の境内に並べられたそう。2016年からは狛猫をモチーフにした様々な猫企画が目白押しの 「こまねこまつり」を開催し、以後毎年9月に行われています。2017年には、地元の酒造メーカー「丹後蔵」より、地域発信芋焼酎「いもにゃん」も発売。京丹後市のふるさと納税で「いもにゃん」を返礼品として受け取りました。猫との歴史を大切にし、猫散歩でリフレッシュできる町・京丹後市峰山町で、猫のようにゆるりときままに旅してみませんか?