20周年を迎える中部国際空港セントレアに潜入⁉ 飛行機に大接近できる「セントレアまるわかりツアー」で空港の秘密を学ぶ
日本で 一番飛行機を近くに見られる展望デッキを持つ中部国際空港セントレアは、2025年2月17日に開港20周年を迎えます。グルメやお土産など見どころはたくさん。なかでも今回は、空港で働くスタッフ以外は立ち入ることのできないエリアを見学できる「セントレアまるわかりツアー」に参加してきました。私たちの空の旅を安全に届けるための知らないポイントがたくさん。ツアーの様子を旅色LIKESライターのさっかがご紹介します。
目次
中部国際空港セントレアとは
中部国際空港セントレアは、常滑(とこなめ)焼で有名な愛知県常滑市にあり、年間約900万人(2023年実績)が利用する中部地方の国際空港です。イギリスのSKYTRAX社が行っている「WORLD AIRPORT AWARDS 2024」で、「Regional Airport(地方空港)部門」10年連続世界一になるほどの高いレベルのサービスを提供し続けています。
第1ターミナルセンターピアの屋上にある「スカイデッキ」には、長さ約300メートルの展望デッキが設置されています。 滑走路まで約300メートル。日本でここまで滑走路に近づける空港は他にありません。7:00~21:30の開放で朝日から夕暮れ、夜景まで、飛行機の姿とともに楽しむことができます。ほかにも手羽先や台湾ラーメンなどの名古屋めしも楽しめる店舗をはじめとした47店舗の飲食店や、飛行機を望める展望風呂「SOLA SPA 風の湯 」など、飛行機に乗らずとも一日楽しめる場所です。
普段は入れない特別なエリアへ「セントレアまるわかりツアー」
今回私は、「セントレアまるわかりツアー」に参加してきました。普段は立ち入ることのできないエリアに潜入し、次々と離着陸する飛行機や特別車両、空港で働くスタッフを間近に見られます。空港にまつわる豆知識もたくさん教わるので、「へぇ~」といわずにはいられないスペシャルなツアー。
手荷物検査やボディーチェックを受けたらバスで出発し、ガイドさんに案内してもらいながら貨物地区を車窓から見学していきます。特に注意があるもの以外は、写真撮影も可能です。貨物専用飛行機が見えてくると、「近い! 大きい! 」と子どもになった気分で大興奮。写真をパシャパシャ撮っていると、ガイドさんから「旅客機にはあるけど貨物専用飛行機にはないものはなんでしょう」という問題が。「え、なんだろう。タラップは、必要な時に設置するものだし」「答えは窓です」。確かに。貨物専用なら必要ないのですね。見れば明らかにないことが分かるのに、近くで見る飛行機に舞い上がりすぎて気が付けませんでした。悔しい……。
滑走路延長線上のエリアにやってきました。離陸や着陸しようとしている飛行機がいないときにしか通ることができません。普段、車を運転するときに交通ルールがあるように、滑走路にもさまざまなルールがあることで、安全が守られているのですね。ちょうど離陸する飛行機がいて、私たちのバスも手前で一旦停止。離陸し高度を上げる飛行機が太陽の光を反射し、キラっと光りました。そのまま、まっすぐこちらに向かってくるのはすごい迫力です。スマホで撮影しようか肉眼で見ようか悩ましい、と思っている間に、あっという間に飛んでいってしまいました。撮れた写真は豆粒のような大きさの飛行機。私のスマホでは撮影は難しかったです。
目の前で離着陸する飛行機とガイドさんの軽快なトーク
滑走路の中央付近には、バスから降りて見学できるスポットがあります。当日の気象状況や飛行機の運行状況によっては、降車できない場合もあるそう。降りてみると、滑走路までの距離は約100メートル。離陸の目安となる印 が目の前にあり、その印付近で次々と飛行機が飛び立っていきます。ガイドさんから「あ、右手のほうから来ますよ。ぜひ動画で収めてください」「離陸したあとタイヤがしまわれていく様子も見てください」などと案内してくれるので、シャッターチャンスを逃す心配はありません。あっちを見たり、こっちを見たり、動画を撮ったり、楽しい忙しさです。
再びバスに乗り、着陸用の照明が設置された進入灯橋 の近くに来ました。先ほどいた場所の反対側の滑走路延長線のエリアです。滑走路上には角度によって色が違って見える4つのライトがあり、白と赤がそれぞれ2つずつに見える角度で着陸してくるのだそう。一旦停止し待っていると、「あ、飛行機が近づいてきますよ! 」とガイドさんが声をあげます。慌てて進入灯橋の方に目を凝らすと、上空に小さなライトが。ぐんぐん近づいてきたと思ったら、バスの上を超え、滑走路に向かって一直線に飛んでいきます。間近で見る飛行機があまりにもかっこよく、大興奮でした。ここでまたガイドさんからのクイズが。「飛行機が着陸するときの角度は何度でしょう? 」90度だと真上から墜落してしまいますからね。「20度くらいあるのかなあ。」なんてつぶやいてみるも、正解は3度。着陸する飛行機に乗っているとぐんぐん地上が近づいてくるイメージでしたが、3度しかなかったとは驚きです。
また滑走路周辺では、数分おきにどこからかパーンという音がしています。なんの破裂音かとドキドキしていましたが、鳥を追い払う音だそうです。バードストライクは重大な事故になりかねないので、安全のための重要な音だったのですね。
セントレアでしか見られないとっておきの……
日本で輸送機「ドリームリフター」が見られるのはセントレアだけ。愛知県のいくつかの工場で製造されるボーイング787の部品を運ぶための専用機です。大きな翼も積んで輸送するというので驚き。旅客機の機体がイルカなら、ドリームリフターの機体は、世界最大のシロナガスクジラのようで、どっしりとした機体に圧倒されます。世界に4機しかなく、セントレアにいるスケジュールも非公開。見られたらとてもラッキーです。「セントレアまるわかりツアー」だけでなく、スカイデッキからも眺められるようなので、ぜひみなさんが出会えることを祈っています!
ツアーの最後はバスで約5分移動し、セントレアの航空機の燃料タンクがあるエリアへ。バスの高さを優に超えるタンクが並びます。燃料はここからパイプラインでセントレアに運ばれているそうです。
●セントレアまるわかりツアー
ツアー代金:7,500円 2歳以下3,000円
所要時間:約2時間30分
※10日前までにツアーの申し込みが必要
※開催日時など詳細はHPにて
ボーイング787初号機を間近に「フライト・オブ・ドリームズ」
ツアーの解散場所は、空港ターミナルに併設された「フライト・オブ・ドリームズ」。ここは入場無料で遊んで学べるテーマパークです。ボーイング787の約35%の部品は、中部地域で製造され、ボーイング米国の最終組立工場に輸送していることもあり、役目を終えた初号機がセントレアに寄贈され、施設内の「フライトパーク」に展示されています。間近で飛行機を下から見上げるのは初めてだし、ジェットエンジンは自分の身長よりずっと大きいんだと驚きました。飛行機の各部分について説明したパネルもあり、1日で飛行機に詳しくなることができました。
施設にはもう一つ「シアトルテラス」のエリアがあります。ボーイング創業の街、シアトルをイメージして作られたフードコートです。飛行機を眺めながらグルメを楽しめます。
◆フライト・オブ・ドリームズ
住所:愛知県常滑市セントレア1-1
営業時間:フライトパーク10:00〜17:00 シアトルテラス10:00~18:30
定休日:年中無休
入場料:無料(フライトパークの一部コンテンツは有料)
おわりに
ハタチを迎えるセントレア。
飛行機に乗る以外の目的で空港に行ったのは初めてでしたが、あっという間に1日が過ぎていきました。今回は「セントレアまるわかりツアー」への参加が主な目的でしたが、ほかにも楽しみ方は色々ありそうです。20周年を迎えますます盛り上がっていくセントレアでは、記念イベントも開催中です。旅の目的地にしてみるのはいかがでしょう。
◆中部国際空港セントレア
住所:愛知県常滑市セントレア1-1
駐車場:7800台