ロデムに乗ってちょんまげ時代を体験!? 日本橋ガイドツアー「まちモビ」に参加してみた

東京ミッドタウン八重洲にある「まちモビ」と言うサービスを知っていますか? スマートモビリティの「ロデム」に乗って、江戸時代の風景を辿りながら八重洲~日本橋を巡るガイドツアーのことです。歴史が大の苦手な私でも日本橋を語りたくなった90分。いつも通っている道も、知って歩くのと知らずに歩くのでは全く違う景色になりました。旅色LIKESメンバーのじゅんが実際に体験してきたのでクイズ形式で紹介します。
目次
「ロデム」はハイスペックな電動◯◯◯!

初めての方でも不安を感じることなく乗りこなせる
丸くてかわいらしい形をしている「ロデム」。もとは《電動車いす》をベースに、高齢者福祉用に開発された製品です。またがって乗るので、ベッドやイスからの乗り移りが簡単。座った時でも健常者と同じ目線で移動や会話ができるのが特徴です。乗れるロボットとしても注目されています。

ガイドツアー中に動かすのはスティックだけの簡単操作
受付を済ませたら注意事項の確認をして、実際にロデムを操作して走行練習をします。前後左右の移動や停止、全てスティック部分だけでできるのでとっても簡単。速度は人が普段歩くスピードより、少し速いくらいで設定をします。
〇〇通話でガイドツアーが何倍も楽しくなる

ガイドツアーに必要なイヤホンとスマホを1人1セット渡してくれる
人通りの多い日本橋。ガイドツアー中は縦一列に並び走行します。ガイドさんの説明はイヤホンを使用。《相互通話》なので、説明を聴きながら質問も可能です。そしてイヤホンを通して参加者同士でも会話ができるのが嬉しいポイント。イヤホンは骨伝導タイプなので耳もふさがらず、外からの音も聞こえるので安心です。準備万端! 出発しましょう。
「八重洲」と言う地名誕生の起源は◯◯した外国人だった

交差点にはヤン・ヨーステンのレリーフがある
出発して最初の交差点で、さっそく歴史の話が始まります。テーマは地名の由来について。「八重洲」と言う名前の由来となった航海士・ヤン・ヨーステン。江戸時代、九州に《漂着した外国人》のひとりです。西洋の知識が大変豊富で徳川幕府では貿易などで大活躍し、家康よりも近く、江戸城の内堀にお屋敷を与えられました。日本名が「耶楊子(やようす)」だったことから、この辺りが「八重洲」と言われるようになったのです。
創設者は〇〇〇〇〇〇の考案者としても有名だった

ガイドツアー後に食べに行った「MARUZEN café 日本橋店」の「早矢仕とカレーの2色ソースライス」(1,520円)
交差点を直進すると、江戸時代初期に栄えたメインストリート「中央通り」に到着です。目の前に見えてきたのは「丸善 日本橋店」。創設者は早矢仕有的(はやしゆうてき)。江戸時代に医師として活躍し、のちに日本で初めて株式会社を設立するなど、日本の近代化に大きく貢献した人です。また、《ハヤシライスの考案者》としても有名で、中にある「MARUZEN café 日本橋店」では「元祖・早矢仕ライス」を食べることができますよ。

榮太樓總本舗の本店。江戸時代から変わらずこの場所にある
さらに進むと、どら焼きで有名な「うさぎや」・羊羹の「とらや」、きんつばの「榮太樓總本舗」といった、老舗の和菓子屋が並びます。日本橋に構える「榮太樓總本舗 本店」は、江戸時代から変わらぬ場所にあるそう。店内にはカフェもあるので、歴史と伝統を感じながらゆっくり休憩するのもおすすめです。日本橋は築地に移転する前、魚河岸があった場所なので、うなぎや天ぷら、寿司屋など、歴史とともに残るお店も多くあります。
玉ねぎのような「擬宝珠(ぎぼし)」は◯◯公認の橋

日本橋の中心地、日本橋川に掛けられた「日本橋」に到着です。江戸時代の日本橋は木造で、柱の先には「擬宝珠」と言う被せ物がありました。擬宝珠のある橋は《幕府公認》の証として格式が高く、江戸時代にあったのは日本橋・京橋・新橋の3つのみでした。他にも日本橋には道路のへそ「道路元標(げんぴょう)」や、翼のある「麒麟の像」、東京市の紋章を持つ「獅子像」など、日本橋のシンボルが数多く残っています。
日本橋で数々の営業戦略を打ち出した◯◯◯の存在

越後屋だった三越と三井住友信託銀行
日本橋を渡ると「日本橋三越本店」、「三井本館」が見えてきます。三越はかつて、「江戸で呉服店といえば《越後屋》!」と言うほど、誰もが知る呉服屋さんでした。セレブな人しか購入できなかった反物を切り売りにし、現金掛け値なし(固定価格、現金払い)にすることで、庶民でも購入しやすくするなど、新しいビジネスを確立。両替店も出店し、幕府から委託された送金役も担いました。
徳川家康もお参りしたと言われる「福徳神社」で○運アップ!

ガイドツアーの折り返し地点。毎年正月には多くの参拝客が訪れる「福徳神社(芽吹稲荷)」で約10分の休憩です。江戸時代に幕府公認の宝くじが発行されたことでも有名な神社。《金運アップ》にあやかろうと、参拝している後輩ちゃんが真剣に願う先には、三宝の上に財布ではなく、スマートフォンを置いて願っていました。電子マネーも主流となってきた現代、ここでも時代の流れを感じます。
今度は通ってきた道の向かい側を走り、八重洲方面へ戻ります。中央通りは老舗の宝庫。商業施設の中には刃物の「日本橋木屋」、だしの「にんべん本店」があり、並びには高級鰹節専門店の「大和屋」、味付け海苔を考案した「山本海苔」の建物があります。いずれも時代を超えて今も残る専門店です。
観光船乗り場がある「滝の広場」は〇〇場があった場所

サンセットクルーズやナイトクルーズも楽しめる観光船はここが発着地点となる
再び「日本橋」に到着。橋を渡り切ったところの左側には、観光クルーズの船着場があります。江戸のど真ん中でもあったこの場所。人通りが多い所にあえて罪人を見せしめにする《晒し場》がありました。過酷な刑罰です。これは絶対に恥ずかしい……。さらに進むと、「コレド日本橋」の前を通り、「高島屋日本橋本店」が見えてきました。
高島屋本店の屋上には〇〇がいた

江戸時代ではありませんが戦後間もなく、高島屋日本橋本店の屋上には《ゾウ》の高子が飼育され、家族連れをはじめ国民的アイドルとなりました。高子は赤ちゃんゾウだったので屋上まではクレーンで上がりましたが、成長し、屋上での飼育は危険との判断で、上野動物園にお嫁入りをしました。ちなみに大きくなった高子はクレーンでは降りられず、中央階段を利用して降りました。
「アーティゾン美術館」が見えてきたところで横断歩道を渡り、八重洲へと戻ります。まだまだ歴史が散らばっている日本橋。なんだか宝探しみたいで、何度行っても楽しめますね。
ロデムでのまち歩きは、ただの散策ではなかった
電動車椅子のロデムに乗ったことで、普段から車椅子を利用している人の目線で歴史を学ぶことができました。小さな段差が気になったり、人混みの中の移動の苦労だったりと、ロデムに乗らなければ気付けないことがたくさんありました。そして、ロデムのようなスマートモビリティが日常に溶け込む時代はもうすぐそこ。今どきな乗り物に乗りながら、江戸時代の日本橋を想像するまち巡りはいかがでしょうか?
江戸時代の日本橋通りを描いた絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」の複製画が、東京メトロ三越駅前の通路に展示されています。「まちモビ」の予習・復習におすすめです。
◆まちモビ
住所:東京都中央区八重洲2-1-4 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルスクエア
電話:03-6262-5799
所要時間:約1時間30分
予算:2,000円(1台)
開催時間:毎日10:00~、13:00~、15:00~