“海外気分旅”へ! 三重県志摩地中海村で1泊2日の地中海クルーズ

いざ海外へと思いきや、記録的な円安で海外旅行を躊躇されている方も多いのではないでしょうか。そんななか、私は夫婦で三重県・志摩地中海村へ、クルーズ旅へ。日本にいながらも海外で過ごしているかのような“海外気分旅”を楽しめました。国内旅行と海外旅行のいいとこどりを味わえる“海外気分旅”の魅力を旅色LIKESライター・マユがご紹介します。
目次
いざ出発! ……の前に
旅の出発地は、愛知県田原市伊良湖町(いらごちょう)。ここから目的地・三重県にある志摩地中海村へと向かうフェリーに乗船します。海外旅行に旅立つ前は、日本食を食べるのがマイルール。“海外気分旅”でもそのルールを踏襲し、今回は出発前に伊良湖名物・大あさりを食べるべく、灯台茶屋へ。

「焼あさり小皿」(800円)。大きなあさりが2個も!
網焼きされた大あさりが運ばれてくると、その大きさにびっくり! 普段見慣れているあさりの10 倍程のサイズ感です。これほど大きいと、貝の部位によって歯ごたえも味わいも異なることがよくわかります。醤油と貝だしのうま味が凝縮されたエキスは、白ご飯がほしくなる味……。最後の1滴まで残さず飲み干してしまうほどの旨さでした。
◆灯台茶屋
住所:愛知県田原市伊良湖町古山2814-4
電話:0531-35-6262
営業時間:10:30~15:00
定休日:木曜日 ※祝日の場合は別日
※土日祝日の予約不可
まるで地中海クルーズ⁉︎ フェリーで非日常の休息を

伊勢湾フェリー。1日8往復ほど。
いよいよ伊勢湾フェリーで三重県・鳥羽へと向かいます。

時速約32.9キロメートル。景色を見るのにちょうどいいスピード。
移動手段を船旅にしたのは、船上から非日常の景色が見るのが好きだから。そして、いつも車を運転してくれる夫の長時間ドライブを少しでも減らすことが目的でした。交通手段を変えてみるだけでも、旅のワクワク感が倍増! 行き交う船やいくつもの島々を眺めながら、約60分間のクルーズを経てあっという間に鳥羽へと到着。
◆伊勢湾フェリー
電話:0599-26-7600
料金:伊良湖~鳥羽:片道普通車7,600円(運転手運賃含む)、旅客運賃1名 1,800円
日本にいながら3か国5都市を周遊!? 志摩地中海村
フェリーを降りて、車で30分程で目的地の志摩地中海村に着きました。地中海に面するイタリア、ギリシャ、スペインにある5つの町を再現したエリアで構成されるリゾート施設です。約3000平米の敷地にはホテルやカフェ、レストラン、ショップ、クラフト体験工房などがあり、宿泊はもちろん、日帰りでも楽しむことができます。
私たちが宿泊したエリアは、ギリシャのミコノス島と地中海西端の群島・メコノルカ島を模したミコノルカゾーン。石畳に白壁、鉢植えの花々が彩りを添え、明るく陽気な雰囲気の街並みです。部屋は青と白を基調とし、ベランダからは英虞湾(あごわん)の眺望が広がります。朝のベランダからの光景を動画に収めました。ウグイスの鳴き声に癒されますよ。
安倍元首相も魅了した癒しの英虞湾クルーズ
志摩地中海村では、英虞湾をジェットコースター気分で走る「英虞湾アドベンチャークルーズ」やフィッシング、天体観測などアクティビティが豊富です。なかでも私たちは、小型クルーザーで賢島大橋や賢島を一周できる「英虞湾クルーズ」に参加しました。英虞湾は、入り組んだリアス式海岸の内海のため波もなく、とても穏やかな海です。伊勢志摩国立公園の一部でもあります。故・安倍元首相も伊勢志摩サミットでこの地を訪れた際に気に入り、その後プライべートでも訪れていました。今回アテンドしたしてくれたクルーズ船の船長は、安倍元首相もご案内したのだそう!

英虞湾からの志摩地中海村。
安倍元首相もこの穏やかな景色に魅了され、激務の合間に心の平穏を求めて来たのかもしれません。「英虞湾クルーズ」は、私たちが参加したデイクルーズのほかに、「日本の夕陽百選」にも選ばれた景色を見られる「サンセットクルーズ」、満天の星空と夜景を楽しむ「ナイトクルーズ」もあります。時間帯によって違った景色を楽しめるのでおすすめです。それぞれフロントやエントラーダ賢島からの予約必須。
◆英虞湾クルーズ
住所:三重県志摩市阿児町神明752-21
電話:0599-52-0888
営業時間:9:30~17:00
定休日:不定休(荒天による休業あり)
料金:(デイクルーズ)大人2,000円 小学生1,400円 未就学児 無料、(サンセットクルーズ、ナイトクルーズ)大人2,600円 小学生1,800円 未就学児 無料
※出発時間はそれぞれ異なる。詳しくは公式HPをチェック。
※中型犬までのワンちゃん乗船可能(乗船料金あり)
伊勢志摩の新鮮食材を使った和洋ビュッフェ
海外旅行では白ご飯が恋しくなってしまう私。その点、おいしい日本食が食べられるのが“海外気分旅”の良いところです。志摩地中海村のビュッフェは地元の食材を使ったイタリアンをはじめ、伊勢うどん、かつおのてこね寿司と和洋折衷種類が豊富。どれも絶品で時間と胃袋が許すならば全部制覇したかった……。
憧れのアルハンブラ宮殿で温泉体験

志摩地中海村HPより。
海外旅行で気になるのがお風呂問題。海外では浅いバスタブやシャワーのみという部屋もありますが、志摩地中海村では温泉があります。スペインの世界遺産アルハンブラ宮殿をイメージしたアラビックスタイルの天然温泉「スパ・アルハンブラ」です。大浴場には甘くエキゾチックな香りとイスラム音楽が響きわたります。泉質はナトリウム塩化物泉で、保温・保湿美肌の効能も期待でき、低めの温度で長湯してものぼせにくい。異国情緒たっぷりの中でゆったりと旅の疲れを癒すことができました。
夜の街ぶらも安心

昼はテイクアウカフェとしてアルコールも提供している。
治安によっては、夜間の一人歩きは緊張しますが、夜の街を一人で気軽に散策できるのも“海外気分旅”ならでは。お風呂上りにお部屋まで散策する途中にある「漁師のサロン」へ寄り道します。テイクアウトがメインのカフェで、ソフトドリンクを自由に組み合わせてオリジナルモクテル(ノンアルコールカクテル)を作り水分補給。
その後は夜のイタリア、ギリシャ、スペインの町をカメラを片手にお散歩。朝と夜は宿泊者専用エリアとなり、人も限られる分、思う存分写真を撮ることができました。
“海外気分旅”は安息地へとつながる旅だった

露天風呂近くより。英虞湾にかかる光の道(温泉内は撮影禁止)
何よりも忘れられないのが英虞湾から昇る朝日です。しんとした空気の中、聞こえてくるのはウグイスの鳴き声と小型ボートのエンジン音のみ。太陽がゆっくりと上昇し海面に光の道ができていく様子を、贅沢に露天風呂から眺めていました。英虞湾と緑豊かな海岸線が作り出す景色と静寂な時間は、どこか神秘的で心と体を整えてくれます。単なる映えスポットにとどまらず、大人の安息地、リトリートにもぴったりの場所でした。スピリチュアルに疎い夫も「ここは何かが違う! 」と、リフレッシュできたようです。
またスタッフの方のサービスも素晴らしく、ホテルの滞在者というよりも村民の一員として接してくれるような心地よさ。私にとってまた戻ってきたい村、そしていつか移住したい村でした。円安の終わりが見えない中ですが海外旅行を諦めず、日本で“海外気分旅”を味わいに志摩地中海村を訪れてみてはいかがでしょうか。
