北部九州初開催! 有田ポーセリンパークのイルミナージュは観光客数回復の兆しが見える?

佐賀県有田市にある「有田ポーセリンパーク」では、2025年2月2日まで「佐賀イルミナージュ2024」が開催されています。関西で人気のイルミネーションイベントで北部九州で初開催。アフターコロナでも観光客の戻りが芳しくない有田市に、人を呼び込むために開催されました。イルミネーションシーズンも近づくなか、認知の高まりを感じていますが、実際行ってみた様子を旅色LIKESライターのちゃん旅担当・美娜がレポートします。
目次
佐賀にドイツ⁉ 有田ポーセリンパークって?

「有田ポーセリンパーク」は、有田焼で有名な有田町ならではのテーマパーク。施設内では陶芸体験や、地酒の試飲・販売もしています。なかでもシンボル的存在は、「ツヴィンガー宮殿」。ポーランド王でもあったアウグスト王によって、ドイツのドレスデンに建てられた宮殿を再現したものです。初めて磁器を見たアウグスト王は大変気に入り、当時ヨーロッパで最大のコレクターでした。その後アウグスト王の命令で1709年にヨーロッパ初の磁器が完成したときには、有田の磁器に絵型を似せたものも多くあったのだとか。1979年、有田町とドイツのマイセン市は陶磁器をきっかけとして、姉妹都市となっています。その縁もあって、ここ有田に宮殿がつくられました。
アフターコロナの地域活性化を目指して開催「佐賀イルミナージュ」とは
「佐賀イルミナージュ2024」は、光がオーロラのごとく泳ぎ絡み合い輝く光の芸術イベントです。「イルミナージュ」とは、イルミネーションの「イルミ」とフランス語で「泳ぐ」を意味する「ナージュ」の造語。神戸、大阪、鹿児島でも行われ、ハワイなど海外でも開催されています。佐賀県で初めての開催で、期間は2025年2月2日まで。

ある記事によると、有田町の観光客数はコロナ前の半分に留まっているのだそう。全国を旅行していてもインバウンドをはじめとする観光客が増え、ホテルや飛行機、食事の予約も取りにくいと感ていたので、驚きでした。「佐賀イルミナージュ」の開催は、有田町に人を呼ぶことを目的に開催しているのだそうです。陶磁器の里・有田の象徴ともいえる「有田ポーセリンパーク」で、有田の良さを知ってもらえるきっかけとなるイベントとして興味が湧きました。
パーク内を散策
日もすっかり暮れた18時半。暗闇の中に美しく輝く「ツヴィンガー宮殿」が浮かびます。時間の経過と共にライティングが変化し、見る人を飽きさせません。噴水の水面に映るリフレクションも美しい。電球がアーチ型になっている「光の回廊」を抜けると、宮殿の庭一面に「光の海」がひろがります。
シンメトリーに手入れされた庭には、「光の噴水」、「スノーマン」と思わず写真におさめたくなるスポットばかりです。所々に置かれた動物たちの形をした光るモニュメントに、抱きつく子や話しかける子も見られ大人気。また、子連れ家族が多くいるほか、ペット同伴でワンちゃんたちの姿も。キッチンカーやイベントも行われていました。
訪れてみて感じたこと
ここまで紹介してきましたが、行ってみての正直な感想は「少し残念だった」です。宮殿や庭園といったすばらしい施設がありながらも、宮殿内には入れなかったり、閉園後の開催ということもあり、食事処やお土産施設が閉まっていたり。イルミナージュは美しいけれど、それ以外の施設がないと滞在時間が短くなってしまいます。目玉となるイルミナージュで観光客を呼ぶことができたからこそ、滞在をより楽しめるよう食事やショッピング、休憩処などがあるといいのにな……と、感じました。観光客が訪れた先で満足すれば、必ず誰かに伝えたくなります。物足りないイベントは、交通の便の良しあしや、働き手不足によるサービスの不届きなどもあるかもしれません。しかし、佐賀県は武雄温泉・長崎間が2022年に西九州新幹線が部分開通したり、近年観光業に力をいれています。ひとりひとりの旅好きのマンパワーも大切にしながら、これから行われる佐賀県各地でのイベント運営の充実などまでサービスが行き届くことを期待したいです。