【奈良】巳年にお詣りしたい! 白蛇ゆかりの「大神神社」は超パワースポット

奈良県

2025.01.16

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【奈良】巳年にお詣りしたい! 白蛇ゆかりの「大神神社」は超パワースポット

2025年の巳年が明けました。奈良県人の巳年の初詣は“みいさん”へ。「三輪明神」とも呼ばれる日本で最古の神社「大神神社(おおみわじんじゃ)」が大賑わい。三輪の神様が白蛇に化身して娘の元を訪れた伝説があり、”巳さん”と親しまれています。奈良で生まれ育った旅色LIKESライターの私が、古事記や日本書紀にも出てくるそんな伝説とともに、巳年に訪れたい超パワースポットを紹介します。

目次

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神様へのアプローチ

三輪山伝説~白蛇とのゆかり~

巳の神杉に生卵とお酒をお供えする

神様とお酒の深い関係

三輪の神様に一番近い酒蔵

奈良酒を飲もう

ちょっと足を伸ばして摂社(末社)にもお参りを

さいごに

神様へのアプローチ

大神神社一の鳥居

日本でも有数の30mを超える大鳥居からはご神体の三輪山が見える

大神神社・二の鳥居

二の鳥居の扁額(鳥居に掲げられている札のこと)には「三輪明神」の文字

大神神社の拝殿

大神神社のご神体は三輪山そのもの。神社へ徒歩で向かう場合は、JR万葉まほろば線の三輪駅が近く、二の鳥居近くの参道の途中に出ることができますが、車でお詣りする場合には、国道169号を走っていれば見えてくる巨大な大鳥居が目印。これが大神神社の一の鳥居で、日本でも有数の大きさです。鳥居をくぐり、車を停めたら歩いて二の鳥居まで。空気がぴしっと引き締まるような参道を通り、階段上の拝殿に向かいます。
大神神社には社殿(本殿)はなく、拝殿を通して神様の山を拝むのです。拝殿の奥には、神職も滅多に足を踏み入れない結界の三つ鳥居があるとのことですが、私たちは、ここまでです。

三輪山伝説~白蛇とのゆかり~

蛇の大絵馬

2025年巳年の大絵馬

蛇の形の手水

手水舎の蛇の形をした水口

蛇の置物

巳さんの縁起物

白蛇とのゆかりについては、日本書紀に出てくる神話にルーツがあります。
その昔、崇神(すじん)天皇の頃のお話です。天皇の娘・倭迹迹日百襲姫(やまとととびももそひめ)は、非常に美しい娘だったそう。そこへ毎夜、見目麗しい男が通ってきます。男は夜にしか現れないので、娘が「一度お昼に顔を見せてほしい」と頼みます。男は「それならば、明朝に、お前の櫛箱の中に入っていよう、ただし、姿を見ても驚いてはいけないよ」と。約束通り、朝になり櫛箱を覗いた娘は、そこに白蛇がいるのを見て、ギャッと驚いてしまいました。男は怒り、「二度と来ない」と言って娘の元を去っていきます。男は、三輪の神様・大物主神(おおものぬしのみこと)でした。白蛇が三輪山の神様の化身だったというわけです。その後、悲しみに暮れた娘は、自らのホト(陰部のこと)を箸で突いて死んでしまいました。今もお墓は「箸墓(はしはか)古墳」として残っています。

巳の神杉に生卵とお酒をお供えする

大神神社・お供え置き場

たくさんの人が卵とお酒のお供えをしている

大神神社・杉

巳の神杉

巳の神杉

神杉の看板

お詣りでは、まず、拝殿の脇にある境内の大きな神杉に卵とお酒をお供えしましょう。三輪山の神様が化身した白蛇の大好物が卵だからです。参道に、後で紹介する今西酒造の支店があり、小瓶の酒と生卵の「お神酒セット」が販売されているので、そこで買うのがおすすめ。

巳の神杉の室

神杉の室には白蛇が住んでいると言われる

杉の木には大きな室があり、本当に白蛇が住んでいるらしいです。中々お姿を見ることはできませんが、もし見ることができたら、スーパーラッキーですね。

神様とお酒の深い関係

大神神社・酒樽

酒まつりの日には全国の酒蔵からの奉納がされる(2013年11月撮影)

大神神社・酒蔵からの寄進

全国の酒蔵から奉納された瓶がずらりと並ぶ

大神神社・醸造安全祈願祭

訪れた人に升で酒が振舞われる(2013年11月14日)

大神神社は、全国でも有名なお酒の神様でもあります。お酒は、神様に捧げるために造られていたので、日本酒造りは三輪が発祥だといわれるのも道理。ちなみに、万葉集に出てくる「三輪」の枕詞は「うま酒の」。いかにも、お酒の神様の本拠地という感じですね。また、酒、神、みわ、とういう連想からか、御神酒のことを昔は「ミワ」と読んだそうです。

大神神社・しるしの杉玉

しるしの杉玉は、毎年醸造安全祈願祭で新しいものに取り換えられる

毎年11月14日に全国から蔵元や杜氏が集まり、「醸造安全祈願祭(酒まつり)」が行われます。拝殿の上の大きな「杉玉」が新しい青々としたものに取り替えられる行事です。祭りの後に「しるしの杉玉」が、全国各地の酒蔵に配られます。蔵の軒先に吊された杉玉が茶色くなっていくのが、お酒の熟成が進んでいく目安になるのです。

「大神神社」公式ホームページはこちら

三輪の神様に一番近い酒蔵

今西酒造本店

今西酒造本店

今西酒造本店

どぶろくや酒粕も売られている

今西酒造本店

「みむろ杉」と「三諸杉」

大神神社から歩いて10分ほどのところにある「今西酒造」の本店は、1660(寛文1)年創業の老舗酒蔵。三輪の神様に一番近いところで、古くからお酒を造っていることから、一番に「しるしの杉玉」をいただくのだそうです。この蔵の看板商品は、日本酒の「三諸杉(みむろすぎ)」と「みむろ杉」。「みむろ山」が三輪山の別名であることからの命名です。ひらがなの方は県外へ出荷されていますが、漢字の方は奈良県内のみの流通。現地にお詣りした際には、ぜひ、漢字の「三諸杉」も味わってみてくださいね。JR三輪駅にある店舗では、試飲もできますよ。

今西酒造参道店

お神酒セット(380円)

先ほど紹介した、お詣り前に卵と「三諸杉」のお酒を買うことができる今西酒造の参道店。お神酒セットは380円也。

「今西酒造」公式HPはこちら

奈良酒を飲もう

2024(令和6)年11月、「伝統的酒造り」がユネスコの世界文化遺産に登録されたニュースが話題を呼びました。現在、日本酒といえば、透き通った清酒が頭に浮かびますが、三輪の神様にお供えされた最初のお酒は濁っていたそうで、おそらく「どぶろく」だったのでしょう。

正暦寺・日本清酒発祥の地の碑

正暦寺には、「日本清酒発祥の地」の碑がある。

菩提酛づくり

菩提酛造りをしている8蔵のお酒はこちら

ささゆり

大神神社に咲くささゆりから抽出した酵母山乃かみを使ったお酒

奈良県は日本清酒発祥の地。室町時代の文献『御酒之日記』に出てくる「菩提酛(ぼだいもと)」という酒母(しゅぼ)※2 を使う製法により正暦寺で作られていた僧坊酒に由来しています。正暦寺の酒母を復活させた「菩提酛造り」プロジェクトや大神神社のシンボルである「ささゆり」から抽出した「山乃かみ」という酵母を使ったお酒造りなど、奈良の酒蔵では伝統技法を活かしながら、時代にあわせた工夫で、おいしいお酒を造っています。奈良のお酒を「奈良酒」といい、私は、毎晩のようにいろんな蔵の自慢のお酒を飲み比べている日々です。

※2 日本酒造りに必要なもろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもの

ちょっと足を伸ばして摂社(末社)にもお参りを

摂社とは、本社の祭神と縁の深い神を祀っているところ。末社ともいいますが、摂社の方が少し格式が高いそう。
大神神社には、たくさんの摂社があり、少し山の辺の道を歩いてこれらの摂社巡りをするのもおすすめです。

万病に効く薬水を湧出「狭井神社」

大神神社・くすり道

くすり道の脇には、日本全国の製薬会社から寄贈の燈籠が並ぶ

狭井神社

ご神体の三輪山に登る入口

狭井神社

狭井神社

狭井神社・薬井戸

薬井戸で御神水を汲んで帰ってもOK

狭井神社

御神水は1本300円で販売されている

大神神社の拝殿から薬業関係者が奉納した薬木や薬草が植えられている「くすり道」を通り、歩くこと約4分。狭井(さい)神社は、三輪山の神様の荒魂(あらみたま)※1 を祀り、特別な許可を得なければ足を踏み入れてはいけない三輪山に登る入口に当たります。病気平癒の神として信仰され、下の薬井戸で汲む「御神水」は諸病に効くとされていました。今西酒造では、この三輪山の伏流水を使ってお酒を仕込んでいるそうです。まさに「神様のお酒」というわけですね。

※1神の怒りを示しており、人に祟りを及ぼすような霊力のこと

◆狭井神社
住所:奈良県桜井市三輪1422
電話:0744-42-6633

通は元伊勢「檜原神社」も

檜原神社

檜原神社からの夕日

檜原神社

檜原神社の三つ鳥居

檜原(ひばら)神社は、山の辺の道を北に向かって歩いて約20分のところにあります。崇神天皇に天照大神の御霊を託されたヤマトヒメが、御霊をお祀りした場所のひとつ。最終的には伊勢神宮まで移動していくため、こういったお社は「元伊勢」と呼ばれています。高台に位置し、夕日が落ちる風景がとても美しいところです。檜原神社のほか、「元伊勢」の地を巡るのも粋な旅になりそうです。
大神神社から石上神宮に至る山の辺の道は、崇神天皇陵ほか古墳の宝庫です。健脚向きの道ではありますが、古代ロマンを感じながら、歩いてみてはいかがですか。

◆檜原神社
住所:奈良県桜井市三輪1422
電話:0744-42-6633

一番遠い摂社「率川神社」

率川神社・絵馬

大神神社と同じ作者の小ぶりの絵馬が奉納されている

率川神社

ゆり祭りの宵宮のときは提灯が並ぶ

摂社のほとんどは、大神神社のある桜井市に集中していますが、ひとつだけ奈良市内にも。近鉄奈良駅からJR奈良駅に向かうメインストリート・三条通からすぐのところです。率川神社は、ご祭神である姫神様を真ん中にして、父神・母神が左右から見守るように3棟の本殿にそれぞれをお祀りしていることから、「子守明神」ともよばれます。大神神社のシンボル「笹ゆりの花」を巫女が捧げる華やかな「三枝(さいくさ)祭り(ゆり祭り)」が、毎年6月17~18日に行われています。三輪の地からは少し遠いですが、日本最古の大神神社の摂社として、奈良市では最古の神社です。東大寺や春日大社のようなメジャーな観光地ではありませんが、こんな小さな神社にも長い歴史が流れています。

◆率川神社
住所:奈良県奈良市本子守町18

さいごに

大神神社では、毎月季節のお祭りが執り行われるほか(これからの時期は2/2に節分祭、2/3に、立春祭など)、神の宿る山としてパワースポットにもなっています。2025年は巳年。巳さんのゆかりの神社を訪ねて奈良にいらしてくださいね。

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#奈良 #初詣 #蛇にまつわるスポット #大神神社

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奈良まほろば旅 神奈月みやび

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神奈月みやび

出身は奈良県。現在は奈良市内の観光地エリアに住んでいます。奈良をこよなく愛し、奈良愛を布教する人間です。奈良を売り込むのをライフワークにしています。 特に奈良のお酒が好き。令和6年5月、奈良まほろばソムリエ検定の最上位ソムリエ級に合格。

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