ブーム到来!? お気に入りのマンホールを見つける旅に出かけよう【長崎】

旅色LIKESライター・トレンド旅担当のおんりです。旅先で、ご当地ならではのデザインがされた「ご当地マンホール」を見たことはありますか? 最近、地域活性に役立つアイテムとしてちょっとしたブームなんです。調べてみると、私が住む長崎にもユニークなマンホールがいろいろありました。かわいいマンホールを見つけると、それだけで嬉しくなっちゃいますよね。今回はみなさんを、路上のアート・マンホールの世界へご案内します。
目次
まずは定番の「ご当地マンホール」を探してみよう
ご当地マンホールといえば、その土地の名所やゆかりのある人物、歴史や文化をモチーフにしたものが定番です。長崎市内を歩いていると、目にするのがあじさい柄のマンホール。市制100周年を記念し、長崎市の花「あじさい」をモチーフに作られました。黒っぽい色のものがほとんどですが、まれに水色やピンク色のカラーマンホールがあります。新大工町のシーボルト通りにはシーボルトの「S」をデザインしたもの、出島付近には出島をモチーフにしたご当地マンホールがあるので、お近くを観光の際には探してみてください。
「弱虫ペダルマンホール」で推しキャラを探そう
『弱虫ペダル』(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)は、高校自転車ロードレースをテーマにした本格的なスポーツ少年漫画。舞台化、アニメ化、実写映画化もされている人気作です。原作者で漫画家の渡辺 航(わたなべわたる)先生は長崎市出身。2022(令和4年)に「下水道供用開始60周年」を記念して、長崎市内全域の観光施設・景観スポットを中心とした27か所に設置されました。長崎市内だけなのでコンプリートしやすいかと思いきや、広範囲にまんべんなく設置されており、かなりマイナーな場所もたくさんあります。『弱虫ペダル』だけに自転車で制覇したいところですが、車がないとコンプリートするのは難しいかもしれません。出島(総北高校・今泉俊輔)、平和公園(箱根学園・荒北靖友)、旧香港上海銀行長崎支店記念館(総北高校・小野田坂道)、稲佐山(総北高校・巻島裕介)、長崎駅(総北高校・鳴子章吉)は、観光地の近くにあるので探しやすくておすすめです。
伊王島の「さるくちゃんマンホール」は難易度高し!
長崎市内から車で約40分、伊王島大橋を渡るとリゾートアイランド・伊王島に到着します。そこに設置されているのが、「さるくちゃん」のマンホール型埋込式案内板です。「さるく」は、長崎の方言で「ぶらぶら歩く」という意味。長崎さるくイメージキャラクターで、顔には「さ」「る」「く」の文字が入っています。一見普通のマンホールですが、マンホールの機能はありません。
自転車で1周2時間ほどの小さな島に、16基の「さるくちゃんマンホール」が設置されています。かわいいうえに、島の観光地をほぼ網羅することができる優れものなのですが、ブームが去ったのか今では、雑草に隠れていたり、色が薄くなっていたり……。公的なマップは存在せず、ネットから位置情報を集めるしかありません。レンタサイクルは「i+Land nagasaki」宿泊客だけのサービスとなっており、日帰り観光客は自転車を借りることができません。車で回ることもできますが、島内の道はめちゃくちゃ狭く、離合困難な道ばかり。侵入したが最後、後悔すること必至です。まさに難易度MAX!「さるくちゃんマンホール」をコンプリートしたい人は、宿泊してレンタサイクルで探すのがおすすめです。
「ポケふた」はもはや芸術! 期間限定のスタンプラリーも開催中。
今年新たに長崎県に設置されたのが、ポケモンがデザインされたマンホール「ポケふた」です。ポケモンを通じて日本各地の魅力を発信することを目的としており、道や県ごとに選ばれた「推しポケモン」が、地域の魅力を発信する活動をしています。
長崎県ではデンリュウが「長崎未来応援ポケモン」に任命されました。しっぽの光が灯台を連想させ、多くの島や灯台を有する長崎県との親和性が高いことや、長崎の童歌「でんでらりゅうば」と「デンリュウ」の語呂が似ていること、ライトポケモンに属しており、「光」を観光の主なテーマとしている長崎県との親和性が高いことが選定理由だったのだそう。「ポケふた」は、現在長崎県内の5か所(長崎市・佐世保市、大村市、雲仙市、新上五島町)に設置されており、どの蓋もカラフルでとってもかわいい! 5つのうち、3つをご紹介します。
①長崎市
長崎市の「ポケふた」があるのは、長崎駅近く。キャラクターはデンリュウとキャモメとトゲピー、背景には稲佐山、女神大橋が描かれています。駅の中に、「長崎街道かもめ市場」というお土産ゾーンがあることや、長崎・福岡間を結ぶ新幹線の名前が「かもめ」であることから、キャモメが選ばれているのは納得です。トゲピーが描かれているのは、体の模様が「長崎ハタ」に似ているからかなぁ。いろいろと考察できるのも「ポケふた」の魅力かもしれません。
➁大村市
長崎空港がある大村市の「ポケふた」は、新大村駅公園内にあります。キャラクターはデンリュウとチェリム。背景には大村公園の中にある「玖島城(くしまじょう)」と、国指定天然記念物「オオムラザクラ」が描かれています。大村公園は「日本さくら名所100選」の地ということで、サクラポケモン・チェリムとの相性もぴったり!
◆新大村駅公園
住所:長崎県大村市植松3丁目
③雲仙市
雲仙市の「ポケふた」は、雲仙温泉街の高台にある「極楽公園」にあります。キャラクターは、デンリュウとバクーダとコータス。背景には温泉の湯けむり、仁田峠の紅葉と雲仙ロープウェイが描かれています。火山地域に生息しているというバクーダとコータスは、地獄温泉や普賢岳がある雲仙市にぴったりのキャラクター。コータスの鼻息にも勢いを感じます。
特徴あるキャラクターと観光名所を合わせて、世界に1枚しかないマンホールをつくる「ポケふた」は、もはやアート! あまりのかわいさに、毎日マンホールを磨きに来るご近所さんもいるそう。いや~、その気持ちわかります。最初は『ポケモン』といえばピカチュウしか知らなかった私も、「ポケふた」を探しているうちに、すっかりほかのキャラクターに魅了されてしまいました。
◆極楽公園
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙320-18
「ポケふた」の設置を記念して、2025(令和7年)年2月28日までの期間限定で、スタンプラリー「ながさき照らす旅」が開催中です。スマートフォンからエントリーしてデジタルスタンプを集めると、デンリュウとコラボした長崎県オリジナルのグッズや特産品などが抽選で当たります。期間中、長崎へお越しの方はぜひ挑戦を!
「マンホールカード」をゲットせよ!
「マンホールカード」ってご存知ですか? 下水道広報プラットホームと地方公共団体が共同で制作・発行するカードで、指定配布所に行くと無料でもらうことができます。下水道への興味を喚起することを目的に発行されており、全国で714自治体・3団体が加盟し、現在1076種類あるそう。コレクションしている愛好家も多いとか。長崎市内では「南山手地区街並み保存センター」と「旧香港上海銀行長崎支店記念館」で入手することができます。どちらも観光地にあるので、旅の記念にいかがですか。長崎県は離島もあるのでコンプリートするのはなかなか大変そう。全国のマンホールカードを少しずつ集めるのも楽しそうですよね。
発想がおもしろい「合格祈願マンホールカード」。
長崎市では、マンホールカードを使った面白い試みも。マンホールの特徴である「丸い」「落ちない」「滑らない」にあやかり、2024(令和6)年12月19日から「合格祈願マンホールカード」1,000枚を無料配布しているんです。※今年分は配布終了。毎年1週間経たずに配布が終了してしまうそうです。受験生が周りにいる方はお早めにゲットを!
おわりに
見つけた喜びで思わず、小野田坂道くんとハイタッチ。
長崎だけでも、こんなにたくさんのデザインマンホールがあるなんて驚きです。マンホール探しは、思っているより何倍も難しい! 目線の高さに目印や看板がないため、真後ろにあるのに気づかなかったり、近くを何度も通り過ぎたり。ネットで位置情報を正確に把握しておくのが、スムーズに見つけるコツかもしれません。マンホール蓋を観光資源にしてしまうなんて、日本人ならではの発想ですよね。最近ではマンホールに注目する外国人観光客も多いのだそう。今後は、マンホールを旅の目的にする「マンホールツーリズム」がブームになるかもしれません。見つけたときの喜びも大きいので、みなさんもお住いの地域や旅先で探してみてくださいね。