【東京】「いつもありがとう」の気持ちが止まらない! 身近なモノやサービスの秘密にせまる個性豊かな博物館めぐり
楽しく学べる博物館に心満たされる旅色LIKESライターのさっかです。私たちの日常には、便利なモノやサービスがあふれています。なかには、工夫が凝らされた展示で歴史や裏側を学べる博物館を設けている企業も。今回は都内にある4つの博物館を巡り、「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」を伝える旅に出かけました。室内なので、これからの寒い日や雨の日にもおすすめです。
目次
地図から未知の博物館に出会う
東京都内には数多くの博物館があります。有名な博物館もいいけれど、まだ知らない博物館に出会ってみたい! そんな人におすすめの探し方は、Google mapで「博物館」と入力して検索すること。慣れ親しんだエリアで検索をしてみても、自分の知らない博物館を発見できることがあります。また、企業が博物館を運営していることもあり、会社の歴史だけでなく、サービスや商品の歴史も学ぶことができおすすめです。
お金の価値を考える「貨幣博物館」
地下鉄銀座線の三越前駅を出ると、周囲は石造りの重厚な雰囲気の建物が立ち並びます。貨幣博物館は駅から歩いて2分ほどで到着。日本銀行金融研究所が運営していて、お金の歴史について学べます。
入り口で警備員に空港の保安検査のような手荷物検査をされ、ちょっと緊張しながら入館。2階は記念撮影スポット以外、撮影禁止です。出迎えてくれる「貨幣博物館」と書かれたイラストは、フラッシュ撮影してみると、アッと驚く仕掛けがあります。入口での緊張感はどこへやら。楽しませる工夫が盛りだくさんで、ふっと心が緩みました。
映像コーナーで、貨幣の歴史を学んだあとは展示室へ。館内に掲載されているQRコードを読み込むと、自分のスマホで無料の音声ガイダンスを聞くことができます。イヤホンを持参が必須ですが、より展示物の理解が深まりおすすめです。
たくさんのきらびやかな金貨の展示や新貨幣の技術を紹介したコーナーなど見どころたくさん。お金といえば硬貨や紙幣を思い浮かべますが、過去には米や布のほうが価値があった時代もあったそう。時代によってお金の材質や発行元もさまざまです。お金の価値とは何だろうと考えさせられました。
◆日本銀行金融研究所 貨幣博物館
住所:東京都中央区日本橋本石町1-3-1
電話:03-3277-3037
開館時間:9:30~16:30(最終入館16:00)
休館日:月曜日 ※祝休日は開館、12月29日~1月4日 ※臨時休館あり
入館料:無料
翌日に宅急便が届くことへの努力を感じる「クロネコヤマトミュージアム」
翌日荷物が届くサービスを始めたヤマト運輸は、1919(大正8)年に創業。2020(令和2)年に、創業100周年を記念して「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」が作られました。建物外周のスロープを活用して下りながら100年のあゆみを追体験できるようになっています。印象的だったのは、歴史の中でいい面だけでなく、影の部分も伝えていること。苦悩の中から宅急便サービスを考案した、当時のノートなど貴重な資料も見られます。個人の家から個人の家に翌日荷物が届くサービスが生まれたことが、どれだけ画期的なことだったのかを感じることができました。館内は基本的に撮影禁止なのでお届けできませんが、視覚に訴えかけてくる展示や心温まる約14メートルの大型ワイドスクリーンのシアターなど、見どころ満載です。
宅急便体験コーナーでは歴代のセールスドライバーの制服を着たり、街中で荷物を載せて走っている姿を見かける「ウォークスルー車」に乗車したりと、子どもたちに大人気。館内にいくつかある撮影可能スポットです。ホスピタリティあふれるスタッフのお姉さんが「写真撮りましょうか」と声をかけてくださったのでウォークスルー車と1枚。いい大人が子どもたちに交じっての写真撮影は少し恥ずかしかったけれど、記念になりました。
◆ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム
住所:東京都港区港南2丁目13-26ヤマト港南ビル6F
電話:03-6756-7222
開館時間:10:00~17:00(入館16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、夏季・年末年始休暇あり
入館料:無料
ミュージアムを出た後は併設されたスワンカフェ品川港南店で休憩。ガラス張りの店内で、高浜運河を眺めながらほっと一息つくことができます。「クロネコどらやき」は、おなじみのロゴデザインがプリントがかわいい。アイスコーヒーを注文しましたが、ヤマトグループのキャラクターがデザインされた「クロネコシロネコのミルクたっぷりカフェオレ」(450円)もかわいかったので、注文すればよかった……。
◆スワンカフェ 品川港南店
住所:東京都港区港南2丁目13-26ヤマト港南ビル2F
電話:03-6374-7602
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)※クロネコヤマトミュージアムに準じる
簡単に大量の印刷を可能に「印刷博物館」
「印刷博物館」を運営しているのは、CMでもおなじみの凸版印刷。創立100周年を迎えた2000(平成12)年に設立しました。入館してまず目に飛び込んでくるのは、印刷文化の歴史を一望できる大壁面。紀元前から現代までさまざまな方法で情報を残そうとしてきたことが分かる展示です。ペーパーレスが進んできているなかでも、身の回りにはたくさんの印刷物があります。旅先でもらうパンフレット、本棚に並ぶ小説や資格取得に使ったテキスト、お菓子のパッケージ、など。当たり前の光景になっていましたが、長い歴史の中で多くの人の努力があってこそのものだと感じる空間でした。
印刷の歴史の展示は1000年以上前の奈良時代、年代が分かっている中で世界最古の印刷物「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」から始まります。国家安泰を願い延命や除災を願う経文であり、この時代に100万枚も印刷されたというので驚きです。版を彫って墨をつけ手作業で紙に印字する作業は大変な労力がかかったことでしょう。手作業での印刷から、近年はコンピューターによる印刷と歴史をたどってきます。
◆印刷博物館
住所:東京都文京区水道1丁目3番3号 TOPPAN小石川本社ビル
電話:03-5840-2300
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は、翌平日)、年末年始 、展示替え期間
入館料:高校生以上500円 中学生以下および70歳以上 無料
正確に時を刻む技術を「セイコーミュージアム銀座」
オリンピックなどの国際大会の計測でも活躍している時計メーカー「SEIKO」。企業と時計の歴史を紹介するミュージアムが創業の地である銀座にあります。注目は陸上や水泳でタイムを計測してきた計時システムです。陸上のスターティングブロックから競泳用タッチプレート、おなじみの黄色のタイム表示まで。表示されているのは、男子陸上競技の選手・山縣亮太選手の日本記録9.95秒。1000分の1秒を争う競技の中で、正確性を求め続ける企業の努力は計り知れません。
創業者の服部金太郎の生涯と、セイコーの歴史を紹介したフロアで印象的なのは、関東大震災で焼けた懐中時計。修理のため預かっていた時計も、顧客には迷惑をかけないという姿勢で全て新品をお返ししたのだそう。この精神が会社の発展に繋がったのでしょうか。ほかにも服部金太郎の言葉がいくつか掲示されていますが、どれも真摯に仕事と向き合う言葉で胸を打たれました。
時計の歴史を紹介したフロアに入ると聞こえてくるのは、機械式時計がカチコチと一定のリズムで時を刻む音。とても落ち着く空間です。歯車がかみ合い時計が進んでいく様子もずっと見ていられます。自然の力を利用した日時計や水時計から始まり、より正確に時を刻む機械式の時計の進化をぜひ学んでみてください。
◆セイコーミュージアム銀座
住所:東京都中央区銀座4丁目3-13セイコー並木通りビル
電話: 03-5159-1881
開館時間:10:30~18:00
休館日:月曜日、年末年始
入館料:無料
※見学はインターネットからの予約優先制
おわりに
都内には本当にたくさんの博物館があり、まだまだ行ってみたいところがたくさん! 今回訪れた博物館は無料やワンコインで入館できます。たくさんの学びがあり、お得で贅沢な気持ちになることができました。日常の当たり前を学ぶと、ありふれた日々も「いつもありがとう」といいたくなる感謝いっぱいの日々に変わります。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。