【長野・山梨】ドライブ中に100%遭遇!? 1,200店舗以上の「ハッピードリンクショップ」で幸せプラス
田舎道を走っていると、視界に飛び込んでくる青い看板。「何だろう?」と車を停めてみると、並んでいるのは自動販売機。長野や山梨をドライブしたことがある人なら、一度は目にしたことがあるであろう、自動販売機のドライブイン「ハッピードリンクショップ」。長野・山梨に1,200店舗以上を展開し、県民に愛され、地域の風景に溶け込んでいます。一見、ただの自動販売機。それなのに、なぜこれほど多くの人々に愛されているのでしょうか!? 今回は、旅色LIKESライター・みっちゃんが、この「ハッピードリンクショップ」の魅力を余すところなくお伝えします。
目次
青い長方形の看板が目印! 「ハッピードリンクショップ(ハピドリ)」とは?
遠くからでも目を引く、青地に黄色い文字で「ハッピードリンクショップ」と書かれた看板。しかし、周囲には店舗らしき建物は見当たりません。並んでいるのは、自動販売機の数々。実は、この自動販売機こそが「ハッピードリンクショップ」の正体なんです。
運営元の株式会社フローレンは、2024年8月末時点で1,208店舗(長野県671店舗、山梨県537店舗)を展開しています。全国に展開している大手牛丼チェーン店が約1,200店舗といわれているなかで、長野と山梨にこれだけの店舗が集中していると考えると驚きです!
一昔前に国道沿いでよく見かけた「オートスナック」にヒントを得て、2003年に誕生しました。
ハピドリが愛される3つの理由
1. 気軽に立ち寄れる便利さ
道路沿いの空き地に3台以上並んでいる店舗が多く、車が駐車できる広いスペースが設けられています。まさに、自動販売機のドライブインといった存在なんです。
ハピドリが展開しているのは、生活道路や農道、山道が中心です。交通量の多い国道沿いでは、駐車や周囲の状況に気を遣いますが、生活道路や農道なら気軽に車を停められて、ストレスフリーに飲み物をゲットできます。長野や山梨では、ドライブ中に高確率でハピドリを見かけるので、休憩スポットとしても便利です!
2. 手ごろな価格設定
物価が上昇するなか、他の自販機や店頭と比べても手頃な価格で購入できるのは、利用者にとって大変ありがたいポイントです。一般的な自販機では140円の商品が、ハピドリでは100円で購入できることも。お財布にやさしい上、つい手に取りたくなる豊富な商品ラインナップも見逃せません。
3. 豊富なラインナップ
ハピドリならではの珍しい商品も多数! 復刻堂の「レモンスカッシュ」や「バナナオ・レ」など、店頭ではなかなか見かけないからこそ、思わず試してみたくなる飲み物に出会えるのも、ハピドリを利用する楽しみの一つです。取材中に立ち寄った店舗では、いちごみるくを購入している方を見かけました。幅広いラインナップは老若男女を楽しませています。
ゆるキャン△とのコラボも! ハピドリ巡りの旅へ
長野と山梨に、1,200店舗以上もあるハピドリ。きっと個性的なお店もあるはず! ということで、ハピドリ巡りの旅、スタートです。
ゆるキャン△×ラッキードリンクショップ
山梨県を舞台に、女子高校生たちがキャンプを楽しむ様子を描く人気アニメ『ゆるキャン△』。その舞台である身延町と市川三郷町に、計7ヶ所の『ゆるキャン△』ラッピング自動販売機が設置されています。なかでも3ヶ所は、アニメに登場したハピドリが忠実に再現されているので、ファンにはたまらないスポットです。ファンの方は、ぜひ巡ってみてはいかがでしょうか。
住宅街や学校にあるので、毎日使いにも便利
普段は気に留めていなかったのですが、よく探してみると住宅街に自然と溶け込んでいるハピドリがたくさん設置されているんです。もし自宅の前にあったら、冷蔵庫代わりに使いたくなってしまいますね(笑)。
学校の前にも設置されていて、生徒たちが「帰りにハピドリ寄っていこう! 」なんて会話している姿が目に浮かびます。
電車とのコラボも! 駅周辺・線路沿い
ハピドリは、駅や線路沿いに設置されていることも多く、タイミングが合えば休憩中に電車の風景を楽しむこともできます。
鉄道ファンの皆様、一風変わった「電車×ハピドリ」の撮影なんていかがでしょうか?
攻めているハピドリも! スーパーやコンビニ前に出現
ハピドリを探していると、驚きの発見がたくさんあります。特に、スーパーの敷地内に設置されている店舗には「ここにもあるのか!」と驚かされました。スーパーという競合環境にあえて進出するその挑戦的な姿勢に、ハピドリの攻めの姿勢を感じます。
私がよく利用する店舗も、コンビニの目の前にあるハピドリです。サウナ帰りには必ず立ち寄って一息つきますし、サウナ仲間も皆この店舗を愛用しています。気づけば私たちも、フローレンさんの戦略にしっかりハマっているようです。
従業員さんに聞いた! 個性的なハピドリスポット
さすがに、全店舗を巡るのは大変……! そこで、普段からハピドリを管理してる従業員さんに、特に個性的なお店を教えてもらいました。
武田信玄ラッピング/甲府駅北口
「武田信玄」のラッピングが施された自販機が設置されています。こちらは従業員の方が手描きしたイラストを拡大して作成されたそうで、地元の歴史とともにハピドリも楽しめるユニークなデザインです。
甲府駅北口店は、「ハッピードリンクショップ」ではなく、地元らしさを取り入れた「幸飲料店」として営業しており、周辺の景観にも溶け込む面白いデザインに変更されています。
モンスター専門自販機/長野市
長野市内のガソリンスタンド敷地内には、アサヒ飲料の「モンスターエナジー」専用の自販機が設置されています。モンスターのロゴが大きくデザインされており、一目見ればすぐに「モンスターだ!」とわかる圧倒的な存在感。エナジードリンク好きにはたまらないスポットです。
お菓子の販売もある/杭瀬下店、稲荷山駅前店、東条店
フローレン長野営業所では、飲料だけでなくお菓子の販売にも力を入れています。特に千曲市や長野市にある杭瀬下店、稲荷山駅前店、東条店では、飲み物と一緒に楽しめるお菓子が揃っており、魅力的な店舗です。小腹が空いたときにもうってつけ!
ハピドリは、色々な人をハッピーにする特別な場所
今回のハピドリ巡りでは、実際に利用している方々と触れ合う機会がありました。
「毎回、どれを買おうか迷っちゃうね」と笑顔で話してくれたのは、畑仕事の帰りに立ち寄った高齢のご夫婦。
「本当に助かりました」と、旧街道を歩き、疲れを癒す青年たち。
「これで四国まで頑張れますよ」と、エナジードリンクを手に気合いを入れる長距離ドライバーさん。
私自身も、真っ暗な夜道を走りながら、心細く感じていた峠越えの前に、遠くに見えたハピドリの温かい灯りに何度も心を救われた経験があります。青い看板が目に入った瞬間、ほっと胸をなでおろしました。
また、亡き祖父母がよく利用していた店舗は、お墓から見渡せる場所にあります。お墓参りの後、その店舗に立ち寄って祖父母の思い出話をすることが、我が家の大切な恒例行事となっています。まるで祖父母と再びつながる瞬間のように、心温まるひとときを過ごしています。
ハピドリは、単なる自動販売機を超えて、さまざまな人々の日常に寄り添い、それぞれの物語を紡いでいます。訪れる人々の心を癒し、幸せを届けてくれる、そんな特別な場所だと改めて実感しました。長野や山梨をドライブしていると、かなりの確率で出会えるハピドリ。青い看板を見つけたら、ぜひホッと一息ついてみませんか。
多くの旅が実現しますように。