【富山~福井】海あり温泉あり! 北陸新幹線延線の今こそ行きたい、ローカル線旅
愛読書は時刻表、旅色LIKESライターの鉄道旅担当・なおです。今回は富山から福井に向かってローカル線の旅に行ってきました。北陸新幹線が敦賀まで延伸開業したので、新幹線でいくのもいいですが、ゆっくり行く旅もまた楽しい。北陸新幹線延線をきっかけに発売された切符を使ったお得旅で、最後にプランも載せているので、参考にしてみてください。
目次
こんにちは、なおです。おトクな「北陸3県2Dayパス」を使って北陸を旅しています。今回、わたしは富山県射水市にある新町口駅という小さな駅に来ました。福井県の敦賀駅から高岡駅へ行き、さらにローカルな万葉線に乗ってこちらへ到着。ちょっと寄り道をしながら敦賀駅まで戻ってみたいと思います。「北陸3県2Dayパス」を使わない場所もご紹介していきますのでお楽しみに。これまでの、敦賀駅から新町口駅への旅の模様はこちら。
ノスタルジックな内川沿いの町並み
高岡駅から乗ってきたのはこちらの万葉線。高岡駅から越ノ潟駅までを結ぶローカル線で、「北陸3県2Dayパス」は使えません。高岡駅に近い場所では路面電車となっており、途中から専用軌道に入ります。高岡市はドラえもんの作者、藤子・F・不二雄さんの出身地ということもあり、ドラえもんのラッピング車両も走っていました。車内は、ドラえもんワールドが広がっていてワクワクする空間で、子どもが喜びそうです。
沿線には観光スポットがいくつかあるのですが、なかでもご紹介したかったのは「内川沿いの町並み」です。内川は富山湾のすぐ内側を流れる川で、漁船が係留されている風景はどこかノスタルジーを感じさせてくれます。
3.5キロメートルの短い川のなかに10以上の橋があり、どれもかなり個性的です。橋めぐりをするだけでも楽しい場所です。
実は前日入りし、日暮れ時の写真も収めてきました。橋や水面が街灯に照らしだされて夕方から夜の散歩も楽しい場所です。近くにはホテルもありますので、泊まりで夜の内川も散策してみてください。
◆内川の町並み
住所:富山県射水市港町~八幡町
電話番号:0766-84-4649(射水市観光協会)
アクセス:万葉線新町口駅から徒歩で約8分
立山連峰は見れなくても雨晴は美しい
新町口駅から万葉線に乗って高岡駅方面に戻り、米島口駅で降りました。ここからはバスに乗って氷見市の雨晴海岸に近い岩崎バス停に向かいます。なお、この行き方で行けるのは土日のみで、1日3本しかありません。遠回りになりますが高岡駅まで戻り、JR氷見線で雨晴駅まで向かうのが一般的です。
雨晴(あまはらし)海岸に着きました。天気はいいんですが雲が多め。以前冬に一度訪れたのですが、夏の方が多くの観光客で賑わっていました。あいにくの天気で女岩の向こうに見えるはずの立山連峰を拝むことはできませんでした。(前回来た時も見れなかったなぁ……)源義経が東北に向かう際にここで雨宿りをしたことからその名がついた「雨晴」。なんとも素敵なネーミングです。雨宿り海岸でなくてよかった。
◆雨晴海岸
住所:富山県高岡市太田雨晴
電話番号:0766-20-1547(高岡市観光協会)
アクセス:JR氷見線雨晴駅から徒歩約5分
国道沿いの「道の駅 雨晴」には展望台があって、国道と海の間を走るJR氷見線の姿を見ることができます。海の青とローカル列車の朱色のコントラストがいいですね。JR氷見線は将来的に、あいの風とやま鉄道に移管される予定になっています。2028年には車両の置き換えが予定されていますのでこの風景も間もなく見納めとなります。
道の駅 雨晴では、氷見市の特産品が販売されています。そのひとつ「氷見うどん」は石川県の「輪島のそうめん」にルーツを持ち、稲庭うどんに似た細めの麺で冷やしうどんに最適です。手軽に涼が取れるので暑い時期にはこういった食べ物がありがたいですね。わたしも自宅用に購入しました。
帰りは氷見線を使って帰るので雨晴駅に向かいます。海岸に沿って遊歩道があるので、海風を感じながら駅まで歩いていきましょう。立山連峰の姿を見られれば最高でしたが、そうでなくてもここから望む富山湾の景色は格別。歩いているだけで気持ちが落ち着いてきます。
◆道の駅 雨晴
住所:富山県高岡市太田24-74
電話番号:0766-53-5661
営業時間:9:00~17:00 ※季節によっては19:00まで
休業日:無休
アクセス:JR氷見線雨晴駅から徒歩約5分
↓JR氷見線を走る観光列車「べるもんた」の記事を書いておりますので、そちらもぜひご覧ください。
ドラえもんの故郷、高岡を訪ねる
雨晴駅から乗ったJR氷見線は高岡駅まで運行しています。そのまま終点まで乗ってもよかったのですが、せっかくなので寄り道することにしました。降りたのは越中中川駅。高岡駅の一つ手前で、高岡市役所や高岡城跡の最寄り駅です。駅舎は絵に彩られてカラフル。駅の近くにある高岡工芸高校の生徒がデザインしたものをもとに描かれています。
高岡工芸高校はドラえもんの作者、藤子・F・不二雄さんの出身校。これに隣接するように高岡市藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーがあります。
中の写真をお見せすることはできませんが、館内は藤子・F・不二雄さんの高岡時代の様子や初期の作品、ドラえもんミニムービーなどを見ることができます。世界でも愛されるドラえもんの生みの親の生涯を知ることができる、生誕地ならではのミュージアムです。
◆高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
住所:富山県高岡市中川1-1-30 高岡市美術館2F
電話番号:0766-20-1170
開館時間:9:30~17:00 (最終入館 16:30)
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日休館、12月29日~1月3日
料金:一般 500円、中高校生 300円、小学生・4歳以上 200円、3歳以下 無料
アクセス:万葉線志貴野中学校前駅から徒歩約10分、JR氷見線越中中川駅から徒歩約2分、富山駅行バス中川停留所から徒歩約2分
越中中川駅を発車する列車は約2時間ないので、約23分ほど歩いて高岡駅まで戻って来ました。歩くのが大変という方は徒歩約10分のところに万葉線志貴野小学校前駅がありますのでこちらを利用するといいでしょう。高岡駅の駅前にあるビル「ウイング・ウイング高岡」ではドラえもんたちがお出迎えをしてくれます。高岡は銅器の製造が盛んな鋳物の町。このドラえもんたちももちろん銅製です。
ちょうどお昼時だったので、高岡に来たときはよく立寄る「らぁめん次元」へ。ドラえもんの銅像の目の前にあります。名物は濃い口しょうゆベースの「富山ブラックラーメン」。20分以上炎天下を歩いてきて暑いラーメンを食べる気にはなりませんが、こちらには「冷やしブラックラーメン」があります。普通のラーメンだと冷やすと油分が浮いてしまいますが、そうならないよう工夫されているようです。醬油辛さも気にならず魚介風味の冷やしブラックラーメンをおいしくいただき疲労回復しました。
◆らぁめん次元
住所:富山県高岡市末広町1-8ウイングウイング高岡1F
電話番号: 0766-25-2598
開館時間: 火~土曜日・祝日・祝前 11:00~21:30 (L.O.21:00)、日曜日 11:00~18:00 (L.O.17:30)
休館日:月曜日 ※祝日の場合、前日の日曜日は21:30まで営業
アクセス:あいの風とやま鉄道高岡駅古城公園口より徒歩約2分
「北陸3県2Dayフリーパス」を使って一気に福井県の湯のまち芦原温泉へ
高岡駅からはあいの風とやま鉄道に乗って西に向かいます。「北陸3県2Dayフリーパス」がここで活躍します。(「北陸3県2Dayフリーパス」については、前回の記事をチェック!)
下車したのは芦原温泉駅。高岡駅からここまで直通する列車はなく、金沢駅で福井・敦賀駅方面の列車に乗り換えが必要です。
芦原温泉駅は、3月の北陸新幹線開業で新幹線停車駅になり大きくリニューアルしました。駅に隣接するAFLARE(アフレア)では羽二重餅などのお土産品や福井県北部の観光名所の案内がされていて、芦原温泉や東尋坊などに向かう観光の拠点として位置づけられているのがわかります。芦原温泉駅は温泉街からは離れているのでバスで移動するのがおすすめです。
◆AFLARE
住所:福井県あわら市春宮1-12-18
電話番号:0776-73-2270
営業時間:ふくいミゅ〜ジアム 9:00〜19:00、観光案内所(おしえる座ぁ)8:30〜17:15、いろはゆAWARA 8:00〜21:30(LO20:30)
休館日:年中無休
アクセス:JR北陸新幹線・ハピライン芦原温泉駅隣接
芦原温泉駅から、温泉街のある「あわら湯のまち」へはバスで約16分。「あわら湯のまち」はえちぜん鉄道の駅で、福井駅からならえちぜん鉄道からのアクセスが便利です。
駅のすぐ近くに立派な足湯施設があります。その名も足湯ならぬ「芦湯」。大正風のモダンな総ヒノキ造りの建物でかなり立派な仕様ですがなんと無料で利用できます。芦原温泉に来たらまずここで足を休めるのがおススメです。
◆あわら温泉「芦湯」
住所:福井県あわら市温泉1-203 あわら温泉湯のまち広場内
電話番号:0776-78-6767(あわら市観光協会 )
営業時間:7:00~23:00
営業日:年中無休
アクセス:えちぜん鉄道あわら湯のまち駅から徒歩約2分
温泉街には大規模な旅館がいくつもあり、宿泊してまったりしたい気分でしたが、あいにく普通の日曜日……。明日は仕事をしなければいけません。日帰り温泉施設も充実しているので「セントピアあわら」に立ち寄りました。海水浴場が近くにあるようで、海水浴帰りの観光客で賑わっていました。お風呂でさっぱりしたあとは芦原特産のトマトを使った「トマトソフト」でさらにさっぱりとします。
◆セントピアあわら
住所:福井県あわら市温泉4丁目305
電話番号:0776-78-4126
営業時間:10:0~23:00
休館日:毎月第3火曜日
入浴料:高校生以上 600円、小中学生 360円、3歳以上幼児 240円
アクセス:えちぜん鉄道あわら湯のまち駅より徒歩約3分
今回は行きませんでしたが、芦原温泉駅、あわら湯のまち駅からは断崖絶壁で有名な東尋坊行きのバスも出ています。芦原温泉の湯を楽しみつつこちらに立ち寄って地形の美を楽しむのもいいと思います。
おわりに
バスで芦原温泉駅まで戻ったあとは再びハピラインに乗って福井駅経由で敦賀駅まで戻りました。ローカル線やバスに乗りながら、北陸の海や温泉を十分楽しめました。新幹線を使えばより効率的に動くことができ、もっとゆっくり目的地で時間が取れたかもしれませんが、ゆっくり移動することも旅の醍醐味のひとつだと思えばそれもまた楽しいものです。「北陸3県2Dayきっぷ」はこの秋も販売中です。秋の行楽にもぜひ活用いただき、北陸の旅を楽しんでいただきたいと思います。