【淡路島】「禅坊 靖寧(ぜんぼうせいねい)」で体験する1泊2日の天空リトリート
旅色LIKESライター・トレンド旅担当のおんりです。2022年淡路島にオープンした「禅坊 靖寧」は、リトリート(日常生活から離れ、リフレッシュする時間を持つことで心身ともにリセットすること)ができる人気施設です。そこで行われた特別イベント「四角 大輔 あたらしい贅沢〜静寂のつくり方〜」に参加してきました。360度自然に囲まれた贅沢な空間で、五感を研ぎ澄まし体験するプログラムは、まさにプライスレス! 日常の喧噪を離れ、自分自身を静かに内観する2日間となりました。
目次
天空のリトリート施設で大自然とつながる体験を
「禅坊 靖寧」は淡路島の森の中にあり、1階に宿泊施設、2階には全長約100メートルのウッドデッキがあります。無駄をそぎ落とした大胆なデザインは、周囲の自然と違和感なく溶け込み、佇まいの美しさにため息がでるほど。日常の喧噪から離れ、リフレッシュするにはぴったりの環境です。
建物の約80パーセントが日本杉でできており、歩いているとふんわりと木の香りが漂ってきます。禅坊ということで、トイレ、シャワールーム、パウダールームは共用。ベッドメーキングも自分たちで行います。お部屋は「起きて半畳、寝て一畳」の精神に基づき、必要十分の広さのみです。とはいえ、片側が全面窓ガラスで、木のぬくもりに包まれた空間は、圧迫感なく過ごすことができます。お部屋の名前には、「知足(ちそく)」「色即是空(しきそくぜくう)」「円相(えんそう)」といった禅語※がつけられており、どのお部屋に泊まるのかはその日のご縁次第です。
※禅の精神にまつわる言葉
Day1 五感を研ぎ澄まし、心の声を聴く
今回の特別イベントは、ニュージーランドでサステナブルな自給自足生活を送る四角大輔さんと、3人の講師陣によるオリジナルプログラムで開催されました。講話あり、ヨガ、瞑想あり、お茶についてのワークショップありと内容は盛りだくさん! ノイズレスな空間で、自分自身を内観していきます。
2階はオープンエアーのため、8月は暑さとの戦いでした。それでもデッキからの素晴らしい眺めと、時折吹き抜ける風の心地よさに、不思議とリラックスできてしまいます。
プログラムは陽が落ちてからも続きます。日中は蝉の声がメインでしたが、夕暮れ時にはヒグラシの声に変わり、キャンドル瞑想をする頃にはすっかり虫の音だけに。音や風や空の色が、1日のうちにこんなにも変化することに改めて驚かされます。
禅坊料理を楽しむ
提供される禅坊料理には、①動物性の食材を使用しない➁砂糖を使わず、味醂や甘酒で甘みをつける③小麦粉を使用しない④油を使用しない⑤伝統的な製法で作られた調味料を使用する、という特徴があります。薄味なのかと思いきや、素材の味がしっかりと引き出されていて、食材が持つエネルギーを余すことなくいただけます。満腹になるまで食べても胃がもたれることはありません。シェフから献立の説明を聞いた後は、どこで食事をしてもオッケー。2階のウッドデッキでいただけば、ちょっとしたピクニック気分が楽しめます。
Day2 今この瞬間に集中し、思考をなくす
「禅坊 靖寧」では、目覚ましのアラームは禁止です。鐘の音で起床しますが、ほとんどの人が自然に目が覚めるそう。2日目の朝は、瞑想、ヨガ、講話、おつとめ(掃除)から始まります。長いデッキをぞうきんがけするのは小学生ぶりかも!? 童心に返って全力ダッシュしたあとは、みんな自然と笑顔になっていました。清々しい朝の時間を過ごして、お腹が減ってきたところで待ちに待った朝食タイムです。
プログラムの最後を締めくくるのは「ZEN茶」。絶景のテラスで、本格的なお点前を頂戴するのは至福の時間です。聴こえてくるのは、鳥の声と蝉の声、そしてお茶を点てる茶筅(ちゃせん)※1 の音だけ。お抹茶は希少なオーガニックの宇治茶で、シングルオリジン※2 のもの。普段いただく抹茶より、爽やかで軽い口当たりでした。
※1 抹茶を混ぜるのに使用する茶道具
※2 特定の地域のみで栽培されたもの。ブレンドしたものに比べ、その土地の特徴が際立つ
おわりに
1泊2日のリトリートプログラムで、四角大輔さんが繰り返し言っていたのは、「自分のなかの違和感を大切にすること」、「答えは外側ではなく、自分の内側にある」ということでした。自分のなかの違和感や心の声はとても小さくぼんやりとしているため、時間や心に余裕がない状態では気づくのが難しいかもしれません。そんなときは「禅坊 靖寧」で、自分をニュートラルな状態にしてみるのはいかがでしょう。裸足でウッドデッキを歩き、自然界の音を聴きながらプログラムに集中していると、いつの間にか頭の中がクリアになっているのを感じるはずです。情報過多な日常から離れ、そっと自分を内観する禅リトリート。いつも頑張っている自分へ、「何も考えない旅」をご褒美にするのもいいものですよ。