子どものころに見つけた“涼”を感じる場所で魅力を再発見。 秋芳洞と長門湯本温泉を巡るノスタルジーな旅
「ちゃんと旅を考えると、旅はたのしくなる」をモットーに旅する美娜です。連日のうだるような暑さに夏バテ寸前……。そこで数十年前、子どものころに家族で行って涼しかった記憶のある山口県美祢市と長門市へ行ってきました。大人になってから同じルートを辿ると、感じ方が変わることに気づいた「ちゃん旅」スタートです!
目次
自然が作り出した快適な場所「秋芳洞」の神秘的な世界を探検
山口県美祢市(みねし)にある秋芳洞(あきよしどう)は、約3億年以上前に作り出された日本屈指の大鍾乳洞です。秋吉台国定公園の地下約100メートルにあり、特別天然記念物に指定されています。以前は「滝穴」と呼ばれ、神々の住む神聖な場所として誰も近寄らない場所でした。明治時代以降に洞窟の解明が進み、整備が進むと、多くの観光客が訪れるように。1926年、昭和天皇が訪問された際に「秋芳洞」と命名されました。今では山口県を代表する景勝地となっています。
洞内は約1キロメートルある観光コースになっていて、自然の壮大さと造形美に圧倒されます。訪れた日は雨が降っていてふんわりと霧がかかり、幻想的な雰囲気でした。
鍾乳洞から入って11メートルほど歩いたところにある「百枚皿」。水に溶けた石灰分が沈殿して、皿のような形が段々畑のように広がっています。500枚以上の皿から形成された景色は実に見事です。長い年月をかけた地球の歴史を感じられます。天井からしたたる水分には石灰分が含まれ、これによって徐々につららのようなものが形成されます。つららが長い時間をかけ、天井と地上をつなぎ、独特の自然美を作り出しているのです。足元が悪く、滑りやすいので必ずスニーカーなどの歩きやすい靴でおでかけください。
◆特別天然記念物 秋芳洞
住所:山口県美祢市秋芳町秋吉3449番地1
電話:0837-62-0115
営業時間:3月~11月 8:30~17:30(閉洞18:30)、12~2月 8:30~16:30(閉洞17:30) ※黒谷入口 ・エレベーター入口からは16:30まで
定休日:年中無休
入洞料:小学生 700円、中学生 1,050円、大人・高校生 1,300円
人気の道の駅「センザキッチン」
秋芳洞から車で約30分走ると仙崎港の新鮮な食材が並ぶ「道の駅センザキッチン」に到着。海を見渡せる場所にあり、地元の方からも大人気です。
レストランも充実していますが、館内で購入した食材は、バーベキューハウスで自分で焼いて食べることも! 新鮮な魚介類や地元野菜、スイーツまで胃袋をつかまれること間違いなしです。長門市にきたらぜひ立ち寄ってほしい場所!
◆道の駅センザキッチン
住所:山口県長門市先嵜297-1
電話:0837-27-0300
営業時間:9:00~18:00 ※店舗により異なる
定休日:第2木曜日(8月、祝日は除く)、元旦
長門湯本温泉で癒しの時間を
長門湯本温泉は600年の歴史がある温泉街。 街中の幻想的なライトアップをはじめ、音信川(おとずれかわ)沿いにテラスや立ち寄り湯などが並ぶので、夏の間は夕暮れ時からお散歩するのがおすすめで、ゆっくりとした時間の流れに癒されます。奈良時代には、唐渡口(とうどぐち)に楊貴妃が流れついたとされる場所で、この地で楊貴妃は亡くなったという伝説が残っているそうです。
今回宿泊した「楊貴妃浪漫の宿玉仙閣」では、楊貴妃が入浴を楽しんだといわれる風呂や玉座、大理石の階段や地下から噴き出す温泉もそのまま再現されています。「楊貴妃のお風呂」は深さはなんと約120センチメートル、立ったままお湯につかり、歩行も可能です。部屋はステップフロアタイプの木のぬくもり感じる、シンプルでスタイリッシュなつくり。朝食は部屋で焼きたてのベーグルとクロワッサンをいただきました。
◆楊貴妃ロマンの宿 玉仙閣
住所:長門市深川湯本1234
電話:0837-25-3731
おわりに
連日のうだるような暑さから逃れるように、涼と癒しを求めに旅に行きました。子どものころに連れて行ってもらって、ところどころ記憶はあるものの、景色や道などは全く覚えていませんでした。それでも「行ったことがある」という記憶だけで、ノスタルジックを感じる旅になりました。まさに「旅は生き物」、時間がたてば同じ場所でも違うものです。懐かしさを感じることは、ストレス軽減に繋がると近年わかってきました。時間がたてば同じ場所でも感じ方も異なり、新たな発見も多くありました。毎日大量の情報に接している今、たまには思い出の地に出かけ、心に栄養を与えてみてはいかがでしょうか。今度はどこに旅に行こうかな。