【球場は今年で100周年!】野球ファンでなくてもグッとくる!球児たちの熱い夏を知る、兵庫の 「甲子園歴史館」
各地の歴史やルーツを知る旅が好きな旅色LIKESライターの長月あきです。夏の風物詩といえば全国高等学校野球選手権大会、通称「夏の甲子園」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。今年も全国各地で甲子園の舞台を目指す高校生たちの熱い戦いが始まっています。今回は、そんな時期にぴったりな「阪神甲子園球場」の歴史を知る「甲子園歴史館」を訪れました。ほかにもスタジアムツアーや、周辺の見どころをご紹介します。私のような、熱烈な野球ファンでないという方も、十分楽しめるスポットです。
目次
開場100周年! 高校野球の聖地「阪神甲子園球場」とは
兵庫県西宮市(にしのみやし)にある阪神甲子園球場は、2024年8月1日で開場100周年を迎えます。現存している球場の中では日本最古であり、元々は球技場や陸上競技場を兼ねた大運動場としてオープン。開場以来、夏の甲子園と選抜高等学校野球大会(春の甲子園)の2大高校野球全国大会の試合会場となっています。また、阪神タイガースの本拠地としても有名です。その球場内にある「甲子園歴史館」は、高校野球や阪神甲子園球場の歴史を展示品やパネル、映像で紹介しているほか、「ドラフト体験コーナー」など、野球に詳しくない人でも楽しめる施設なんです。
野球初心者でも楽しめる 「甲子園歴史館」を見学
「甲子園歴史館」は、高校野球や阪神甲子園球場の歴史を後世に伝えるミュージアムで、球場南側にある「甲子園PLUS」という商業施設の2階部分内の「PLUSエリア」と、球場内にある「球場エリア」の2カ所に展示スペースがあります。
「PLUSエリア」では、阪神タイガースに関する展示がメイン。迫力のある映像や、工夫された展示で、写真撮影はできるのですが、インターネットやSNSでの公開は、一部のコーナーを除き禁止されています。優勝年の様々な品を展示しているコーナーや、球団の歴史を、各時代の選手の写真や映像でわかりやすく展示しているコーナー、名場面シアター等々、たくさんの展示物に加え、ドラフト体験ができるコーナーや、実際にタイガースの選手が使用した野球道具に触れられるコーナーなどがありました。
「甲子園PLUS」を出てデッキを渡り「球場エリア」へ。こちらは高校野球に関する展示がメインです。このエリアも写真撮影はできますが、インターネットやSNSに公開できるのはごく一部だけです。入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、壁一面のボールウォール! 4,253個のボールは、日本高等学校野球連盟の最大加盟校数(2005年時)を表しているそうで、思わずわたしも、戦後まもない時期に一度だけ甲子園に出場したことがあると聞いていた母校の名前を探してしまいました。ほかには高校野球の草創期から最近までの歴史を物語るさまざまな展示や、高校野球の名シーンの映像など、充実した展示内容です。過去の甲子園の名場面映像はついつい見入ってしまいます……。また、高校野球の長い歴史の中で、戦争の影響を受けざるを得なかった球児達のパネル解説には、ぐっとくるものがありました。戦時中、甲子園大会は中断されています。野球を奪われ、出征を余儀なくされた高校球児(プロ野球選手も同じですが)がいたことを、後世に語り継ぐ展示は、100年間決して順風満帆ではなかった球場の歴史を物語っています。
さらに、スコアボードの真下に入りバックスクリーンからグラウンドを見学することもできます。100年もの間、この球場で野球が行われ、それを応援する観客がいつづけたんだなあ……。
一通り見学した後は、「甲子園PLUS」内のベーカリーカフェ「リトルマーメイド甲子園プラス店」で一息。色々な種類のパンが並んでいましたが、せっかくなのでこのお店限定の「甲子園あんぱん」をアイスティーと一緒にいただきました。歴史館のチケットを見せると10%オフになりますよ。
◆リトルマーメイド甲子園プラス店
住所:兵庫県西宮市甲子園町8-15 甲子園プラス2階
電話番号:0798-40-5505
営業時間:8:00~20:00
※年末年始など時期により変動有
監督や選手の気分になれるスタジアムツアーへ
「甲子園歴史館」では、甲子園球場の中をツアーガイドによる解説付きで見学できるスタジアムツアーも行っています。原則、公式ホームページからの事前予約・決済が必要ですが、空きがある場合のみ当日受付が可能です。わたしは運良く空きがあったため当日受付で参加できましたが、人気のツアーなので確実に参加したいなら、事前購入がおすすめ。今回は、選手のロッカーやインタビュースペース、スタンドなどを周る「スタジアム見学コース」に参加。ほかにも、球場内を見学した後に試合前のグラウンドでの打撃練習を見学できる「タイガースコース(スタジアム見学付き)」や、タイガースOBの解説を聞きながら試合前のグラウンドでの打撃練習を見学できる「タイガースコース(OB解説付き)」など、さまざななコースが用意されています。
ツアー開始前に手渡される甲子園球場オリジナルチケットホルダーはお持ち帰り可能。阪神ファンでない方も後から使えるように(?)阪神タイガースの文字は入れてないのだとか。
「甲子園」の名前の由来の説明からスタートしたツアーは、途中、ところどころで写真撮影の時間を設けてくれたり、その日見学できない場所は写真パネルを見せてくれたりします。さらに、甲子園の試合終了後に監督や選手がインタビューを受けているインタビュースペースも歩くことができました。この夏にテレビで監督・選手のインタビューを見るのがなんとなく楽しみです。
なお、2024年12月末までに「甲子園歴史館」に入館するかスタジアムツアーに参加すると、100周年記念品がプレゼントされます。配布内容は時期によって変わるようで、4月~6月頃はアクリルキーホルダーが配布されました。このキーホルダーはコロナ禍に甲子園球場で使用していたアクリル板をアップサイクル(※)して製造したものだそう。100周年記念のイベントやグルメ、コラボ商品など、今年は色々と企画されているので、WEBサイトでチェックしてみてくださいね。
※アップサイクル:本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること。
◆甲子園歴史館
住所:兵庫県西宮市甲子園町8-15 甲子園プラス2F 甲子園歴史館
電話番号:0798-49-4509
営業時間:10:00~18:00(11月~2月は10:00~17:00)
※デーゲーム開催日は9:00~18:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで
※催し物により変動
休館日:月曜日(試合開催日、祝日を除く)、年末年始
※上記の他、館内メンテナンス等のため臨時休館日あり
料金:<入館料>大人900円、高校生700円、子ども(4歳~中学生)500円、<スタジアム見学コース>大人2,000円、高校生1,800円、子ども(4歳~中学生)1,400円
球場外周にも見どころが!
スタジアムツアーの後、球場の周りをぐるりと一周してみると、外周にも見どころがありました。例えば、バックスクリーン側の床面に敷き詰められた高校野球の歴代優勝校やファンの名前などが刻まれたレンガ、春夏の高校野球第1回大会からの優勝校が刻印された銘板、さまざまな記念レリーフやモニュメントなど、甲子園球場にちなんだものがいくつも! 野球の試合がなくても、球場を見て周るだけでいろいろな発見があって楽しい。
球場外周にあるラーメン店「ストライク軒 阪神甲子園球場店」は試合のない日も営業しているそう。メニューは「ストレート(中華そば)」、「カーブ(宇和島チャンポン)」、「代打の塩(塩ラーメン)」など野球にちなんだネーミングになっています。甲子園歴史館のチケットを見せると、味玉かから揚げをサービスしてもらえますよ。
甲子園球場のライトスタンド側場外に隣接する甲子園素盞嗚神社(こうしえんすさのおじんじゃ)は、創建年代は明らかではないですが、少なくとも300年以上の歴史を持つとされる由緒ある神社です。小さな神社ですが、野球関係の必勝祈願をしに多くの方が訪れるそう。野球ボールやタイガースにちなんだ虎のおみくじがかわいい! ほかにも、御朱印や絵馬も野球にちなんだものになっています。
◆阪神甲子園球場
住所:兵庫県西宮市甲子園町1番82号
電話番号:0798-47-1041 (代表)
◆ストライク軒 阪神甲子園球場店
住所:兵庫県西宮市甲子園町1-82 阪神甲子園球場 外周16号門横
営業時間:通常営業日11:00~18:00、試合・イベント営業日11:00~21:00、デーゲーム営業日11:00~18:30、高校野球営業日(開門予定時刻)11:00~18:00
定休日:月曜日 ※試合・イベント開催日および祝日の月曜日は営業。その場合は試合・イベントのない翌平日が休み
◆甲子園素盞嗚神社
住所:兵庫県西宮市甲子園町2-40
おわりに
はじめての甲子園球場は、甲子園歴史館やスタジアムツアーなど、野球に全く詳しくないわたしでも、球場の100年の歴史を体感でき、その深さに触れ、楽しむことができるスポットでした。次はこの球場でタイガースの試合や高校野球を見てみたい! 母校が出場することがあったらいいなぁ……。野球ファンでなくても、色んな年齢層の方が楽しめる空間ですので、ぜひ一度甲子園球場に足を運んでみてはいかがでしょうか。夏の甲子園大会がさらに面白くなるかもしれません。