江戸の娯楽を味わおう! 東京湾の伝統漁法「すだて遊び」は家族の団結がカギ⁉

親子旅を楽しむ旅色LIKESライターのトシです。今回は、東京湾で体験できる「すだて遊び」をご紹介します。すだて遊びは、大人も子どもも簡単に海の魚を捕まえることができるうえ、捕まえた魚をその場で捌いてもらって船上料理でいただくこともできます。運がよければ鯛や蟹もゲットできるかも⁉ 春から夏にかけて期間限定で貴重な体験ができます。昨年体験したときの様子をご紹介します。
目次
潮の満ち引きを利用した伝統漁法「すだて漁」

江戸時代から続く漁法で、千葉では大正時代に広まったそう
すだて漁は、遠浅の沖合に定置網を仕掛け、干潮時に迷い込んだ魚を捕まえる東京湾の伝統的な漁法です。春から夏にかけて「すだて遊び」として体験することができ、捕れる魚はカレイ・タイ・フグ・アナゴ・イカ・エビ・カニなど、時期によって少しずつ変わります。
木更津の乗船場で屋形船に乗って東京湾へ

現在この伝統漁法を体験できるのは千葉県木更津市のみ
6時半の集合時間に合わせて少し早起きして、千葉県木更津市の「網元 つぼや」へ。早朝でアクアラインの混雑もなく都心から車でわずか30分ほどで到着しました。
魚を捕るための“たも網”や“網袋”などは無料で貸りられるので、タオルと飲み物をもって船内へ。クーラーボックスを持参すれば捕った魚を持ち帰ることが可能です。
7:00頃全員が船に乗り込んだのを確認し、いざ出発! 船上から眺める東京湾は、初めてのすだて遊びへの期待からか、いつもより輝いて見えました。心地のいい風を肌で感じながら進むこと約15分、すだて設置エリアに到着です。
漁師気分の子どもたちが大はしゃぎ!

到着しても、潮が引いて子どもたちが立てるくらいの浅瀬になるまでは船上で待機。船長が安全確認した後、船から降りて設置エリアまで歩いて向かいます。船で進んできたのに、海で立つことができたことに不思議そうにしていました。
すだてのなかには小さな魚から大きな魚まで、さまざまな魚が泳いでいて、大人も子どもも大興奮! よく見ると足元にはワタリガニやシタビラメの姿も。娘はあまりの魚の多さに少し怖がっていましたが、足元に流れてくる大きなワカメや貝を見つけて喜んでいました。

途中船に戻って休憩することもできますが海を歩き回っていると疲れてくるため、浮き輪があると安心。
最初は素早くかわされて逃げられていたものの、隅に追い込むと捕まえやすいことが分かってからは良いペースで捕まえることができました。気づけば、恐る恐るだった子どもたちが「自分が大きいのを釣ってやる!」と、夢中で魚を探し回っています。周囲の子どもたちと協力して魚を追い込んだり、素潜りをして海底を歩くカニを探したりと大忙しです。
魚を捕まえるたびに「捕まえた!これはなんていう魚?」と船長に質問していて、自分の網袋に入れては嬉しそうに眺めていました。
すだて遊びのクライマックスは、ここまでに解放されていない一番奥の魚が密集している場所へ。目を輝かせながら無我夢中で魚を追いかけていました。
捕まえた魚をその場で捌いて食べる船上ランチ

船に戻ると昼食の時間です。今回は揚げたてのあなご天弁当とアサリの味噌汁でした。捕まえたばかりの新鮮な魚もその場で捌いてお刺身として振舞っていただけます。東京湾を見渡しながら頂く船上料理は格別でした。
昼食を食べ終わった頃には潮が満ちていて、そのまま船で乗船場に戻ります。水上で目一杯遊んで沢山食べた子どもは力尽きて爆睡でした。
さいごに
帰宅後、持ち帰った魚を子どもたちと一緒に図鑑で調べてみると、今回我が家が捕まえたのはアジ・シタビラメ・フグ・ギマ・ウミタナゴ・イカ・ワタリガニの7種類でした。子どもたちも魚の生態に興味を持ったようで、また行きたい! と言っていました。普段、生きている魚に触れる機会が少ないため、私自身も忘れられない夏の思い出になりました。
すだて遊びは、未就学児も参加OK! 春から夏にかけて体験することができるので、思い出作りだけでなく、夏休みの自由研究にもおすすめです。
◆網元 つぼや
住所:千葉県木更津市中島2050
電話: 0438-41-0600
料金:[乗合料金/お弁当付]平日 大人7,500円 小学生以下4,000円、3歳以下無料、土日祝 大人8,500円 小学生以下4,500円、3歳以下無料[仕立船30名/お弁当付]平日187,000円、土日祝220,000円
駐車場:無料
すだて遊び開催期間:~8月29日 ※潮が退く日時のみ実施