【倉方俊輔の建築旅】今年初開催! 公開建築やオリジナルツアーなど、「東京建築祭」の見どころをご紹介

東京都

2024.04.22

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【倉方俊輔の建築旅】今年初開催! 公開建築やオリジナルツアーなど、「東京建築祭」の見どころをご紹介

東京で建築を身近にするイベント「東京建築祭」がスタートします。1回目となる今年は、5月25日(土)・26日(日)を中心に開催。通常未公開部分を見学できたり、今回のイベントに合わせて文筆家の甲斐みのりさんに企画してもらったガイドツアーを巡ったり、充実したイベント内容となっています。実行委員長を務める立場から、とっておきの見どころをお伝えします。

目次

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ガイドツアーが充実 2024年初開催の東京建築祭とは(5月18日~24日)

名建築で昼食を「銀座ライオンビル」

約100年の歴史を伝える「東京會舘」

国の重要文化財でもある百貨店「日本橋三越本店」

中世ヨーロッパを思わせる外観が特徴「丸石ビルディング」

緻密な構造に目を奪われる現代建築「東京国際フォーラム」

日本一の高さを誇る木造と鉄骨造のハイブリッド建築「銀座髙木ビル」

東京の過去~未来を感じる兜町(かぶとちょう)を見学

未来の東京のランドマーク「TOKYO TORCH」

無料・申込不要の建物も多数

おわりに

ガイドツアーが充実 2024年初開催の東京建築祭とは(5月18日~24日)

「東京建築祭」とは2024年、東京で初めて開かれる大規模な建築公開イベントのこと。5月25日(土)と26日(日)がメインの開催日です。5月18日(土)〜24日(金)の期間も含め、全部で40コース以上のこれまでにないガイドツアー(原則有料・要申込)が実施されます。まずはその一部をご紹介しましょう。

「東京建築祭」を準備するうえで大切にしたのは、建築を通じてひとに出会うこと。そのため、建築の所有者や設計者、愛好者など多くの方々に、ガイドツアーを開催していただきます。そして、建築を愛し、そこから物語を紡ぎ出す文筆家・甲斐みのりさんもガイドとして参加することに。彼女と一緒に建築物を巡ると、目に映るものが一変するでしょう。甲斐みのりさんには全部で3コースのガイドツアーを企画してもらいました。

名建築で昼食を「銀座ライオンビル」

銀座ライオンビル

ライト式とは、屋根を低く抑えるなど水平を強調したデザインが特徴的な、自然との融合が美しい建築スタイル

昭和初期に姿を見せた「銀座ライオンビル」を紹介。幾何学的に構成されているライト式の意匠が目を引く建築です。2020年に放送されたテレビドラマ「名建築で昼食を」(BSテレ東)で話題を呼んだ空間を、ドラマの原案者である甲斐みのりさんが案内します。

銀座ライオンビル

6階のクラシックホール

6階のクラシックホールで、微細な装飾に込められたメッセージをひも解いた後は、ドラマにも登場したナポリタンなど、「東京建築祭」のための特別ランチプレートをいただきます。

◆銀座ライオンビル
住所:東京都中央区銀座7丁目9-20

約100年の歴史を伝える「東京會舘」

「東京會舘」

シャンデリアは大正時代からあるもの

「東京會舘」

モザイク壁画は芸術家の猪熊弦一郎さんによる制作

大正時代から受け継がれるシャンデリア、メインバーの大時計、画家・猪熊弦一郎さんの壁画作品など、数々の名品が見られる「東京會舘」。甲斐みのりさんによるガイドツアーでは、皇族や国賓を迎える貴賓室などを堪能し、最後は「東京會舘」を代表する伝統のスイーツ「マロンシャンテリー」でティータイムを過ごします。ここが“社交の殿堂”と言われる理由が楽しく分かる特別な見学です。

◆東京會舘
住所:東京都千代田区丸の内3-2-1

国の重要文化財でもある百貨店「日本橋三越本店」

「日本橋三越本店」

彫刻家・佐藤玄々さんとその弟子らによって作られた「天女(まごころ)像」

「日本橋三越本店」

「日本橋三越本店」外観

「日本橋三越本店」は、国の重要文化財に指定されている希少な百貨店。荘厳なステンドグラスから、彫刻家・佐藤玄々さんとその弟子らによって作られた「天女(まごころ)像」、建築家・隈研吾さんが「白く輝く森」をコンセプトにリニューアルした本館1階の売り場まで、見どころが詰まった百貨店です。こちらでも、甲斐みのりさんによる特別ガイドを楽しめます。100年近い歴史を全身で味わって、最後に特別食堂で「日本初のお子様ランチ」を食べられる、ほかではなかなか味わえないツアーです。

◆日本橋三越本店
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1
電話番号:03-3241-3311

中世ヨーロッパを思わせる外観が特徴「丸石ビルディング」

「丸石ビルディング」外観

ロマネスク様式とは、石造りの壁や開口部の上部に半円アーチを取り入れるなどが特徴で、宗教建築物に多く見られるスタイル

10世紀末から12世紀にかけて、ヨーロッパ各地で展開したロマネスク様式。「丸石ビルディング」はロマネスク様式にならい、昭和初期に建てられました。玄関脇にたたずむライオン像が愛らしいです。今年は歴史的な建築の一つとして、特別に開けていただけることに。ガイドツアーでは、普段は見ることのできない貴重な建築内部を、創建時からの所有者である太洋商会の担当者と巡ります。

◆丸石ビルディング
住所:東京都千代田区鍛冶町1-10-4

緻密な構造に目を奪われる現代建築「東京国際フォーラム」

「東京国際フォーラム」外観

「東京国際フォーラム」外観

現代建築の魅力にも光を当てます。日本最大級の音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」の開催でも知られる「東京国際フォーラム」は、世界的な建築家・ラファエル・ヴィニオリの代表作です。

ガイドツアーでは精緻な構造体を間近に見られる

ガイドツアーでは精緻な構造体を間近に見られる

ガイドツアーでは特別に屋上まで上がり、白く輝く精緻な構造体を間近で鑑賞します。他にも普段は立ち入れない場所に潜入し、この建築の美しさと、地域と地球を深く考えた強さを再発見します。

◆東京国際フォーラム
住所:東京都千代田区丸の内3丁目5番1号
電話番号:03-5221-9000

日本一の高さを誇る木造と鉄骨造のハイブリッド建築「銀座髙木ビル」

「銀座髙木ビル」

木造部分の高さが日本一の「銀座髙木ビル」

最新の建築も「東京建築祭」では扱います。例えば、2023年に完成した「銀座髙木ビル」。木造部分の高さで言えば、日本一の木造建築です。

「銀座髙木ビル」

屋上にあるベンチの間接照明が美しい

ガイドツアーをご案内するのは、設計を行った建築家である山路哲生さん、梶並直貴さん(山路哲生建築設計事務所)。最上部のインフィニティテラスから銀座の街並みを一望し、隠れ家フレンチのランチコースをいただく特別な時間です。

◆銀座髙木ビル
住所:東京都中央区銀座7丁目3-6

東京の過去~未来を感じる兜町(かぶとちょう)を見学

ホテル「K5」

ガイドツアーで特別に入れるホテル「K5」の内部

兜町第7平和ビル

ライフスタイルショップや花屋、ベーカリーなどが入る複合施設「兜町第7平和ビル」

昭和初期に建てられた「日証館」

昭和初期に建てられた「日証館」

兜町のガイドツアーではかつて「第一銀行附属新館」だった建物が生まれ変わった複合施設「K5」のホテル内部を特別見学。1階に入っているカフェなどは通常もオープンしていますが、ホテルを見学できるのは「東京建築祭」ならでは。ほかには、新一万円札で話題の渋沢栄一邸跡に建った昭和初期の名建築「日証館」、元銀行を複合施設へとリノベーションした「兜町第7平和ビル」を、兜町のさまざまな建築を手がけたSPEAC設計チームとめぐります。「今、兜町がおもしろい!」 という声が増えている理由に納得いただけるのではないでしょうか。

◆K5
住所:東京都中央区日本橋兜町3-5
電話番号:03-5962-3485

◆日証館
住所:東京都中央区日本橋兜町1-1

◆兜町第7平和ビル
住所:東京都中央区日本橋兜町6-7

未来の東京のランドマーク「TOKYO TORCH」

2028年にエリアが完成する「TOKYO TORCH」

完成すれば高さ390mになる

完成すれば高さ390mになる

東京の玄関口・大手町エリアに、新たなシンボルとなる「TOKYO TORCH」が誕生します。ガイドツアーでは、2028年のエリア完成から、建築デザイン、環境デザインまで、日本一の超々高層の開発プロジェクトに、三菱地所設計の設計者とともに迫ります。東京の過去だけではなく、未来を垣間見られるのは、このイベントならでは。こちらもぜひお越しください。

◆TOKYO TORCH
住所:東京都千代田区大手町2丁目6番4号

無料・申込不要の建物も多数

無料公開で見られる「堀ビル」

無料公開で見られる「堀ビル」

無料公開で見られる「SHUTL」

無料公開で見られる「SHUTL」

無料公開で見られる「安井建築設計事務所 東京事務所」

無料公開で見られる「安井建築設計事務所 東京事務所」

「東京建築祭」は原則有料のイベントですが、会期中、無料・申込不要で見られる特別公開も実施します。今年は堀ビル(港区)、築地本願寺(中央区)、日証館(中央区)、アートスペースのSHUTL(シャトル、中央区)、安井建築設計事務所 東京事務所(千代田区)など全16件。これらも詳細を公式サイトで確認し、特別に建築に入れる機会を満喫ください。

ここまで書いてきたガイドツアーも、全体のほんの一握り。全貌は公式サイトをご参照ください。ガイドツアーの申込みは4月26日(金)の23:59まで。先着順ではなく、申込多数の場合は抽選制です。慌てる必要はありませんが、締切日はお忘れなく。

おわりに

東京建築祭は2024年を皮切りに、今後毎年開催する予定です。今年は日本橋・京橋、丸の内・大手町・有楽町、銀座・築地エリアが中心。歴史的な建築も現代建築も含まれる、多彩なエリアを最初に選びました。来年も開催する基盤が整えば、さらに規模を拡大し、建築の楽しみを増やしたいと考えています。

「東京建築祭」を皆さまに支えていただけるよう、クラウドファンディングを5月8日(水)まで実施。日本橋の三越劇場で5月20日(月)に催されるキックオフイベントへのご招待、建築家・藤本壮介さんのオリジナルスケッチによる「東京建築祭2024応援トートバッグ」など、今年だけの記念になるものでお応えします。クラウドファンディングのサイトをご覧ください。

「東京建築祭」は、民間から始まって、無料公開も含む、これまで全国で例のない建築イベント。「こんな建築の祭典があったらいいね!」と感じてくれる、皆さまの支援が頼りです。ぜひ新たな視点で、東京の街を歩いてみてください。

「東京建築祭」公式HPはこちら
「東京建築祭」を応援するクラウドファンディングはこちら

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#銀座 #有楽町 #日本橋 #丸の内 #建築旅 #東京建築旅 #大手町

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建築史家 倉方俊輔

建築史家

倉方俊輔

1971年東京都生まれ。大阪公立大学教授。日本近現代の建築史の研究と並行して、建築の価値を社会に広く伝える活動を行なっている。著書に『京都 近現代建築ものがたり』(平凡社新書)、『東京レトロ建築さんぽ』(エクスナレッジ)など。Peatix「Kurakata Online」や「NHK文化センター」で、建築の見かたをやさしく学ベるオンライン講座も開講中。

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