兵庫県豊岡市は、城崎温泉、日本一の国産カバン、グルメ……どう転がっても面白い町だった
全国のおすすめ女子旅を紹介する旅色LIKESライターのほしこです。今回は城崎(きのさき)温泉がある兵庫県豊岡市を訪ねました。ホンモノの国産カバン、可愛くておいしいグルメなど、温泉だけではない一年を通じて楽しめる豊岡の魅力を紹介します。
目次
兵庫県豊岡市ってどんなところ?
城崎温泉がある豊岡市は、2005年に城崎町(きのさきちょう)、竹野町、日高町、出石町(いずしちょう)、但東町と合併した兵庫県で最も広い市です。また、コウノトリのまちとしても知られ、人里で野生復帰を目指す、世界的にも例の無い取り組みが行われています。プロペラ機で大阪の伊丹空港から兵庫・コウノトリ但馬(たじま)空港へは約30分です。飛行中は山々や日本海など雄大な自然を望むことができます。
城崎温泉街おすすめスポット7選
城崎温泉は、奈良時代から1300年以上人々に愛される由緒ある温泉です。端から端まで歩いて30分ほどの温泉街には、70軒以上の旅館と120を超えるお店が並んでいます。今回は、定番から最近の人気スポットまで様々なジャンルのおすすめをまとめました。
1. 外湯巡り
旅館を“内湯”、温泉街の日帰り温泉を“外湯”と呼ぶ城崎温泉。川沿いの情緒あふれるまちを、浴衣を着て下駄を「からんころん」させながら外湯を巡るのが定番の楽しみ方です。庭園に地蔵尊を祀っている「地蔵湯」や、あつ湯で有名な「柳湯」など7つある個性的な外湯の混雑状況は、城崎温泉観光協会の公式HPでチェックできます。私は黄色の外観が可愛い「一の湯」へ行ってきました。内風呂は熱めですが、半露天の洞窟風呂はちょうどい湯加減。岩に包まれる不思議な感覚が心地よかったです。
◆一の湯
住所:豊岡市城崎町湯島415-1
電話:0796-32-2229
営業時間:7:00~23:00
定休日:水曜日
料金:大人800円、子ども400円
2. てらたに酒店
兵庫と京都のお酒を中心に販売する「てらたに酒店」。店内にはカウンターで立ち飲みできるスペースがあります。3種類の地酒飲み比べのつまみにおすすめされたのは、兵庫の瀬戸内に店を構える和菓子屋「井上茶寮」の「カヌレ羊羹」。「え、羊羹? 」と驚きましたが、お酒に合うように作られていて甘すぎず、個性豊かなお酒たちによく合います。
◆てらたに酒店
住所:豊岡市城崎町湯島227
電話:0796-32-2659
営業時間:8:00~20:00
定休日:不定休
3. 麦わら細工 かみや民藝店
300年の歴史がある「城崎麦わら細工」は城崎のみで生産される芸術作品です。大麦のわらをストロー状にして色染めをし、リボン状にしたものを箱やアクセサリーに貼り合わせます。店内には職人さんの作品が販売されており、箱やアクセサリー作りの体験も可能です。事前予約は「城崎温泉ステキ体験旅行社」のHPより。体験してみると繊細なデザインを作り出すことが難しく、職人さんのすごさを感じられます。
◆かみや民藝店
住所:豊岡市城崎町湯島391
電話:0796-20-5206
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休
4. 城崎文芸館KINOBUN
城崎温泉を訪れ『城の崎にて』を書いた志賀直哉とまちの人との関りや、城崎にゆかりのある著名人たちを紹介する常設展と趣向を凝らした企画展を楽しめます。現在開催されている企画展のテーマは「『本と温泉』のつくり方。」。ここでしか買えないグッズもあり、城崎でしか買えないオリジナル本は、ちょっと普通じゃない仕掛けがあります。万城目学の『城崎裁判』はタオル地のブックカバーとストーンペーパーで作られた本。お風呂で読めますが、長湯には注意です! 湊かなえ『城崎へかえる』はカニ脚を模したカバーに入った細長い本。見た目に惹かれて私も購入しました。読んでみると、訪ねたからこそ情景が浮かんで本の世界に引き込まれます。今後も色々な仕掛けを考えているそうなので、乞うご期待!
◆城崎文芸館KINOBUN
住所:豊岡市城崎町湯島357-1
電話:0796-32-2575
営業時間:9:00~17:00
定休日:水曜日、年末年始
入館料:大人500円、中高生400円、小学生以下 無料
5. 短編喫茶Un
約3,000冊の短編小説が揃うブックストアに、カフェとセレクトショップも併設した複合施設。店頭で販売されている「生バターどら焼き」は、一口サイズで食べ歩きにぴったりです。店内でたくさんの本に囲まれながら本を読んでゆったり過ごすのもおすすめです。カニの季節ならではの温められたカニ酒も。ほかにも、城崎にちなんだお土産や雑貨が揃います。
◆短編喫茶un
住所:豊岡市城崎町湯島127
電話:0796-32-4677
営業時間:10:00~17:00
定休日:木曜日
6. こぢんまり
二階は宿、一階は宿泊者以外もふらっと立ち寄ることができるお土産屋になっている「こぢんまり」。手ぬぐいや靴下など、コウノトリをモチーフにした可愛いグッズを扱っています。店頭に飾られているオリジナルキャラクターの「オケノトリ」は圧倒的な存在感。
◆こぢんまり
住所:豊岡市城崎町湯島257
電話:0796-32-2570
7. まだまだある、人気グルメ
お土産におすすめ! 生産量日本一の柳行李(ヤナギゴウリ)から始まった豊岡の鞄
四大カバン産地をご存知でしょうか? 豊岡は、東京・大阪・名古屋という大都市に名を連ねているのです。なかでも、生産量は豊岡が日本一! このまちでカバン作りが盛んになったのは、柳行李(ヤナギゴウリ)の生産が始まったことがきっかけです。柳行李を代表するかご細工「豊岡杞柳(きりゅう)細工」は伝統工芸品に指定されています。2005年にカバン産業と商店街が協力して作り上げたカバンストリートには、カバン型の花壇や自動販売機も並んでおり、まちがカバン一色に。「カバンの街」と呼ばれることに納得できます。
今では、柳行李だけでなくレザーなどさまざまなカバン屋が集結しています。豊岡旅行のお土産に自分にぴったりのカバンを探してみるのはいかがでしょうか。
豊岡杞柳(きりゅう)細工「伝統⼯芸館 杞柳」
柳行李は市内を流れる円山(まるやま)川に自生するコリヤナギを使って編まれています。江戸時代にはカゴ、大正時代には旅行鞄に進化しており、除湿・防虫効果を活かして衣装ケースとしても使われるようになりました。
出石城下町にある「伝統⼯芸館 杞柳」ではコリヤナギを用いたバスケットやカゴバッグなどを販売するだけでなく、籐のカゴ作りを体験できます。30分くらいで気軽に体験できるため、旅の思い出にもぴったり。
◆伝統⼯芸館 杞柳
住所:豊岡市出石町内町107-1
電話:0796-34-8816
営業時間:10:00~15:00
定休日:水曜日
※体験は事前連絡が望ましい
約250種類の豊富な品揃え「Toyooka Kaban Artisan Avenue」
Toyooka Kaban Artisan Avenueでは、漁網を活用した鞄や捨ててしまうものを使って染めた皮で作った商品など、SDGsを意識したグッズを多数扱っています。私はお茶殻を使って緑に染めた皮を使った名刺入れに一目ぼれ。自然なその色がお気に入りポイントです。
また、こちらではカバン職人さんを育成しており、お店の上の階では鞄作りを学ぶ人たちが毎日切磋琢磨しています。ここで学んだ人たちは一流ブランドを手掛けることもあるとか。知らないうちに、職人さんの作品を手にしているかもしれません。
◆Toyooka Kaban Artisan Avenue
住所:豊岡市中央町18-10
電話:0796-34-8118
営業時間:11:00〜17:30
定休日: 水曜日、年末年始
城崎温泉からちょっとドライブ
出石町
城崎温泉から車で約40分。少し遠いけれど、情緒ある街並みが素敵な出石町(いずしちょう)。城下町では「出石永楽館」で歌舞伎公演を見たり、出石皿そばや出石の地酒を味わったりと、街歩きを楽しむことができます。
竹野町
城崎温泉のおとなりにある竹野町は、日本海に面している美しい町。城崎温泉からは、車で20分ほどの距離です。宿から徒歩圏内でたどり着く海岸は、朝晩のお散歩にもちょうどいい。冬には電車とカニコースのセットのツアーもありますが、海水浴客で賑わう夏に青い海目当てにも来てみたいです。
どう転がっても面白い、豊岡
春は桜、夏は海、秋はつつじ、冬は温泉・カニというように、1年間を通じて魅力がいっぱいの豊岡。また季節を変わったころに訪れたくなりました。東京から「コウノトリ但馬空港」まで直行便が開通すると、もっと便利になるな、と。そんな日が訪れますように。