RICOH GRⅢを片手に江戸時代の雰囲気の残る47番目の宿場町“関宿”へ

旅色LIKESでは、RICOHとコラボした“GRⅢ”貸出企画を開催。メンバーに“GRⅢ”を貸出、旅先の写真を撮ってきてもらうというイベントです。今回はメンバーのゆーでぃさんが三重県亀山市の関宿を訪れた様子をレポートしてくれました。暑さ和らいできましたので、のんびり散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。
目次
関宿とは

「関(せき)」という宿場町をご存知でしょうか。刃物や名もなき池(通称:モネの池)で有名な岐阜県関市を思い浮かべる人もいるかと思いますが、今回紹介する「関宿(せきじゅく)」は三重県亀山市にあります。東海道五十三次の47番目の宿場町です。近くにはサーキットで有名な鈴鹿市があります。私は大阪から、青春18きっぷを利用して訪れました。鉄道の最寄り駅はJR西日本関西本線 関駅です。

駅から徒歩約2分の場所にある道の駅 関宿には、おみやげはもちろん、食堂もあり、腹ごしらえに最適なスポット。「関宿名物たぬき俵にぎり」や「亀山ラーメン」なるものを食べようかと思ったのですが、あまりお腹が減っていなかったため「亀山茶のソフトクリーム」をいただきました。抹茶に近い味わいで、おいしい。三重県亀山市は、お茶の栽培が盛んです。この辺りの道の駅やSAでは、ボトル飲料やソフトクリームとして楽しむことができます。休憩所にいた地元のお母さんが「仕事終わりに電車を眺めながら、ここのソフトクリームを食べるのが毎日の楽しみなの」と話されていて。この地に住む方ならではの素敵な習慣を伺えました。
◆道の駅 関宿
住所:三重県亀山市関町新所674-8
電話:0595-97-8200
営業時間:9:00~18:00
江戸時代の雰囲気残る町並みを散策

道の駅からしばらく歩くと広がる宿場の町並みを関地蔵院から出発して歩きます。ここには、一休さんが目を開かせたと伝わるお地蔵さんが祀られています。
◆関地蔵院
住所:三重県亀山市関町新所1173-2
電話:0595-96-0018
参拝時間:9:00~16:00

隣りには會津屋という立派な旅籠(はたご)があります。平日は人がまばらで、静かな散策が可能です。
ぶらぶらと歩いていると「どこから来られました? パンフレットをどうぞ~今はここですね」と話しかけてきてくれたお父さん。関宿は約1.8キロメートル続き、両側に古い建築物が残っているのは、現存している宿場町でも珍しいことなどを教えてくれました。確かに岐阜県の馬籠宿(まごめじゅく)や妻籠宿(つまごじゅく)など有名な宿場町以外、残っていても片側や一角だけ。今ではとても貴重な町並みです。ちなみに案内してくれた方の正体は観光ボランティアではなく、郵便局に用事のあった地元のお父さんでした(笑)。
◆會津屋(あいづや)
住所:三重県亀山市関町新所1771-1
電話:0595-96-0995
営業時間:11:00~17:00
定休日:月・火曜日

サザエさんのオープニングでも取り上げられたようです。
白塗りの立派な外観が特徴の深川屋。こし餡を求肥(ぎゅうひ)で包み、和三盆をまぶした餅菓子「関の戸」が有名なお菓子屋です。御所へも献上されていた由緒あるものです。
ほかにも、前田屋製菓 関店の「志ら玉」も有名です。あいにくこの日はお店が閉まっていて、買うことはできませんでした。

要注意なのが看板。西(京都)から東(江戸)を見ると「漢字表記」、逆に東から西を見ると「かな文字」で書かれています。京都は貴族の「かな文化」、江戸は武家の「漢字文化」のため、このような表記となったそう。向かう方向を間違えないようにという、関宿のおもてなしだったともいわれています。旅人は「今、自分は漢字を見ているから、東(江戸)へ向かっているんだな」と思っていたのでしょう。深川屋さんだけでなく、他のお店の看板も、「漢字」と「かな」表記でした。これは説明してもらわないと見落とすところでした。
◆深川屋
住所:三重県亀山市関町中町387
電話:0595-96-0008
営業時間:9:30 ~ 18:00
定休日:木曜日 ※祝日の場合は営業

眺関亭からの眺め
深川屋の隣には百六里庭(ひゃくろくりてい)。小さな公園のような広場があり、入り口付近の階段をあがると眺関亭(ちょうかんてい)という展望スペースがあります。見逃しがちなので、訪れた際はぜひ寄ってみてください。
◆百六里庭・眺関亭
住所:亀山市関町中町327
電話:0595-96-1215 (亀山市観光振興室)
営業時間:8:00~17:00

しばらく歩くと関神社が見えてきました。名称は、江戸時代には“熊野三所大権現”、明治5年頃には“熊野皇大神社”などと変遷があり、今の“関神社”とよばれるようになりました。

毎年7月下旬に開催される「関宿祗園夏まつり」が有名です。豪華絢爛な山車の巡行とまつり囃子で賑わいます。「関の山」という言葉を知っていますか? 「これが精一杯だろう」といった意味で使われますが、語源となったのが、関宿の山(車)といわれています。山々が東海道をふさぎ、これ以上通るに通れない様子を現しているそうです。そのため、関の山の「山」は富士山のようなマウンテンではなく、カーニバルのフロート(車)に該当します。まつり期間以外にも「関の山車(やま)会館」に山車が展示されているので、まつりを体感できます。
◆関神社
住所:亀山市関町木崎675
電話:0595-96-0683
さいごに
江戸時代の雰囲気を味わうには十分な場所でした。関宿には、現在も住宅として暮らしている人もいるため建物が多いですが、カフェや飲食店が少ない印象でした。ちょっと腹ごしらえをするなら、道の駅 関宿で済ませるのはいいかもしれません。さらに西へ行くと、忍者で有名な伊賀上野があったり、東には46番目の宿場町「亀山宿」や「亀山城」もあります。関宿と併せて一度訪れてはいかがでしょうか。

◆この記事を書いたメンバー

ゆーでぃさん(6期生)
大阪府出身の元JR&観光協会職員。歴史やご当地グルメにも目がありません。ノスタルジーを感じる場所やマニアックなスポットを訪れる鉄道旅が大好きです。