北海道でワインツーリズム! 余市のワインの魅力にハマる旅
旅とお酒が大好きな旅色LIKESライター・あやっこです。ワインツーリズムってご存知ですか? ワイナリーやブドウ畑を訪れて風土や暮らしに触れたり、作り手や地元の人と交流し、ワインや土地の料理を味わったりする旅スタイルのこと。ワイン好きはもちろん、普段はワインを飲まない方も旅を通してその土地のおいしいものに触れることができるのでおすすめです。今回は夏でも比較的過ごしやすい気候の北海道で楽しんだワインツーリズムをご紹介します。
目次
日本ワインの注目産地・北海道余市町
ワイン生産量が全国3位の北海道。なかでも小樽市の隣にある余市町(よいちちょう)は北海道有数のワイン産地です。道内でも比較的温暖で夏に雨が少ないため、ワイン用ブドウの栽培に適しているそう。2011年には道内で初めてワイン特区に認定され、新しいワイナリーが続々誕生しています。また、隣の仁木町と一緒にワインツーリズムプロジェクトも行っており、旅好きやワイン好きにとって注目のエリアです。
日本ワイン界のスーパースター! ドメーヌ タカヒコ見学
余市ワインを代表するワイナリーが「ドメーヌ タカヒコ」。実家が長野県の小布施ワイナリーを経営している曽我貴彦(そがたかひこ)さんが、栃木のワイナリーでの農場長を経て2010年に設立しました。余市町で二番目に古いワイナリーです。出汁のような独特な旨みを持つ赤ワインが人気。世界一のレストランとして著名なデンマークの「noma(ノーマ)」で日本のワインとして初めて起用されたことで、世界的にも人気になりました。
曽我さんは自分たちで育てたブドウでワインを造る“ヴィニョロン”でありたいという考えのため、規模はあまり大きくはなく、見学や試飲する施設もありません。観光で行くにはなかなかハードルが高いワイナリーですが、ちょうど訪れる日に飲食関連の方の団体の見学があるということで一緒に参加させてもらえました!
ブドウ畑を実際に見学し、栽培についてのお話を伺いました。曽我さんの畑では、赤ワイン用のブドウ品種・ピノ・ノワールのみが植えられています。気温が高すぎても低すぎてもうまく生育しない品種で、夏が暑い日本では育成が難しく、余市の気候は良質なピノ・ノワールが採れる温度帯。また北海道は冬の寒さが厳しいイメージですが、余市エリアは道内ではまだ温暖であり、雪の中は温かいためブドウの木が凍らないこともポイントです。雪が降ることが逆にメリットになっているとは驚きました。
訪れたときは、収穫まであと数週間というタイミングでした。収穫するタイミングも積算温度※1にこだわるなど、ワイン作りの緻密さに感心しきり。嬉しいことに収穫直前のブドウを1粒食べさせてもらいました。ワイン用ブドウを食べるのは初めてだったのですが、想像より甘くてびっくり! このブドウがあの「ドメーヌ タカヒコ」のワインになるのかと思うとブドウ1粒のありがたみが増します。
※1 生育期間の気温を足し合わせた温度の目安
ブドウ畑を見学した後は醸造施設へ移動してワイン作りや曽我さんが考える余市のワイン、日本ワインについて伺いました。理想とするワインは日本の風土に馴染み、日本の食の美しさを表現できるワイン。出汁のような旨みと繊細な味わいがあると評されるワインの生まれる経緯を知り、ドメーヌタカヒコのワインへの興味が俄然増してきます。また、曽我さんはワイン事業を次の世代に繋いでいくことを考え研修生を受け入れブドウ作りやワイン醸造について伝えているのだそう。自分のワイナリーだけでなく余市町の発展や日本のワイン文化を盛り上げる曽我さんの想いに、ますますドメーヌタカヒコのワインが好きになりました。
◆ドメーヌ タカヒコ
住所:北海道余市郡余市町登町1395
電話:0135-22-6752
※イベントや収穫ボランティア募集などの情報は公式Instagram(@domaine_takahiko)にて発信されています
ブドウ畑からワインへ想いをはせる余市ドライブ
余市町のワイナリーはドメーヌ タカヒコの研修生が独立したワイナリーをはじめ規模が小さい所が多く、常時見学を受付けている施設はあまりありません。各ワイナリーはブドウ畑が近くにあるので車で見て回るのがおすすめです。
中に入ることはできないので道沿いから様子を見るだけですが、それぞれの場所の空気を感じることができます。
余市町内で人気のワイナリー「平川ワイナリー」の畑では通り抜ける風が心地よくて、ワインのきれいな酸の感じる味わいが思い出されました。ブドウ畑の様子をみて気になるワイナリーを見つけるのもおもしろそうです。
◆平川ワイナリー
住所:北海道余市郡余市町沢町201番地
まるでカリフォルニアのワイナリーのよう! オチガビワイナリー
ワインツーリズムならやっぱり見学や試飲ができるワイナリーに立ち寄りたい。なかにはワイナリーとして観光客を受け入れているところもあります。例えば「オチガビワイナリー」。新潟のカーブドッチ ワイナリーを設立した落さんが“日本一美しいワイナリー”を目指してはじめました。ショップやレストランを併設した醸造施設の周りにはブドウ畑と西洋庭園が広がっています。ショップでは有料でいくつか試飲が可能。
ワイナリー見学は公式では行なっていないそうですが、オーナーの落さんの時間が合うときに案内してくれることがあるそう。私たちが訪れた際もちょうど見学ツアー中でした。時間があれば参加したかった……。ショップには様々な品種が並び、価格帯も豊富。
◆オチガビワイナリー
住所:北海道余市町山田町635
電話:0135-48-6163
ワイナリー・ショップ営業時間:11:00〜17:00
定休日:年末年始
ワインを飲まない人も楽しめる複合型施設 NIKI Hills Winery
仁木町にある「NIKI Hills Winery」も観光客が立ち寄りやすくておすすめです。広大なブドウ畑を登っていった高台の上に建つワイナリーは醸造施設のほかレストランやホテルも併設されています。
レストランやロビーも洗練された雰囲気で素敵ですが、一番目を引かれたのが仁木町や余市町まで見渡せる絶景のテラス。この景色を眺めながらいただくワインは格別です!
1日に3回ほどあるワイナリー見学は当日予約可能で、ふらっと立ち寄りたい観光客にはありがたいです。また、広大な敷地にはブドウ畑のほかにも季節の花々が咲くナチュラルガーデンやフォレストなど自然がいっぱい。アクティビティもあるのでワインを飲まない人も楽しめます。
◆NIKI HILLS Winery
住所:北海道余市郡仁木町旭台148-1
電話:0135-32-3801
ワイナリー・ショップ営業時間:11:00〜16:00
ワイナリーツアー開催時間:10:30~、13:30~、14:45~ ※当日予約可
ツアー料金:3,300円 ※グラスワイン3種試飲付
定休日:不定休
余市ワインの魅力に触れるワインツーリズムを体験しよう!
余市町、仁木町には合わせて21軒のワイナリーがあり、北海道のみならず日本を代表するワイン産地です。これから秋に向けてブドウの収穫時期になると収穫ボランティアなどワイナリーと触れ合えるチャンスも増えてきます。爽やかな気候のなか、ワインの魅力を感じる旅に出かけてみませんか? 次回はワインツーリズムの醍醐味の一つ、余市ワインを楽しめるレストランやホテルをご紹介します。