温泉と仕事にどっぷり浸かるおこもりテレワーク/伊豆熱川温泉
初めて熱川温泉に訪れたのは2022年10月末。観光する場所やお店もありますが、お宿でゆっくりできる温泉地という印象が際立ちました。海は見たいけど外の暑さには気を付けたいこの頃。温泉と仕事だけを目的に海の近くにある熱川温泉でおこもりステイをしてきました。
目次
伊豆急沿線もくもく度No.1の熱川温泉
昨年の秋特急「踊り子」に初めて乗った時、もくもくと蒸気があがっている伊豆熱川駅周辺の景色に驚きました。東伊豆町には7つの温泉がありますが、伊豆熱川駅のまわりは特に温泉から出る湯気が目立ちます。今回はこの熱川温泉で山側、駅前、海側の異なるロケーション、さまざまな価格帯の3つのホテルでテレワークしてきたのでそれぞれの過ごし方をご紹介します。
海を眺める天空露天風呂が気持ちいい「熱川プリンスホテル」
昨年10月に東伊豆町が開催したワーケーション企画に参加した際に宿泊して大好きになった「熱川プリンスホテル」。これまで3回訪れ、すべて違うお部屋に宿泊しましたが、おすすめなのは、空と海、水平線に浮かぶ雲を満喫できるプレミアムエリア「Qoomo」のお部屋です。すべての部屋にデイベッドが付いており、なかでも少し広めでハイカウンターのある505号室が気持ちのオンオフを切り替えられ、仕事がはかどるのでお気に入り。ハイカウンターからは遠くに海、眼下には伊豆熱川駅が見えます。電車が来るたびに音が聞こえるので気になって駅を見下ろすと、キンメ電車や黒船電車が停車していて電車好きな私は大興奮。デイベッドや足置き付きのチェア、テラスのソファに座って時間ごとに変わる海と空の色を眺めてリラックスもできます。
大浴場が「海色」「空色」と2つあり、海を眺められる露天風呂や静岡らしさのあるお茶風呂、みかん風呂などがあります。一番の魅力は天空露天風呂の「薫風」。昼は真っ青な空と海、夕方にはサンセット、夜は月と星、早朝には朝焼け……と時間によってさまざまな景色を見られます。隣にある展望足湯なら海を見ながら入ることも。新月と満月の日の前後3日間の夜にだけオープンする「海と星空のBAR」もあるようで、タイミングが合えばぜひ行きたいところです。15:00~25:00の夜の時間帯は女湯になる大浴場「空色」を出たところにエステもあります。事前予約制ですが最終24時まで受付、25時までの施術となっているので遅めのチェックインでもエステができます。
朝食は和モダンなデザインの食事処「ダイニング季の杜(ときのもり)」で。お魚を中心とした料理で、健康的でバランスの良い献立になっています。Qoomoフロアに宿泊した時は具沢山のお味噌汁やご飯のお供が豊富でプレミアムな食事に。彩の良い朝食に朝から気分があがります。私はワーケーション企画で夜の懇親会などがあり特別に朝食のみのプラン設定にしてもらったため、夕食はいただいたことがありません。熱川ポークや金目鯛がいただけるそうで、ぜひ夕食を食べに再訪したいと思っています。
東伊豆にゆかりのあるアーティストの書や絵が飾られているラウンジもあり、そこから眺める海の景色も素敵です。また、フラワーアレンジメントやヨガなど月に20回ものカルチャースクールを行っています。集中して仕事をしたい人は宿泊者なら1時間500円で使用可能なコワーキングスペースへ。チェックイン前、チェックイン後に落ち着いてお仕事したい時に活用してみてください。ホテル内に売店もありますが開店時間は短め。こちらの地区には珍しくホテルの目の前にコンビニがあるのも便利なポイントです。
◆熱川プリンスホテル
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1248-3
電話:0120-120-707
静岡県唯一の砂風呂と無料の貸し切り温泉が楽しめる「みはるや」
伊豆熱川駅徒歩約1分。駅を降りたらすぐ見える風格のあるお宿なのでずっと気になっていた「みはるや」。無料の貸し切り温泉が2つと有料の砂風呂があり、すべてチェックイン時に予約します。お食事やそのほかの予定などを事前に考えておくとスムーズかもしれません。連泊されている方の予約がすでに入っていることもあるので、早めにチェックインして予定を組み立てるのがおすすめです。チェックイン後はフロント向かいのラウンジへ行き、オリジナルの最中とニューサマーオレンジジュースをいただきました。
お部屋はフロントから階段で1フロア上がったところにある10畳のスタンダード和室で「ひよどり」という名前が付いていました。建物自体は昭和時代のもののようですが、改装されて1周年とのことで新しい畳が気持ちいい広々としたお部屋です。縁側から遠くに海を見ることができました。コンパクトなお部屋なのですが、トイレの向こうに扉がありお風呂つき。1周年ということでビールとジュースも無料で付いており、オリジナルのティーバッグもあったのでラウンジに行かなくてもお部屋でゆっくりお茶を楽しむこともできました。コロナ禍では、自分でお布団を敷くところが多かったのですが、夕食から帰ってきたらお布団が敷いてあり至れり尽くせりでした。
チェックイン時間の15時から早速砂風呂に。浅く掘られた穴に体を横たえただけで、背中から熱が伝わってきます。砂はかなり重みがありましたがそれが心地良い。入浴時間は砂をかけ始めてから20分。ずっと汗が噴き出し、体がすっきりとした感覚になりました。また、夕食前にはお宿を出て5分ほど歩いたところにある「はなれ」で貸し切り温泉に浸かり、鳥のさえずりを聞きながらのんびり。夜になったら道中もお風呂のまわりも真っ暗なので、一人であれば明るいうちに入るのがおすすめです。もうひとつ貸し切りにできる南国野天風呂はまさに南国の雰囲気。5~6人は入れる大きな湯船なので貸し切り時間は家族でも広々と温泉を楽しめます。
夕食は地下1階で。個室になっており、まわりを気にせずゆっくりと食事できます。お造りに金目鯛と生わさびが丸々1本ついていて、自分ですりおろしていただけます。茶碗蒸しにも金目鯛。最後には煮つけ。伊豆の名産・金目鯛を色んな調理方法で食べられるのが嬉しいです。朝ごはんは大きなお椀のふたを取ると伊勢海老が現れ、あまりの豪華さにびっくり。自分で押し出すところてんは酢醤油と黒蜜きな粉とお好みの方法でいただくことができます。
◆みはるや
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本971-1
電話:0557-22-0003
海に一番近い!全室海が眺められる温泉つきでリーズナブルな「潮風旅館」
ホテル検索サイトでなるべくリーズナブルなホテルを……と探していた時に目に留まったのが「潮風旅館」。お部屋の中で温泉の湧き出るお風呂に入れて6,000円台なんてにわかに信じられなかったのですが、思い切って行ってみることに。フロントもお部屋も明るく広々としていて綺麗でスタッフさんもとても親切です。何よりも、窓からみえる夕焼けや朝日に気づいたらすぐに目の前の砂浜に出ていけるほどの好立地とお部屋の窓から見える海が綺麗でみんなにおすすめしたくなる宿でした。
4月14日に改装リニューアルオープンしたばかりらしく、畳が張り替えられたばかりで気持ちいい空間に。ガラス張りのバスルームは全室海の見える窓側にあり、窓は完全に開け放つことができます。波の音と潮風を感じながら伊豆諸島を眺めてお風呂に入りリフレッシュ。誰にも気遣うことがないので、サイダーやアイスを頂きながら温泉を楽しみました。夜になると真っ暗で何も見えなくなるので、遅くても日没までにはチェックインしてさまざまな海と空の色を感じて欲しいです。仕事に適したテーブルがあるわけではないのですが、琉球畳に座って低いテーブルでも落ち着いて仕事できると思いました。素泊まりプランであれば伊豆熱川駅の売店で駅弁や飲み物を調達してからのチェックインがおすすめです。
◆潮風旅館
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1237-23
電話:0557-23-3777
おわりに
趣の異なる3つのお宿を紹介してきましたが、気になるお宿はありましたか?私はすべてのお宿が気に入ったので季節が変わったら温泉と食事を楽しむためにまた宿泊したいと思っています。熱川温泉を散策しているとひょっこり現れる「お湯かけ七福神」をまだ3体しか見つけていないので、涼しくなったら散歩もしたいと思います。みなさんものんびり時間の流れる熱川温泉でおこもりステイしてみませんか?