【3/12まで】滋賀県長浜市の春を告げる風物詩、日本最大級の長浜盆梅展
滋賀県長浜市で毎年行われている「長浜盆梅展」が、3月12日まで開催中。国指定名勝にもなっている慶雲館の中には90を超える盆梅が飾られています。今回はLIKESライターの長月あきさんがイベントの様子をレポートしてくれました。長浜で少し早い春を感じてみませんか。
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◆この記事を書いたメンバー
長月あきさん(5期生)
東海地方を中心に、車でさっと気軽にお出かけできるご近所トリップをよくしています。特に工場見学などの産業観光が大好きで、ものづくりの過程や歴史を知ると、わくわくします。
盆梅(ぼんばい)とは
盆梅とは梅の盆栽のことです。滋賀県長浜市で開かれる盆梅展は日本最大級規模で、このまちの春の風物詩となっています。昭和27年から始まり、今年で第72回目を迎える歴史あるイベント。コロナ禍の昨年も一昨年も、事前予約制を取り入れながら、中止にせず開催され続けています。1月下旬に訪れました。
会場は明治時代の迎賓館「慶雲館」
会場はJR長浜駅から徒歩約3分のところにある慶雲館(けいうんかん)。明治天皇の京都行幸の際、帰路の休憩所として長浜の豪商が建て、当時の総理大臣・伊藤博文が名付けたのだとか。長浜の迎賓館として使用され、広い庭園は国の名勝に指定されています。
梅の開花時期にあわせて展示される盆梅
およそ300鉢用意される盆梅の中から、梅の開花時期にあわせて約90鉢が展示場に配置されます。
盆梅には1鉢ずつ全て名前が付いています。右の鉢は芙蓉峰(ふようほう)で樹齢約350年、重さ800キロほど。左の鉢は「不老(ふろう)」で樹齢400年越え。いずれも2月上旬に搬入される予定です(不老は2月6日「不老の日」に合わせて)。期間中の2ヶ月、開花している盆梅を見せるために25回は会場の盆梅を入れ替えるそう。
本館は歴史の風格を感じるお座敷に盆梅がずらりと並びます。
盆梅の背景や室内には、書画※1が飾られています。白い梅の後ろには盆梅展を見学して詠まれた堀口大學の詩も。
※1 書と絵画が一体になった作品のこと
梅には少し早いかな……と思いつつ、待ちきれずに1月下旬に訪れてみました。やはり庭園に置かれた出番待ちの盆梅だけでなく、展示されている盆梅もつぼみがほとんど。今はもう見ごろを迎えているはずです。
切り絵作家・早川鉄兵氏とのコラボ展示
歴史の重みを感じさせる本館とは雰囲気が一変、真っ白い空間が広がる新館では、早川鉄兵氏の切り絵とのコラボ展示が。早川鉄兵氏は、長浜市の隣、米原(まいばら)市在住の切り絵作家です。白い空間に黒い切り絵と盆梅、そしてその影のコラボ。
切り絵は湖北の自然を思わせる鳥や魚、そしてうさぎ年にちなんだ琵琶湖の波間を飛び跳ねるうさぎがたくさん。テーマは「波うさぎ」。
盆梅展オリジナルの絵馬も早川鉄兵氏のうさぎの切り絵がデザインされていて、とてもかわいい! 慶雲館の庭に設置してある絵馬掛所にかけていってもいいし、持ち帰ってもOKです。
見ごろは今!
梅の開花にあわせて鉢を何度も入れ替えて展示されるので、いつ行っても見ごろの盆梅を楽しむことができます。私も期間中にもう一回行ってみようかな……と思っています。2月26日までの土日祝日は夜間ライトアップのため、20時まで入館可能です。また、慶雲館の向かい側には、現存する日本で一番古い駅舎「長浜鉄道スクエア」がありますし、ガラスの街「黒壁スクエア」も徒歩圏内と、周辺にはほかにも見どころが点在。春先に長浜を訪れる機会があったら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
◆慶雲館
住所:滋賀県長浜市港町2-5
電話: 0749-62-0740
◆長浜盆梅展
開催期間:2023年3月12日まで
営業時間:9:00~17:00(最終入館 16:30)
入館料:大人800円、子ども400円
※上記は2023年に開催される盆梅展の情報です。盆梅展開催期間以外の営業時間・入館料は公式ホームページをご確認ください。