作家に建築史家……各分野の賢者がすすめる“ 読書の秋にぴったりなおこもり宿”

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2022.11.09

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作家に建築史家……各分野の賢者がすすめる“ 読書の秋にぴったりなおこもり宿”

過ごしやすい気候のこの季節、「読書の秋」をテーマに、様々な分野で専門的な知識を持つ4名の旅色著者に、この秋おすすめの宿と読みたい本を伺いました。おこもりステイで読書を楽しむ、今ならではの旅に出てみてはいかが。

目次

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【1】ブックコンシェルジュ・間室道子さん/ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル(横浜)

——この秋読みたいのは『嘘つきジェンガ』

【2】作家・高橋久美子さん/ますや旅館 - 信州 子宝の湯 田沢温泉(長野)

——この秋読みたいのは『中学生から知りたいウクライナのこと』・ 『文にあたる』

【3】建築史家・倉方俊輔さん/丸福樓(京都)

——この秋読みたいのは『建築家・石井修―安住への挑戦』

【4】ホテル評論家・瀧澤信秋さん/THE BASICS FUKUOKA(ザ・ベーシックス福岡)

——この秋読みたいのは『他者と働く』・ 『人生讃歌』

おわりに

【1】ブックコンシェルジュ・間室道子さん/ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル(横浜)

読書にぴったりの宿

クラブインターコンチネンタル ルーム・シティビュー

読書にぴったりの宿

みなとみらいの夜景を望むクラブインターコンチネンタル サロン。国内外の書籍も設置しており、読書にも最適。

読書にぴったりの宿

2階のクラブインターコンチネンタル ラウンジでは、横浜の景色を眺めながらゆっくり読書ができる。

読書にぴったりの宿

クラブインターコンチネンタルラウンジでは朝食やアフタヌーンティーを楽しむことも。

“最高の環境で最高の読書”を目指し、自宅から電車で20~30分ほどのホテルにちょくちょく宿泊しています。おすすめは8月にステイしたこちら。お部屋は横浜港を望む「ハーバービュー」と赤レンガ倉庫や遊園地を一望できる「シティビュー」があり、後者の最上階を選びました。読書に没頭してふと目をあげれば、万華鏡のように次々と色やライトデザインが変わる大観覧車。本という異世界を閉じてもホテルという非日常があるのはいいものです。さらに素晴らしかったのは早朝。台風接近中で、猛スピードで流れゆくグレーの薄雲の中、上は朝焼けのピンク、下は昇りゆく太陽光で金色に染まった巨大な白雲がゆっくり移動していく……。こんな眺めを空の近くで楽しめたのも印象深いことでした。


◆ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい 1-1-1
アクセス:みなとみらい駅より徒歩約5分
電話:045-223-2222

——この秋読みたいのは『嘘つきジェンガ』

この秋に読みたい本

嘘つきジェンガ

宿泊先で読むおすすめジャンルはミステリー。すぐ隣のドアの向こうで見ず知らずの人がくつろいだり眠ったりしているホテルは、思えば不思議な空間です。そんな気分を満喫できるこちらは、詐欺をテーマにした小説集で、「騙す側は悪い、騙される側は甘い」を超えた斬新な展開がたまりません! 圧巻は「あの人のサロン詐欺」。著名人の会員制ネットサロンと秘密のオフ会が舞台になっており、有名と匿名のはざまで起きた事件の先に、感動のラストが待っています。


『嘘つきジェンガ』
辻村深月/著
1,815円/文藝春秋

間室道子

◆間室道子
代官山 蔦屋書店に勤める文学担当のコンシェルジュ。雑誌「婦人画報」の連載を持つなど、様々なメディアでおすすめの本を紹介するカリスマ書店員。文庫解説も手掛け、書評家としても活躍中。

【2】作家・高橋久美子さん/ますや旅館 - 信州 子宝の湯 田沢温泉(長野)

読書にぴったりの宿
ますや旅館 - 信州 子宝の湯 田沢温泉(長野)

秋には露天風呂の楓も色づく。

文豪、島崎藤村が愛し、多くの作品を執筆したといわれる「ますや旅館」は、長野県でも移住者が増えている自然豊かな青木村にあります。明治時代から変わらぬ姿で佇み、有形文化財に登録されている味わい深い木造建築を、私はひと目で気に入りました。内観も昔のままで、置いてあるテーブルや小物一つひとつがとてもレトロ。無名時代の藤村が泊まった部屋や、使った机、茶だんすなどが現在も残っています。卓球場もあるのですが、なんと木の台なことにも驚きました。私は友人と行ったので早めに宿に入って、お風呂上がりに卓球をしたり、読書をしたりと、ゆったりとした時間を過ごせました。


◆ますや旅館 - 信州 子宝の湯 田沢温泉
住所:長野県小県郡青木村田沢2686
アクセス:上信越自動車道上田菅平IC若しくは長野自動車道麻績より30分
電話: 0268-49-2001

——この秋読みたいのは『中学生から知りたいウクライナのこと』・ 『文にあたる』

この秋に読みたい本

中学生から知りたいウクライナのこと

この秋に読みたい本

文にあたる

『中学生から知りたいウクライナのこと』
東欧を旅したことはあったが、ウクライナの文化や食や歴史を深くは知りませんでした。戦争のニュースを聞く度に心を痛めている方も多いはず。“報道の中の国”をより身近に感じる第一歩となる一冊です。

小山哲、藤原辰史/著
1,760円/ミシマ社

『文にあたる』
私達作家がお世話になっている校正さんがどんな目線で文を読んでいるのか知れる本です。実際、牟田さんは私の著書『その農地、私が買います』の校正も担当してくださっています。この本を読めば、読書の楽しみも増すと思うのです。

牟田都子/著
1,760円/亜紀書房

高橋久美子

◆高橋久美子
作家、詩人、作詞家。バンド、チャットモンチーのドラマーとして活躍後2012年より文筆家として活動する。詩、エッセイ、小説、絵本、絵本の翻訳のほか、様々なアーティストに歌詞提供を行っている。

【3】建築史家・倉方俊輔さん/丸福樓(京都)

読書にぴったりの宿
読書にぴったりの宿
読書にぴったりの宿

京都の中心部にありながら、喧騒を離れた場所に建ち、心を落ち着かせて読書するのに適しています。宿のまとう文化の香りも、本の中の世界に旅する気分を誘います。全18室は旧任天堂本社社屋の趣のある部屋と、安藤忠雄さんが設計監修した部屋に大きく分かれています。昭和初期から時を積み重ねた前者の佇まいも、静謐な光に包まれる後者の空間のどちらも捨てがたい。持参する本に従って選んでみるのも一興かもしれません。オールインクルーシブが基本のプランなので、ご飯に頭を悩ませなくていいのも、お籠り向けに推薦した理由。料理家・細川亜衣さんが監修するレストラン「carta.(カルタ)」は、舌に発見的で、身体が喜び、心も落ち着かせてくれます。滞在の後には、リフレッシュした自分に出会えるでしょう。


◆丸福樓
住所:京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342番地
アクセス:京都駅から徒歩約15分
電話:075-353-3355

——この秋読みたいのは『建築家・石井修―安住への挑戦』

この秋に読みたい本

建築家・石井修―安住への挑戦

石井修さんは、屋上緑化や壁面緑化といった言葉が広く使われるようになる以前から、住宅と緑を一体で設計してきた建築家です。特に関西の住宅地・目神山(めがみやま)では20軒もの家を手がけ、緑豊かな環境が今も保たれています。建てることで皆が幸せになる、そんな建築のあり方が知れる85年の生涯と作品を総合した初めての本です。

『建築家・石井修―安住への挑戦』
倉方俊輔+石井修生誕100年記念展実行委員会/編著
3,850円/株式会社建築資料研究社

倉方俊輔

◆倉方俊輔
大阪公立大学教授。日本近現代の建築史の研究と並行して、建築の価値を社会に広く伝える活動を行なっている。Peatix「Kurakata Online」や「朝日カルチャーセンター」で、建築の見かたをやさしく学ベるオンライン講座も開講中。

【4】ホテル評論家・瀧澤信秋さん/THE BASICS FUKUOKA(ザ・ベーシックス福岡)

読書にぴったりの宿
読書にぴったりの宿

「THE BASICS FUKUOKA」 を象徴するのが 、高さ約42mという吹き抜けが圧巻の円形ロビーに設置された書架。12本の円柱を利用、高さ約8mの書架6本が設置され 5,000冊ほどの書物がテーマ別に収納されたライブラリーになっています。豊富な書物は客室やロビー、レストランなどで自由に読書ができるのも“読書ホテル”としての醍醐味。客室には「Chapter チャプター(章)」「Episode エピソード(挿話)」「Story ストーリー(物語)」と本にちなんだ名称が付けられています。ビジネス、家族・グループでの利用などフレシキブルにセレクトできる客室構成ですが、読書にも没頭できそうな細部まで気遣いの溢れるインテリアや備品も印象的。快適かつ上質な滞在を約束します。


◆THE BASICS FUKUOKA(ザ・ベーシックス福岡)
住所:福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目14-1
アクセス:JR博多駅筑紫口(新幹線口)より徒歩約7分
電話: 092-412-1234

——この秋読みたいのは『他者と働く』・ 『人生讃歌』

この秋に読みたい本

他者と働く

この秋に読みたい本

人生讃歌

『他者と働く』
大学院に在籍していた時の指導教員による著書で、職場などの環境での諸問題を対話により新しい関係性を構築して解決する ことを提案。職場ばかりでなく家庭や友人関係などにも応用できそうな、活用性も高い知己に富んだ1冊です。

宇田川 元一/著
1,980円/NewsPicksパブリッシング

『人生讃歌』
北海道を旅したときに、JR北海道の車内誌で見かけた連載にいたく感動し購入。著者の日常生活から垣間見る人間の奥深さを感じさせる珠玉のエッセイ集。個人的にはこの本を手に取ると北海道を旅している気分になります。

小檜山 博 /著
836円/河出書房新社

瀧澤信秋

◆瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。国内ホテルを対象に、利用者目線やコストパフォーマンスを重視した取材調査、評論、批評を行う。財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボードを務めるほか、多数メディアでも幅広く活躍。

おわりに

旅色著者の4名に、読書にぴったりの宿とこの秋読みたい本を教えていただきました。気になる宿や、読んでみたい本はありましたか。この秋の読書ステイの参考にしてみてくださいね。

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#旅 #ホテルステイ #ホテル #宿 #間室道子 #おこもり旅 #瀧澤信秋 #高橋久美子 #読書旅 #読書の秋 #倉方俊輔

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編集部おすすめの記事や、注目のインタビュー、旅色に関するニュースなどを発信しています。メンバー限定で参加できるファンコミュニティ(likes.tabiiro.jp)の活動報告や、イベント情報も! ▽注目のコンテンツ ・読めばきっと旅気分「月刊旅色」 ・ローカルにフォーカスする「FO-CAL」 ・おいしいが見つかる「旅色おとりよせグルメ」「旅色おとりよせグルメ」 ・宿のとっておきのモノだけを紹介「旅色の宿マルシェ」

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