町おこし企画スタート! 水戸の隠れた名産品「梅」をつかって、まちの魅力を深掘り
日本各地にある、まだまだ知られていない町の魅力を体験し、発信する町おこし企画がスタート! 第一弾は茨城県水戸市です。水戸といえば「納豆」がお馴染みですが、実は梅も名産なことをご存じですか? 今回は地元企業の吉久保酒造に教わる「梅漬け体験」を通して水戸の梅を知ってもらいました。今後も全3回、半年にわたる漬け作業を通して水戸の魅力を発見していきます。次回は8月20日(土)に実施予定。前回のイベントの様子をぜひご覧ください。
目次
講師は吉久保酒造12代目社長
イベントの講師は、吉久保酒造株式会社 社長の吉久保博之さん。吉久保酒造は水戸市にあり、1790年の創業から12代続く酒蔵です。2017年に「水戸梅酒一品」で全国梅酒品評会で最高金賞を受賞した他、日本一の水揚げ量を誇る茨城の鯖をよりおいしく食べてもらおうと作った鯖専用日本酒「SABA de SHU(サバデシュ)」で一世を風靡しました。さらに、酒造りはもちろん、水戸を活性化させるため、偕楽園近くで飲食店も運営しています。
会場は偕楽園の横「水戸 門のまえ」
こちらが吉久保酒蔵さんが運営する飲食店「水戸 門のまえ」。コロナ禍で閉店してしまったお店を吉久保酒造が引き取り「偕楽園に来てくれたお客さんがおいしいご飯を食べられるように」と昔ながらのドライブインのような雰囲気だったお店を2020年12月にリニューアルオープンしました。入口近くにはお土産コーナーも設置。お土産コーナーを過ぎるとレストランがあり、大きな窓から入る光で店内は明るい雰囲気です。テラス席もあり木陰の中で自然を感じながら食事を楽しむこともできます。こちらの2階が今回の梅漬け体験の会場です。
◆水戸 門のまえ
住所:茨城県水戸市常磐町1-3-1
電話:029-350-4180
営業時間:10:00~16:00(L.O.15:30)
定休日:火曜日
半年後に向けて、約120kgの梅漬けスタート
まずは、今回の体験をみんなでおさらい。今回は地元活性化に尽力する吉久保酒造、旅色編集部、さらには旅色LIKESメンバーが三位一体となって進める企画。「梅は食べたり、飲んだり身近にあるけど、実際は作られるまでは、とても手間暇かかっています。それを体験して、梅の理解を深めてもらいたい。それも梅が有名なこの偕楽園の近くで感じてほしい」と吉久保酒造さんも語ります。
今回は段ボールいっぱいに入った梅で100kgの梅干し(樽3つ分)と梅酒保存容器3つ分、梅シロップ保存容器3つ分を作ります。段ボールを開けると桃みたいに黄色く可愛らしい粒でフルーティーな香りをまといながら体験はスタート。
ステップ1 梅のヘタ取り
梅干しのお尻部分にある黒いポッチがヘタです。ヘタはカビや発酵の原因になってしまうため、1つずつ傷をつけないように竹串を使って取り除いていきます。力をかけずにポロっととれる簡単な作業ですが、120kgもあると大変でこの作業が一番時間がかかりました。
ステップ2 紫蘇を用意する
大きなボールに入りきらない量の紫蘇と一緒に塩で揉みこんでいきます。紫蘇からでる汁を絞りながらボールの半分以下の量になるまで力をいれてまとめます。今まで梅の香りで溢れていた部屋に紫蘇の香りが漂ってきました。
ステップ3 樽の中に梅を漬けていく
ヘタを取った梅は一度水につけ汚れを落とし、乾いたタオルで丁寧に拭きます。この時にヘタがあったくぼみの部分を丁寧に拭かないと、かびてしまう原因になります。
梅を拭いたら「梅→紫蘇→塩」の順番で樽の中に入れていきます。通常梅干しは、8%の塩分濃度で漬けることが多いのですが、今回は吉久保オリジナルの10%で漬けていきます。吉久保社長が長年梅干しを食べて1番おいしい濃度を研究した結果です。
梅酒と梅シロップを漬ける
梅干しと同じようにヘタを取り水にさらした梅を拭いた後に梅と氷砂糖をいれて梅シロップを、さらに吉久保酒造が作った日本酒の「一品」とホワイトリカーを1:1で入れて梅酒も作ります。残念ながら梅シロップは漬けた1か月後に発酵してしまい飲めなくなってしまいました。梅酒は梅干しと同じ3月ごろまで寝かせて完成します。
午前10時からはじまった作業、約15時ごろに終わりました。参加メンバーからは「こんなに大変なんてしらなかった」、「これからは梅干しも一粒ずつかみしめて食べよう」といった声から、「家でもやってみよう!」「偕楽園近くで梅に触れるって贅沢!」という声があがり、それぞれに、梅に対する思いが深まりました。
体験後には偕楽園をお散歩
梅漬け体験が終わった後は、目の前にある茨城県の観光スポット偕楽園を散策。すでに梅の季節は終わってしまいましたが、1月~3月は約100品種3,000本の梅が咲き「水戸の梅まつり」も開催されるそうで、「来年は偕楽園の梅を見ながら、梅酒とか飲みたいね」と始梅のことを考えながらお散歩。
◆偕楽園
住所:茨城県水戸市見川1-1251
電話:029-244-5454
開園時間:6:00~19:00(2月中旬~9月30日)
7:00~18:00(10月1日~2月中旬)
入園料:大人300円、小人150円
梅酒の呑みくらべ体験
「水戸 門のまえ」の「茨城梅酒3種飲み比べ」(900円)なら、茨城県内の梅酒の飲み比べもできます。吉久保酒造の「水戸の梅酒一品」、岡部酒造の「梅盛」、明利酒類の「百年梅酒」の3種をいただきました。見た目もそれぞれ違い、黒糖がきいていたり、ウィスキーのようなあじわいだったり違いを楽しめます。参加者も飲み比べをしながら自分の好みの味を探していました。
梅のメッカで、梅酒や梅干しをつけ、梅のことを考えながら散策した1日。茨城の知られざる魅力を体験する旅は、まだはじまったばかり。2回、3回と足を運び、水戸の知られざる魅力をさらに発信していきます。
次回、梅のおいしさを倍増させる「天日干し」作業を教わる
梅漬け体験は全3回のイベントです。自分たちで付けた梅干しや梅酒が完成するのは2023年の3月頃。次回は、7月に漬けた梅を天日干しをします。夏の暑い太陽で干され、雨水にさらされおいしさを吸い込むことを繰り返しながらしわしわの梅干しに成長していきます。
「水戸で観光をしたことがない」という参加者から「水戸の魅力にハマりはじめた」や「この機会がなければ水戸に来るきっかけも無かった」などの感想もらっています。を今後も梅干しを漬けることを体験をきっかけに水戸を訪れ“地域を深く知る旅”を提供していきます。次回8月20日(土)一緒に“地域を深く知る旅”を体験、発信するメンバーのみなさんの参加をお待ちしています!