【今月の旅写真】夏の涼を求めて昭和レトロな街へ~巣鴨・大塚~

東京都

2022.08.10

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【今月の旅写真】夏の涼を求めて昭和レトロな街へ~巣鴨・大塚~

皆さんこんにちは。写真家のこばやしかをるです。夏も本番、真っ盛りですが、いかがお過ごしでしょうか。暑さが苦手でなかなか遠出をするのが億劫な私ですが、かき氷を食べてクールダウン。ご近所で旅気分も満喫してきました。
今回は夏のスイーツかき氷と、レトロなムードの撮影ポイントを合わせてお伝えします。

Text&Photo:こばやしかをる
撮影機材:RICOH Ⅲx

目次

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巣鴨ってどんなところ?

映える涼スイーツ! かき氷は巣鴨にあり

都電停留場のお店 「甘味処 いっぷく亭」 さんへ

ロマンチックなロケーションで地元のビールを味わう

おわりに

巣鴨ってどんなところ?

“おばあちゃんの原宿”といわれて久しい巣鴨の町は、塩大福に赤パンツといったイメージが真っ先に思い浮かび、通称“とげぬき地蔵”の髙岩寺で有名な場所。かつて巣鴨周辺は、武蔵国豊島郡染井村と呼ばれていた地域で、日本を代表する桜の木「ソメイヨシノ」にその名(染井)が残っていることでも知られており、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜が明治30年から4年間住んだ町でもあります。

巣鴨駅はJR山手線・都営地下鉄三田線が乗り入れ、道路は中山道(国道17号)が走っていることもあり、アクセスがいいことも魅力です。また、巣鴨地蔵通り商店街を抜けると、さくらトラム(都電荒川線)にも乗ることができ、散策にも相応しい場所です。

巣鴨地蔵通り商店街は旧中山道にあたります。商店街は全長約780m。髙岩寺参詣者向けと地域密着型の店舗が混在する活気のある商店街で、毎月「4」のつく日は縁日が開かれ、商店街の沿道にはたくさんの露店が並び、人出も多くとてもにぎやかです。

「4」のつく日は巣鴨地蔵通り商店街の入口から出口まで露店が立ち並びます

他地域の縁日では見慣れないお店が並んでいるのも特徴的

今では手に入らない昭和レトロな日用品や衣料品のお店もたくさん

撮影ポイント:巣鴨は活気も、人情もある昭和の趣が残る街。この場の出会いを楽しみ、店先で声をかけながらコミュニケーションを楽しんで。ひと声かけると気持ちよく撮影ができますよ。

そんな元気な町、巣鴨に夏の涼を求めてふらりと写真旅にお出かけです。

映える涼スイーツ! かき氷は巣鴨にあり

初めに訪れたのは、一年を通してかき氷を提供されている「かき氷工房 雪菓(せっか)」さん。お店はとげぬき地蔵のすぐ脇にあります。巣鴨には珍しく(!?)30~40代の女子が行列を作る大人気のお店。
富士山の天然氷で作られたかき氷は、フォトジェニックな見た目でありながら味は本格的で、昔ながらの手回しのかき氷機で一つずつ作ってくださいます。氷自体がすぐに解けて崩れたりせず、食べやすいのが特徴です。

富士山天然水蔵元「不二」の認定証が飾られています

富士山天然水蔵元「不二」の認定証が飾られています

お店は豊島の青果市場が近いことから新鮮なフルーツを扱うことができ、かき氷にかけるソースもフレッシュ(生)にこだわり、煮詰めたものは使用していないのだとか。入荷するフルーツによって一週間限りの限定品も提供されるなど、まさにここでしか味わえない楽しみがあります。

まずは一番人気、定番のいちごミルクをいただきました。

いちごミルクは練乳にフレッシュないちごソースをたっぷりとかけていただくスタイルです

いちごミルクは練乳にフレッシュないちごソースをたっぷりとかけていただくスタイルです

撮影ポイント:ソースが氷全体にたっぷりとかかったタイミングを狙います。連写で捉えるのがコツです。

甘酸っぱいいちごと練乳の組み合わせはチーズケーキのよう。食べ進むと中からいちごが登場!

甘酸っぱいいちごと練乳の組み合わせはチーズケーキのよう。食べ進むと中からいちごが登場!

撮影ポイント:中心のいちごにしっかりとピントを合わせ断面を見せます。ソースの艶も見せつつ画面の切り取りを。

最後に練乳水にイチゴをつぶしてイチゴミルクとしてもおいしいです

最後に練乳水にイチゴをつぶしてイチゴミルクとしてもおいしいです

もう一つ味わったのは、限定のチョコミント。見た目にもとても清涼感があります。クリームとチョコをあしらったトッピングで可愛らしさが引き立っていますね。

撮影ポイント:かき氷が真っ直ぐに見えるように真横から。画面左側を開けてバランスを取り、ポストカードのようなイメージに。

ミントシロップのさっぱり、ひんやりとした甘さが口の中に溶けて広がり、深層部に進むにつれチョコレート氷とチョコチップが混じり合い、しっかりとした甘さが際立ってきます。

アイスクリームのチョコミントとは異なる、後味すっきりとした清涼感にチョコチップがおいしい!

アイスクリームのチョコミントとは異なる、後味すっきりとした清涼感にチョコチップがおいしい!

撮影ポイント:ここでも中心のチョコレート氷にピントを合わせます。スプーンも一緒に切り取ることで、自分自身が食べているイメージになります。

チョコミントの他にも、紫芋カスタード、ハスカップヨーグルト、黒ゴマきなこなどの限定メニューや、スタッフ独自のアイデアメニューも多数あり、巣鴨でしか味わえないかき氷があるなんてちょっとした驚きでした。

◆かき氷工房 雪菓
住所:東京都豊島区巣鴨3-37-6
営業時間:平日11:00~17:00(LO)/土日祝11:00~17:00(LO) ※17:00までに名簿に名前を書けば入店可能
定休日:月曜(臨時で夜営業あり)

都電停留場のお店 「甘味処 いっぷく亭」 さんへ

巣鴨地蔵通り商店街を真っ直ぐに進むと商店街の終点に庚申塚(こうしんづか)交差点があり、右手には巣鴨猿田彦大神庚申堂があります。この場所は中山道板橋の宿場にも近く、江戸時代には旅人の休憩所としてにぎわいのあった場所で、広重の浮世絵にも描かれている江戸の名所なのだとか。そのゆえんもあってか、巣鴨には甘味処が多く見られます。

猿田彦大神とは日本神話に登場する神様です

猿田彦大神とは日本神話に登場する神様です

庚申塚交差点を過ぎるとさくらトラム(都電荒川線)の庚申塚(こうしんづか)停留場です。少し歩いただけで汗ばむ日本の夏。
早々と休憩を取るため、2軒目に立ち寄りました。停留場ホームと一体化するように佇む「甘味処いっぷく亭」さんです。

他ではなかなか見られない貴重なロケーション

他ではなかなか見られない貴重なロケーション

一息つき、店内から都電や人の往来を眺めていると、うだるような暑さが吹き飛んでいくような感覚に。店内は、ゆったりと緩やかな時間が流れているように感じられます。

こちらでもかき氷をいただきました。日本人には馴染み深い宇治金時。氷はあっという間に溶けてしまうのでサッといただくのがコツですが、この溶けた宇治抹茶がなんとも美味。冷たいお茶を飲みながら小豆をいただく、ちょっとした冷和菓子のように、サラッといただけます。

撮影ポイント:あっという間に溶けてしまう氷は、予め配膳していただく位置を予想してカメラを構えて待ちます。

氷が溶けても美味しいしっかりとした味の抹茶に、粒の立った小豆の口当たりがマッチしています 

氷が溶けても美味しいしっかりとした味の抹茶に、粒の立った小豆の口当たりがマッチしています 

撮影ポイント:外からは見えない小豆もピントを合わせてしっかりと写します。周囲がごちゃごちゃしないように近寄って、器の中だけを切り取ります。

特製のきな粉おはぎもいただきました。
「きな粉のおはぎ?」と思わず声を上げてしまう見たことのない姿に驚きでしたが、きな粉がこし餡に練り込まれているニュースタイル。滑らかな餡を一口頬張ると、口の中にきな粉の風味が広がります。

撮影ポイント:トレイの向きに合わせて、おはぎと湯呑の角度も右斜めに視線が動くように配置します。

「庚申塚にちなんだお猿さんの隠れキャラが店内のあちこちにいますよ」とオーナーさん。商品が提供されるまでの時間に、店内での隠れキャラ探しもいっぷく亭さんならではの楽しみです。

ちなみに、都電は駅ではなく、停留場なので電停(でんてい)と呼ぶのがツウです。

◆甘味処 いっぷく亭
住所:東京都豊島区西巣鴨2-32-10
営業時間:月~日、祝日、祝前日10:00~18:00 (料理LO17:30、ドリンクLO17:30)
定休日:不定休
電話:03-3949-4574

ロマンチックなロケーションで地元のビールを味わう

最後に、庚申塚から都電に乗車して大塚駅前へ足を延ばしました。歩いても15分程度ですが、ここは都電で旅気分を満喫しましょう。
さくらトラム(都電荒川線)は三ノ輪橋~早稲田間(12.2km)の30停留場を約1時間で走る、東京に残る唯一の路面電車です。どこまで乗っても片道/大人運賃170円(IC168円)というリーズナブルな料金。長年地域の人たちの身近な「足」として利用され、親しまれています。私自身も都電の走る街で育った一人なので、とても愛着のある電車です。

大塚駅前電停 ホームを降りるといつもとは違う眺めに

大塚駅前電停 ホームを降りるといつもとは違う眺めに

撮影ポイント:思い切りローアングルでから撮影できるので、車体を上に配置し線路の反射も見せます。車両デザインに合わせてカメラの色設定を「レトロ」にして撮影。

大塚には、街の魅力を発信している都市型リゾートホテル「OMO5東京大塚 by星野リゾート」があります。街の雰囲気を楽しみながらビールを堪能できる「都電ビアベース」が期間限定で開催中ということを知り、これは逃せない! と都電好きの私はテンションが上がりました。

店内の様子が見えずドキドキしながらホテル4F ロビーまで上がります。宿泊していなくても利用できますよ

店内の様子が見えずドキドキしながらホテル4F ロビーまで上がります。宿泊していなくても利用できますよ

ロビー階に到着すると、そこはまるで都電の中。カウンター席に取り付けられているつり革や降車ボタンは、実際に都電荒川線で使われていたものなのだとか。窓の外には街灯りが見え、都電に乗っている気分に浸れます。

ホテルの中とは思えないシチュエーションが楽しめます

つい押してしまいますね。※音はなりません

窓から見える薄暮時間の青色がとてもムーディです

撮影ポイント:薄暮時間帯を目指して訪れるのがポイント。窓の外に青色が広がりムーディな印象に。ほんの少しフィルム調のフィルターをかけてみるとレトロ感が増します。

提供されるビールは、地元大塚のブリュワリー「NAMACHA ん Brewing」とOMO5東京大塚が共同開発したオリジナルビールで、ビアセットには燻製のナッツとオリーブのおつまみ2品付き。運転手になり切ったスタッフさんのアナウンスとともに、ミニチュアの都電がビールを運んでくれますよ。

店内のいたるところに都電に関するアイテムや雰囲気が施され、ビールを待つ間にも楽しみがいっぱいです

店内のいたるところに都電に関するアイテムや雰囲気が施され、ビールを待つ間にも楽しみがいっぱいです

ミニチュア都電に乗ってビールの到着。ブリュワリーのロゴ入りグラス

フルーティーなラムネもあります

燻製の味が広がるリッチな味わいのおつまみ

撮影ポイント:食べ物などは、露出補正が肝です。ビールの泡や器の白さが真っ白にならないように気を付けながら画面を明るめに調整します。

テラスの特等席は、眼下に街を走る都電と夜景を眺められるプライベート空間。ビールを片手に乾杯! 駅から2分の立地でこんな贅沢なロケーションはなかなかないのでは?

素敵なロケーションで乾杯するとムードが高まります

素敵なロケーションで乾杯するとムードが高まります

撮影ポイント:背景が遠くに離れている時、手前のビールにピントを合わせることで街灯りが玉ボケとなって印象的に見せることができます。

期間限定開催なのがもったいないくらいワクワクする空間。ムーディなロケーションの 「都電ビアベース」を堪能し、充実のご近所旅でした。

◆OMO5東京大塚「都電ビアベース」
住所:東京都豊島区北大塚2-26-1
期間:2022年8月31日まで
料金:入場無料
予約:不要
備考:テラスの特等席のみ先着順
時間:17:00~22:00

おわりに

巣鴨・大塚の隣町に育った私も、思い切り楽しめた今回の写真散歩。年々街の様子が変わり、住みやすさと共に快適さが増しています。かつての巣鴨・大塚を知る人には信じがたいくらいのイメージチェンジを遂げているので、知らない人にもぜひ一度は訪れてもらいたい町です。夏はこんなに近場でも楽しめる! と、思いがけず実感した一日でした。

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#和菓子 #かき氷 #巣鴨 #大塚 #GR #RICOHGR #都電 #さくらトラム #こばやしかを #旅 #国内旅行

Author

写真家

こばやしかをる

1996年フォトスクールで写真の基礎を習得後、デジタルデータ制作を写真関連企業の現場で習得。主にプリントの現場から写真を学ぶ。現在はフォトアドバイザー、展示・イベント企画、執筆、プロデュースなど、写真に関する幅広い活躍の場を持つ。「GR3 PERFECT BOOK」(インプレス)そのほか、「写ルンです」のワークショップ・テキスト、スマホ写真センスアップ術などもの監修を手掛けている。

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