スマホでも撮影できる! 絶景プロデューサー・詩歩さんに聞く撮影のコツ

『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』の著者である、絶景プロデューサー・詩歩さんから、春だからこそ行きたい日本の絶景スポットを教えていただきました。この時期にしか見られない日本の絶景を、ぜひ堪能してくださいね。絶景プロデューサー・詩歩さんに、撮影の時に工夫していることや絶景スポットの情報収集方法を教えてもらったのでご紹介します。誰でも撮れるような写真を心掛けている詩歩さんによると、「条件がそろっていればスマホでもきれいに撮れるので、私もスマホで撮ることがあります」と話してくれました。
目次
使用しているカメラはこちら
使用しているカメラはSONYの「α7C」、レンズは2つ持っていて、基本的にこのセットでどこでも行くという詩歩さん。全般的にコンパクトな「αシリーズ」の中でも、一番コンパクトなものが「α7c」です。上位機種よりは少し劣りますが、旅先ではよく歩くので、移動時に少しでも負担を軽減させるために使用しているとのこと。三脚は必要があれば持っていきますが、混雑している場所だと三脚を立てられないので、あんまり持っていきたくないというのが本音のよう。
ここからは詩歩さんが絶景を撮影するときに工夫していることを紹介します。
①タイミングが重要。最適な時間帯を狙おう

高千穂峡(宮崎県)
新緑がきれいな春の時期に撮影したこの1枚。ボートを一番いいところで撮影するために長時間待っていたようですが、絶景を撮影するには長時間の待機はもちろん、早朝から深夜まで撮影をすることもあるようです。
詩歩さんコメント
「ちゃんと時期を選べばいい写真は撮れると思っています。ただ、タイミングは重要です。例えば京都・嵐山にある竹林のように24時間いつでも撮影できる場所は、日が昇った朝6時、7時頃をねらって行くと人物の入らないきれいな写真が撮れます。朝の雲海の撮影だと午前3時に出発したり、星空の撮影だと深夜1時にホテルへ戻ることもありますね」。
◆高千穂峡
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町向山
②比較対象と一緒に撮影して規模感を出す

海津大崎(滋賀県)
滋賀県の琵琶湖で撮影されたこちらの写真、ひとりで撮影したのだそう。三脚などがなかったため、リュックの上にカメラを乗せ、手持ちのものでカメラを固定して、セルフタイマーで自身も写るように撮影しました。
詩歩さんコメント
「海津大崎は絶景で有名な場所なので、一度は訪れてみたいと思っていました。湖の湖畔に桜の枝がちょうどいい感じに降りているのがきれいだと思ったので撮影しようと思ったのですが、湖と桜の写真だけだと比較対象がなくて締まらないと思い、私自身が映ることによって桜と湖の規模感を出してみました」。
◆海津大崎
住所:滋賀県高島市マキノ町 海津
アクセス:湖西線マキノ駅
徒歩/マキノ駅~サニービーチ・湖のテラス 経由~海津大崎(大崎寺付近)まで約60分
バス/JRマキノ駅から国境線バスで約6分「海津1区」下車、並木口まで徒歩約2分。または、マキノ高原線バスで約3分「海津大崎口」下車、並木口まで徒歩約6分
③自分を入れ込むときは絶景の邪魔にならないように
詩歩さん自身も写真に写る場合、服装にもかなり気を付けているとのこと。白色や黒色の服を着ていると風景になじんでしまうので、あえて避けているようです。
詩歩さんコメント
「服装にはすごく気をつけています。例えば新滝の氷瀑のように水や氷っぽいところに行く場合は赤い服を着て、自分自身が目立ちすぎず、いいアクセントになるような色の服を選びます。青色だと空と一緒の色になってしまい、緑色だと植物と一緒の色になってしまう。そういうことを考えたうえで、場所によっては服を着替えたりすることもあります」。
◆新滝
住所:長野県木曽郡王滝村
アクセス:JR木曽福島駅から/車、タクシー、バス 約50分
中央自動車道伊那インターから/約70分
◆北沢浮遊選鉱場跡
住所:新潟県佐渡市相川北沢町3-2
アクセス:両津港から車で約50分
④情報収集が9割! 下調べをすればスマホでもきれいに撮影できます
絶景を撮影するときに特別な心構えは特にないと話した詩歩さんですが、下調べは徹底的にするようです。下調べをきちんとして、一番いい時期に行けばスマホでもきれいに撮影できると教えてくれました。
詩歩さんコメント
「情報収集は大切ですね。私の場合、下調べが9割です。情報収集は基本的にSNS。何も情報がない状態で使うのがInstagram。具体的に場所を絞って調べるときはTwitterを使います。他にはGoogle検索で調べたり、地元に住んでいるカメラマンの情報を調べることもありますね。人気のスポットは昼には混雑してしまうので、人のいない時間帯をねらっています。写真の技術以上に、少しの手間をかければ誰でもできることをちゃんとやるのが大切です」。
おわりに
詩歩さんが絶景を撮影するときに工夫していること、すべてに共通していることは「絶景が一番美しく見えるときに撮影すること」。そのための情報収集は怠らないようです。
まだまだ行きたいところが沢山あるという詩歩さん。ひとつの場所でも季節によっては景色が変わるので、行きたいところは尽きないようです。だんだん暖かくなってきたので、外へお出かけをしたくなる季節になってきました。詩歩さんの話を参考に、絶景写真の撮影に挑戦してみてください。
◆詩歩

「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー。静岡県・浜松市観光大使。静岡県出身。世界中の絶景を紹介するFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を運営し、SNSのフォロワー数100万人以上。昨今の”絶景”ブームを牽引し、流行語大賞にもノミネートされた。現在はフリーランスで活動し、旅行商品のプロデュースや自治体等の地域振興のアドバイザーなどを行っている。主著に 『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』 (三才ブックス)、『絶景を旅するシンプル英会話50』(KADOKAWA)などがある。