グルメを「おいしい」で終わらせない! 元dancyu編集長・江部拓弥さんのライター講座
2月2日(水)江部拓弥さんをゲストに招き、第三回ライター講座を実施しました。LIKESメンバーの原稿添削に加え、旅に欠かせない“おいしい”ものを表現するコツや文章を書くうえで気を付けるポイントも教えていただき、大変貴重なイベントになりました。気になる講座の様子を一部ご紹介します。
目次
ゲストは江部拓弥さん
1969年、新潟県三条市生まれ。高校卒業を機に上京。大学を卒業後、プレジデント社に入社する。『プレジデント』編集部などを経て、2013年より『dancyu』編集長。2018年にdancyu webを立ち上げ、2020年からはクロスメディア編集長として、食の書籍などを手掛ける。ベースボールとカレーライスとロックンロール好き。
テーマは「旅先で飲んだ1杯のコーヒー」について
添削を希望したメンバーには「旅先で飲んだ1杯のコーヒー」をテーマに400文字以内で原稿を書いてもらいました。1杯のコーヒーについて触れていればお店や内装のこと、コーヒーカップのこと、一緒に食べたスイーツなどを添えてもよし。最近旅に行けていない方は近所のコーヒーもOKというルールで、19人のLIKESメンバーが原稿を提出しました。
グルメライターとして文章を書くコツ
江部さんによると、食の最上級の誉め言葉は「おいしい」。本当においしかったとしても、「おいしい」の一言ですべてが片付いてしまいます。いかに「おいしい」という言葉を使わずに味を伝えられるかが、グルメライターとして必須スキルのようです。
また、みんなが知らないであろうテーマを見つけることも必要な技術。。常にそのような視点を持っていると、良い記事につながります。
他にも文章を書くコツを紹介していただきましたが、講座の中で挙げられたポイントを4つご紹介します。
【1】指示形容詞はできるだけ使わない
「こんな」「そんな」など、原稿を書くときに使いがちな指示形容詞は多くの場合、使わなくても意味が通じるうえに、より綺麗な原稿に仕上がります。こちらの原稿も「その」「それは」がなくても文章が成り立ちますね。指示形容詞はできるだけ使わないように意識しましょう。
【2】接続詞がなくても文章は成り立つ
原稿を提出してくれたメンバーの多くが使っていたのですが、「しかし」「そして」などの接続詞はなくても大丈夫です。この原稿も「しかし」がなくても意味が通じますね。本当に接続詞が必要な場合は別の表現を考えると、より良い文章になります。
【3】常套句は違う言葉にかえて表現する
使い勝手が良く、メンバーに書いてもらった原稿にもよく出てきた常套句について、あらためて考えると実態がわかりにくいと思いませんか? こちらでも「試行錯誤」「パンチの効いた」「至高」といった言葉が使われています。例えば「パンチが効いた」という言葉について、どのようにパンチが効いているのかを具体的に表現をするとより文章に幅が出てくるようになるので、常套句を使わないで文章を書く練習をしてみるといいですね。
【4】説得力を持たせる文章を心がける
常套句はできるだけ使わないというアドバイスがありましたが、説得力のある文章に変換すると読者がより関心を持ってくれます。こちらには「優しく気持ちを落ち着かせ」という表現がありました。なぜ気持ちを落ち着かせたのかという説明が入ると、最後の「以来、見つけたときは必ず、僕はフラットアウトを注文する。」の一文にも意味が生まれます。
今後の旅色LIKESにもご注目!
旅色のファンコミュニティ「旅色LIKES」ではメンバー限定の写真講座やライター講座といった専門講座のほか、宿泊企画「お試しステイレポ」やオリジナルバスツアーなども実施しています。2月には新たに3期生が加入しました! 次回メンバー募集は4月の予定です。興味のある方はぜひご参加ください。