高崎白衣大観音 慈眼院
群馬県/高崎市
高崎白衣大観音 慈眼院
高崎の空にほほ笑む観音様をいただく寺院
群馬県高崎市の観音山山頂にて、慈悲の象徴として佇む高崎白衣大観音をいただく「慈眼院」。高野山真言宗の別格本山として、長い歴史と深い信仰を今に伝えている。街を見守る高崎白衣大観音は、1936年(昭和11年)に高崎市の実業家井上保三郎氏が建立。高さ約41.8mという壮大なスケールも人気だ。境内には春を彩る約3,000本の桜をはじめ、四季折々の美しい自然が訪れる人の心を癒やしており、毎年9月には伝統行事である万灯会が行われ、1万を超える灯明が幻想的な光景を生み出している。

- 巨大な高崎白衣大観音は、1936年(昭和11年)に建立された。訪れる人々に大きな感動を与え、地域を見守り続けている。
- 元禄時代に過去帳・古文書などを焼失したが明治時代までは高野山の学問寺として栄え、多くの真言僧が学び、布教・教化に努めた。
- 高崎白衣大観音は2000年(平成12年)に国の有形文化財に登録され、信仰と観光を融合したシンボルとして進化を続けている。
住職
橋爪 良真
住職であり、地域の象徴である高崎白衣大観音を守る活動にも従事。観音像の保全や再建基金の呼びかけ、地域行事の開催などを通じて市民との交流を深めている。
旅路に刻まれる和の印影
御朱印は「大白衣観世音」「東国花の寺」「大悲殿」「聖観音」の4種類で、行事に合わせた限定御朱印が頒布されることもある。「大白衣観世音」の御朱印は、胎内拝観と併せて拝受しよう。
七五三
お宮参り
縁結び
縁切り
金運
商売繁盛
厄除け
無病息災
安産祈願
合格祈願
交通安全
子宝
芸能
恋愛成就
五穀豊穣
家内安全
学業成就
病気平穏
開催月 | 行事 | 時間 |
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1月1日 | 修正会 | |
1月2日 | 初護摩 | |
2月14日〜3月14日 | 赤い糸祈願祭(3月上旬に「愛を叫ぶコンテスト」を開催)・期間限定御朱印・虎舞士(こぶし)奉納の舞 | |
4月 |
桜まつり・桜のライトアップ
桜の開花時期 |
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4月8日 | 花まつり(甘茶の接待) | |
5月 |
「五色龍王襖絵」の特別公開
GW頃 |
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6月15日 | 弘法大師生誕日 | |
9月中旬 | 万灯会 | |
10月上旬 | 四国八十八ヶ所お砂踏み霊場 | |
11月 |
紅葉まつり
紅葉の時期 |
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11月17日 | 千体観音総供養・井上翁彰徳祭・甘酒千人供養 | |
11月下旬 | 「五色龍王襖絵」の特別公開 | |
12月 |
白衣大観音大すす払い(胎内拝観休み)
冬至 |
過去の物語を辿る
由来、由緒
観音の慈悲がともす心の平和
鎌倉時代中期の寛喜年間(1229年~1232年)に、執権北条義時の三男北条重時が高野山に「慈眼院」を創建。当初は高野山金剛峯寺の塔頭寺院(たっちゅうじいん)のひとつで、学問と修行の場として栄えていた。しかし明治時代になり廃仏毀釈により多くの寺院が統廃合されるなか、昭和初期にはその存在が危ぶまれるまで衰退した。一方、1936年(昭和11年)に高崎市の実業家井上保三郎氏が戦没者の霊を慰め観音の慈悲の光明を広めるために、高崎白衣大観音を観音山に建立。1941年(昭和16年)「慈眼院」は別格本山となり、高野山から観音山へ「高野山別格本山 慈眼院」として移転が決まる。高崎白衣大観音は、本尊聖観世音菩薩の前仏という位置付けとなった。「続紀伊風土記」に、聖観世音菩薩は鎌倉坂下村の安左衛門という文人が由比ヶ浜で漁をした時に網にかかった尊像とある。

高崎市を見守る街のシンボル高崎白衣大観音
街のシンボル高崎白衣大観音は、1936年(昭和11年)に完成した。高さは約41.8m、重さは約5,985トンあり、その姿は遠くからでも見えることで知られている。胎内は9層に分かれており、各層に祀られた仏像が人々に安らぎを与えている。最上階からは広大な関東平野が望め、その美しさに心が洗われるような感動を得ることができるだろう。

花の名所で関東八十八カ所霊場の1番札所
関東八十八カ所霊場の霊的な意義が深い1番札所であり、また「東国花の寺百ヶ寺」のひとつにも選ばれた花の名所として広く知られている。春には約3,000本もの桜が咲き誇り、新緑や紅葉、冬の雪景色と季節ごとに異なる風情に人々は魅了される。「高崎白衣大観音 慈眼院」は静かな環境と自然の美しさに安らげる場所として、多くの人に愛されている。
伽藍
千体観音が見守る深い信仰の聖地に佇む伽藍
鎌倉時代中期に高野山で創建された「慈眼院」は、1941年(昭和16年)に現在の観音山に移転し寺格は「高野山 別格本山」となった。現本堂、高崎千体観音堂は、1986年(昭和61年)に高崎白衣大観音建立50周年を記念して造営され、本尊聖観世音菩薩を中心に1,000体の観音像が安置された。これは1,000人の施主から奉納されたもので、信仰の深さを象徴している。観音像の原型製作は彫刻家長谷川昂氏、本堂の設計は工学博士伊藤平左ェ門氏によるもの。また大師堂には弘法大師像と、学業成就や合格祈願に御利益がある虚空蔵菩薩像が祀られ、ともに“知恵の仏様”と崇められることから多くの参拝者が願いを届けに訪れている。「慈眼院」は関東八十八カ所霊場の1番札所であり、さらに関東1都6県の“花の寺”を巡礼する「東国花の寺百ヶ寺」のひとつとしても人気が高い。

四季折々の風景も格別な「一路堂」
高崎市出身の馬場一路居士の遺墨が常時展覧されている「一路堂」は、未亡人の発願により1974年(昭和49年)に建てられた。居士は生涯に33,787本もの観音施画や数多くの書画を残した信心の人として知られる。堂の設計は建築家の故水原徳言氏。茶室や和室があり、茶会や句会などでも利用が可能。穏やかな環境で、カフェとしても営業している。

弘法大師に導かれる学びと祈りの聖地
関東1都6県の真言宗各派寺院が中心となり、1995年(平成7年)に霊場を巡る“平成の大師の道”を発願し関東八十八カ所霊場が開創された。「高崎白衣大観音 慈眼院」は1番札所に選定され、新たに建立した大師堂に本堂の弘法大師像を奉祀。また2001年(平成13年)には、弘法大師とともに“知恵の仏様”といわれる虚空蔵菩薩像が寄進された。
宗派
弘法大師と歩む現代の祈り
「慈眼院」は、空海(弘法大師)が開創した日本仏教の一大宗派、高野山真言宗に属している。高野山真言宗は和歌山県の高野山金剛峯寺を総本山とし、真言宗の教えと伝統を継承。なかでも「慈眼院」は、総本山直属の格式高い寺院を示す「高野山 別格本山」という特別な寺格を持っている。創建は鎌倉時代中期で、執権北条義時の三男北条重時が高野山に「慈眼院」を開いたことに始まる。創建当初から「慈眼院」は、高野山金剛峯寺の境内にある学問寺、学侶方の塔頭寺院(たっちゅうじいん)として栄え、多くの僧侶が真言宗の修行や学問に励む場となった。やがて明治時代に執行された神仏分離や、その影響による廃仏毀釈の難を乗り越え、1941年(昭和16年)に群馬県高崎市の観音山に移転し今に至る。

弘法大師空海の教えを継いだ願いを託す寺院
真言宗は密教の教えを基盤とし、その根本仏である大日如来を中心に宇宙の真理を追求。「慈眼院」には本尊聖観世音菩薩の慈悲と知恵が息づき、信仰を集めている。境内には弘法大師像や学業成就と合格祈願の虚空蔵菩薩像を祀り、多彩な願いを託す参拝者が訪れる。また関東八十八カ所霊場の1番札所で、巡礼者にとって特別な意味を持つ。

観音様の慈悲に包まれ地域と絆を深める
「高崎白衣大観音 慈眼院」は観光スポットとしても人気があり、年間を通して仏教や地域の行事でにぎわっている。特に伝統行事の万灯会は教えに触れて心を清める、参拝者や地元の人々にとって大切なイベント。「高崎白衣大観音 慈眼院」は地域の文化や歴史を守り次世代に伝える役割も果たし、観光を楽しみながら学びが得られる場として親しまれている。
文化財
色鮮やかに舞う龍に仏の力を五感で感じる
「五色龍王襖絵」は、5色の龍王7頭が上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)に降り立つ物語を描いた41枚の大作。仏教では龍と観音は深いつながりがあるとされ、5色(青、黄、赤、白、黒)は仏の五智を現し、大日如来を中心とした5仏にも結び付いている。また仏教で龍は「天竜八部衆」の一員で、特に水や雨をつかさどる神聖な存在。「五色龍王襖絵」には、高崎白衣大観音70周年を意味する7匹の鯉が登竜門である滝を上り、7頭の龍王に変身する様や、高崎市と周辺地域を災厄から守る神聖な存在であることが上毛三山を背景に描かれている。地域の守護神が描かれる絵図は単なる美術作品にとどまらず、寺院の信仰と地域社会の守り手としての役割を象徴的に表現し感動を与えている。高崎白衣大観音70周年を記念して、2006年(平成18年)に仏画師の江本象岳氏により奉納された。

5色の龍が紡ぐ物語と自然の景色との融合
ふすま絵に登場するのは、色鮮やかな5色の龍王。豊かな色彩で描かれた龍図の迫力には圧倒されることだろう。描かれた物語の進行に合わせて、順番どおりに拝観するのがおすすめ。作者が仕掛けた“茶目っ気のある表現”も見つけてみたい。公開時期はツツジや藤の花がきれいなGW頃と、紅葉シーズンの11月末頃で、和室の窓から見える風景も楽しめる。

神聖な空間を作り出す「五色龍王襖絵」
仏教寺院におけるふすま絵は、古くから仏教の教えや神聖な存在をより深く感じるための手段として機能していた。この「五色龍王襖絵」は仏教的な教義や信仰を視覚的に表現した重要な芸術作品で、訪れる人々に強い印象を与え精神的な豊かさをもたらしている。劣化する可能性が高く、「慈眼院」でも地域の文化財として大切に扱っている。
観音山の魅力
豊かな自然に信仰の精神が息づく観音山
高崎白衣大観音の周辺に広がる観音山は、自然の美しさと深い信仰の精神が融合した穏やかで心安らぐ場所。山頂に「高野山別格本山 慈眼院」があり、高崎白衣大観音を中心にさまざまな歴史と文化に触れることができる。高崎市のシンボルといわれる巨大な観音像は、高さ約41.8mと壮大。1936年(昭和11年)に、戦没者の霊を慰め、観音の慈悲の光明を広めるために建立された。内部には146段の階段があり、最上階の展望台からは高崎市街や上毛三山などを一望する圧巻の景色が楽しめる。また観音山は四季折々に美しく、春にはおよそ3,000本の桜が咲き、夏は新緑、秋には紅葉、冬になると雪景色が高崎白衣大観音の佇む静かな環境と相まって、人々をそっと癒やしてくれる。特に桜のシーズンは多くの参拝者や観光客が、日本の美しい風景を眺めながら心和むひとときを過ごしている。

伝統と風情が交差するにぎやかな商店街
土産物店や飲食店が並ぶ「観音山 参道 商店街」に立ち寄ってみよう。地元で“ヒッパタキ”と呼ばれる、こんにゃくに甘辛い味噌ダレがたっぷりかかった「味噌おでん」、手打ちそば、焼きまんじゅうなどが堪能でき、観音像の形の「観音もなか」はお土産にぴったり。また、幸せを呼ぶと話題の「かどや」で飼われているフクロウの福ちゃんもぜひ拝みたい。

自然と信仰が息づく観音山公園で心を癒やす
観音山丘陵の地形や起伏など自然環境を活かした「観音山公園」。高崎白衣大観音の近くには約3,000本のソメイヨシノやヤマザクラが咲き誇り、ライトアップされた夜桜見物でも有名。また、斬新なデザインと構造の遊具で子どもたちが自由に創造して遊べる「ケルナー広場」や、ピクニックも楽しめる「芝生広場」もあり、多くの人々が心を癒やしている。
寺社の境内に広がる四季折々の美しい風景と、自然の移ろいをご紹介します。


万灯の光に導かれる
観音の夏夜


紅葉に染まる観音山で
千体観音と巡る秋の祈り


初詣の鐘が響く
高崎白衣大観音の清い冬


- 住所
- 群馬県高崎市石原町2710-1
- アクセス
- [車]関越自動車道高崎ICより約30分 [電車]JR各線高崎駅より車で約10分
- 公式HP
- https://takasakikannon.or.jp/
- TEL
- 027-322-2269旅色を見たとお伝えいただくとスムーズです。
- SNS
- FAX
- 027-326-6131
- 営業時間
- 9:00~17:00※11月~2月は9:00~16:30
- 定休日
- 無休
- 料金
- 胎内拝観料:大人(高校生以上)300円、小人(中学生以下)100円
- 駐車場
- 無※近隣に提携駐車場有り、詳細は公式HP参照

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高崎白衣大観音と
咲き誇る春の祈り