歌懸稻荷神社

山形県/山形市

歌懸稻荷神社

歴史と文化を伝え地域に寄り添うお稲荷様

JR山形駅から徒歩約8分、山形自動車道山形蔵王ICから車で約15分の場所に鎮座する歌懸稻荷神社。夏は花笠まつり、冬は山形市初市と、歴史あるイベントでにぎわう地域を“お稲荷さん”が見守っている。6柱の大神様を祀り、主祭神は稲倉魂命（いなだまのみこと）で五穀豊穣、商売繁盛などに御利益がある。人気の御朱印には限定御朱印もあり、さまざまなデザインが揃っていると話題。夏詣限定御朱印が頒布される季節には境内にたくさんの提灯が飾られ、夏詣の風習を楽しむ人々が集まり歴史と文化を継承している。

1618年（元和4年）、五佛山吉祥院が神仏習合によって京都伏見から勧進されたお稲荷様を祀ったことで、歌懸稻荷神社が誕生。
近くに歌を詠まないと渡れない橋があったことから、参拝者が歌を書き奉納するという習慣が生まれたのが社名の由来と伝えられる。
神社の西側には当時の姿のまま残されている山形城の「三ノ丸の土塁と堀の跡」があり、境内には三の丸跡が残り、碑が立っている。

鮮やかなデザインが人気の夏詣御朱印

夏祭りの雰囲気が伝わる花火や提灯が描かれた、鮮やかなデザインの夏詣限定御朱印が人気です。「歌懸稻荷神社」の文字色は、その年によって変えているので、今年の色を楽しみにしていてください。頒布期間は7月頭～8月末の約2カ月間を予定しています。
たくさんの提灯に照らされるすてきな夏詣

毎年7月第2金曜日に、境内で「願いちょうちんやっしょまかしょ」の点灯式を行います。子どもたちが将来の夢や願いを描いた提灯をはじめ、大小さまざまな提灯が約1カ月間の夏詣の季節を彩ります。花笠まつりの際には立ち寄って夏の夜を楽しんでください。

旅路に刻まれる和の印影

通年で頒布する御朱印は4種類あり、そのうちの1つ、歌懸御朱印（見開き）は書かれる歌が毎年変わり、切り絵御朱印は半年ごとにデザインが変化。ほかにも夏詣限定御朱印、初午限定御朱印など種類豊富。

七五三
お宮参り
縁結び
縁切り
金運
商売繁盛
厄除け
無病息災
安産祈願
合格祈願
交通安全
子宝
芸能
恋愛成就
五穀豊穣
家内安全
学業成就
病気平穏

開催月	行事	時間
毎月1日毎月10日	月次祭
1月1日	歳旦祭・氏子町内新年祈願祭・新年祈願祭
1月10日	商いの神市神例祭
3月のみ	初午大祭旧暦初午の日
4月第2土曜日	春祭
7月のみ	宵宮祭（鎮火祭）例祭の前日
7月第2土曜日	例祭
11月第2土曜日	秋祭
11月15日	七五三詣
12月31日	年越大祓

過去の物語を辿る

由来、由緒

歌を奉納する習慣が名前の由来となった神社

1618年（元和4年）、前身の五佛山吉祥院が神仏習合によって京都伏見から勧進されたお稲荷様を祀り、歌懸稻荷神社が鎮座。五佛山吉祥院は山形城主斯波兼頼（のちの代で最上を名乗る）が城の守り神として信仰することにより民心の安定を図っていたとされ、続く歌懸稻荷神社は、“お稲荷さん”の愛称で親しまれる五穀豊穣、商売繁盛の神様、稲倉魂命（いなだまのみこと）を主祭神として崇めた。当時は現在のJR山形駅付近にあり、近くに歌を詠まないと渡れない橋があったことから、参拝者が短冊に歌を書き奉納するという習慣が生まれ社名の由来になったと伝えられる。1622年（元和8年）に城主となった鳥居忠政により現在の場所に移り、縁日である10日ごとに市が開かれたことが十日町の名の起源となった。以来地域との結び付きは深く、現在も歴史と文化を伝える重要な神社となっている。

社殿

歴史と伝統が息づく静かな境内に立つ社殿

歌懸稻荷神社は当初山形城下、現在のJR山形駅付近にあり、1622年（元和8年）に城主となった鳥居忠政が現在の場所に移している。1867年（慶応3年）に建てられた一の鳥居をくぐった先に立つ本殿・拝殿には、主祭神稲倉魂命（いなだまのみこと）をはじめ、大市姫命（おおいちひめのみこと）、大国主命（おおくにぬしのみこと）、猿田彦命（さるたひこのみこと）、日本武尊（やまとたけるのみこと）、火産霊神（ほむすひのかみ）を祀り、祭儀やご祈祷が執り行われている。また境内社には、伊勢の神宮、天照大御神の分霊が鎮まる神明神社があり、そのほか子育て地蔵尊、火防神、市神様が祀られている。さらに、1986年（昭和61年）に山形城跡として国指定史跡になった11代山形城主最上義光時代の三の丸跡があり、1961年（昭和36年）に造られた「三の丸の碑」が歴史を伝える。