東海オンエアゆめまるの「のんべえ日記。」in 高知県高知市

無類の酒好きゆえに、ついたあだ名は「黒霧島」。
そんな人気動画クリエイター・東海オンエアゆめまるさんと
お酒とおつまみを楽しむ飲み旅に出かけます。
今回は、ゆめまるさんが「ずっと行ってみたかった」と話す高知へ。
“べろべろの神様”が降臨するという酒イベントや
「返杯」や「菊の花」といった土佐独特の酒文化が残る、
高知はのんべえが避けては通れないまちでした。

写真/中野修也(TRON) 文/近藤由美

「返杯(へんぱい)」とは、同じ杯でお酒を酌み交わして交流を深める土佐流のコミュニケーション方法。注いでもらったお酒を飲み干したらその杯を相手に返してお酒を注ぎます。注がれたお酒は飲み干すのが鉄則です。

「菊の花」は土佐のお座敷遊びのひとつ。おちょこをお盆の上に人数分用意し、そのひとつに菊の花を隠しておちょこをすべて裏返します。お盆を回して分からなくし、「誰が取るのか菊の花」と歌いながらひとりずつおちょこを開けていって菊の花が出た人がアタリ。それまでに空いた杯に酒が注がれ、すべてを飲み干さなければなりません。

市場レストラン 西村商店
市場レストラン 西村商店

まずは腹ごしらえ。カツオランチで心身を整え、準備運動 市場レストラン 西村商店

高知県が全国一の消費量を誇るカツオ。そんな旨いカツオをコスパよく、しかもたらふく食べたいなら、「市場レストラン 西村商店」一択です。カツオ漁師の町で生まれた店主の西村さんは「市内には、お昼から新鮮な魚介類を食べられるお店がほとんどなかった。ご飯と一緒においしい魚を食べてほしい」と、オープンのきっかけを話します。現在では、平日でも100席ある広い店が満席になるほど、地元民はもちろん観光客も注目する人気店に。ゆめまるさんは、刺身とタタキの両方を味わえる「鰹の刺身とタタキ定食」をオーダー。そして高知での最初の一杯は、爽やかな香りと酸味の「ぶしゅかんサワー」を。料理の邪魔をせず、食欲を刺激するような名脇役なサワーです。大きく、しかも厚切りのカツオを口に運ぶと「うま~っ! めちゃめちゃ旨い(昇天)」。間髪入れずに次のひと切れへ箸が伸びる様子を見れば、そのおいしさは言わずもがな。

市場レストラン 西村商店
市場レストラン 西村商店
「鰹の刺身とタタキ定食」2,030円。
刺身はしょうゆ、タタキは甘めのゆずポン酢や塩で
市場レストラン 西村商店
市場レストラン 西村商店
「モンズマの刺身定食」1,798円。モンズマ(スマ)は秋から冬の間に水揚げされるカツオで、トロのように脂がのっている

こちらのタタキは藁ではなく松の葉で焼く松葉焼きで、これが元祖という説もあるとか。高温で一気に表面を炙ることができ、風味に力強さがあるのが特徴です。定食に添えられているふろふき大根やひじきなど、日替わりのお惣菜も丁寧に作られていて、“飲み旅”を完走するための準備運動としてこの上ない献立。ゆめまるさんは「最高のウォームアップができました」と満足気な表情で店を後にしました。

市場レストラン 西村商店
市場レストラン 西村商店
「ぶしゅかんサワー」560円。ぶしゅかんは四万十市で栽培されている酢みかんの一種
市場レストラン 西村商店

DATA

市場レストラン 西村商店住所/高知県高知市葛島2-7-20
電話/088-855-8794
営業時間/昼11:00~15:00(LO14:30)、夜17:30~20:30(LO20:00)、土曜日17:30~21:00(LO20:30)
定休日/火曜日の夜

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高知散策してから次の店へ
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オーガニック&ジビエで乾杯!これが“のんべえ日記”始まりの合図 organic restaurant こころ

organic restaurant こころ
organic restaurant こころ
organic restaurant こころ
こども食堂としての役割も担うレストランで、明るい店内はカフェのような雰囲気

夜の帳が下りると、“のんべえ日記”の本番です。向かったのは、アーケードのある帯屋町一丁目商店街の一角に佇む「organic restaurant こころ」。「どなたにも安心して来ていただける店にしたい」という思いから、高知産の無農薬野菜を中心にオーガニックでグルテンフリー、砂糖はカロリーを抑え、GI値の低いアガベシロップを使用した料理を提供しています。

organic restaurant こころ
organic restaurant こころ
「贅沢おつまみセット」1,280円。この日は梼原産のジビエのソーセージ、キャロットラペなどと、おすすめの地ビール「土佐IPA(文旦)」

香りと苦みのバランスがよく、土佐文旦の柑橘感がプラスされた「土佐IPA(文旦)」と3種のおつまみが彩りよく並んだ「贅沢おつまみセット」がテーブルに届けられると、お待ちかねの乾杯です。「香りがいいビールですね。ビールの苦みにキャロットラペの甘みが絶妙な組み合わせ」とゆめまるさん。たまらずビールをおかわりします。クラフトビールは「メイドイン高知」を掲げる土佐カンパーニュブルワリーのもので、ほかにドイツ伝統の手法で作る「和醸ケルシュ」、高知産のゆずが香る「ゆずペールエール」があり、飲み比べも楽しそう。

高知県梼原(ゆすはら)町のジビエをいただけるのも特徴のひとつ。一般に、ジビエは高タンパク、低カロリーとカラダにうれしい食材であり、SDGsへの取り組みとしても注目されています。あっさりとした肉質が魅力のシカや、クセがなく食べ応えのあるイノシシのローストやパスタ、シャルキュトリーなどで楽しめます。このほか、苦手な食材などオーダーに応じてもらえるコースメニュー(4,000円~、2日前までに要予約)も。

organic restaurant こころ
梼原産鹿肉のローストをメインにした「満足アラカルト」2,080円

DATA

organic restaurant こころ 住所/高知県高知市帯屋町1-14-8
電話/050-8892-7396
営業時間/11:30〜16:00、17:30~21:00(LO20:30)
定休日/水曜日

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座屋 高知本店
1Fカウンター席の「将人」。料理は18,000円~のおまかせコースのみ、予約制

世界を知る店主との会話を楽しみ、高知の食文化について学ぶ 座屋 高知本店

「座屋」は高知に本店を置き、兵庫・神戸、東京・銀座、大阪・北新地、さらにはスペインのマドリードにも店を構える和食店。店主の岡添さんは各地の店舗を飛び回りながら、それぞれの場所で得たインスピレーションや新しい価値観などを料理や店作りに反映し、常に進化を続けています。「高知には海があり山も近い。つまり、すべての食材が身近にあるということ。そんな地の利を活かせば、地方のまちである高知からでもできることがあると思っています」と話します。

座屋 高知本店
店名の「座屋」は土佐弁で「ゆっくりしていきや」、「いざっていきや」という意味合いを込めたもの
座屋 高知本店
2F座敷の「座屋 高知本店」。コース、アラカルトメニューを用意

現在、1階は岡添さんが店に立てるときだけオープンする「将人」、2階は「座屋 高知本店」として営業。地元・高知の食材を使った料理や地酒を味わえるのはもちろん、数年待ちの商品もあるほど人気の田野屋塩二郎の塩を使っていたり、月替わりでセレクトされる日本酒とワインのペアリングが楽しめたり……、期待以上の食体験を叶えてくれます。

座屋 高知本店
「将人」のコース料理より「鰹のたたき」(2Fのアラカルトメニューは1,800円)。塩は同店のために作られたオリジナルで、結晶の異なる3種類の塩をブレンド

オーダーが入ってから藁で焼くため、ほんのり温かい状態の「鰹のたたき」を口に運ぶと「うんめぇ!」と興奮気味のゆめまるさん。塩、ニンニク、ワサビを基本に、ポン酢で味変しながらいただくのがおすすめだそう。そこに、カツオに合わせて選んだという高知の地酒「久礼(くれ)」をひと口。「最高の組み合わせに出会ってしまったかもしれない」と、カツオもお酒もあっという間にお腹へするり。知識が豊富で、日本酒のセレクトに独自のこだわりを持つ店主との酒談義にも花が咲きます。

座屋 高知本店
座屋 高知本店
最高の組み合わせ、見つけた!
座屋 高知本店
作家さんが作ったおちょこの中から、好みのものを選ばせてくれる
座屋 高知本店
天然の洞窟で熟成させたひやおろしの「久礼」1合1,100円。お酒も季節感のあるものが並ぶ

DATA

座屋 高知本店住所/高知県高知市廿代町2-8
電話/088-824-1308
営業時間/昼12:00~14:00(LO13:30)、夜18:00~21:30(LO21:00)、土・祝前日(夜のみ営業)17:30~23:00(フードLO22:00、ドリンクLO22:30)
定休日/土曜日の昼

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酒バグで無限に食べられる……〆もガッツリいきましょう!FUJIYAMA

FUJIYAMA

ゆめまるさんが「さぁ、高知飲み旅1日目のラストは何を飲もうか」とやって来たのは、深夜までお好み焼きや鉄板焼きが楽しめる「FUJIYAMA」。どんなに飲んでいても「今日は〆いらないね、なんてことには絶対にならない」と話すゆめまるさんにぴったりの一軒です。

FUJIYAMA
「高知県産春野の馬刺し100g」2,500円。お酒はゆずとハチミツが香る「翠のごっくん割」650円
FUJIYAMA
「フロマージュトロトロチーズ焼き」1,400円。カリカリになったチーズは最良のおつまみ

サイドメニューのおすすめは「長太郎(季節限定)」。「長太郎」とは緋扇貝のことで、この貝を見つけた土佐の漁師の名で呼ばれるようになったとか。肉厚で甘みの強い貝柱とカラフルな貝殻がポイントです。毎月10日は「お好み焼きの日」として、関西風まぜ焼きが100円に(1人1枚まで、ほかに1オーダーを)。

FUJIYAMA
半個室のカウンター席には銭湯のようなのれんがかかっていてカワイイ
FUJIYAMA

まずは、翠ジンを高知のソウルドリンク「ごっくん馬路村(うまじむら)」で割った「翠のごっくん割」と「高知県産春野の馬刺し」からスタート。「意外かもしれませんが、実は高知県春野町の馬肉も有名なんです」と店員さんにおすすめしてもらい実食。脂の少ない赤身肉は、あっさりとした味わいです。続いて、目の前で焼いてくれるお好み焼き「フロマージュトロトロチーズ焼き」の登場です。「これは悪魔的」とゆめまるさんが言うように、お好み焼きを覆い尽くし、海のように広がるチーズのパンチ力は絶大。そのままでもおいしいですが、ソースをかけると驚くほど印象が変わって食べ飽きません。「これは馬鹿になっちゃうね(笑)」と、箸が止まらない様子。

FUJIYAMA
「長太郎 2ヶ」990円。ポン酢でさっぱりと
FUJIYAMA

DATA

FUJIYAMA住所/高知県高知市追手筋1-2-7 スクエアワンビル1F
電話/088-855-7141
営業時間/17:30~翌1:00(フードLO24:00、ドリンクLO24:30)
定休日/日曜日

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FUJIYAMA
FUJIYAMA
FUJIYAMA
2日目へつづく・・・