サステナブルツーリズム(持続可能な観光)や、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)など、SDGsを意識した旅を考える連載。3回目は読者のERIさんと、埼玉県入間郡三芳町にある三富今昔村(さんとめこんじゃくむら)を訪問。荒廃した雑木林から蘇った自然の中で、“再生”から始まる自然と“循環”について考えました。
写真/入江達也 文/川口裕子
埼玉県在住。勉強中のカメラを片手に、ご夫婦旅やひとり旅を楽しんでいます。ご本人曰く「芋煮につられて」参加したという、旅色LIKESのイベント“農業旅in福島県いわき市”では、トマトや里イモの収穫を体験。採れたて野菜のおいしさに感動し、自然の恵みや農業に携わる方々への感謝の気持ちを強くしたそうです。
旅での体験や悩みの共有をしたり、新たな旅のカタチを見出す活動をするコミュニティ。
定期的に講座やイベントを開催中
三富今昔村で過ごした時間を経て、感じたことを聞いてみました。
木桶の話で盛り上がっていましたね。
100年以上の寿命がある木桶には微生物が棲息し発酵を助け、味に個性を生むそうです。でも木桶を作れる職人さんが減ってしまっているとか。旅先の小豆島で、木桶職人を育てるプロジェクトがあると知り、SDGsな取組みだなと印象に残っていたのです。地元・埼玉にもそのプロジェクトに参加している蔵元があって、そこと三富今昔村がコラボしていたなんて驚きました。
サステナブルな旅と聞いて思い浮かべることは?
旅色LIKESで行った農業旅です。それまで捨てていたブロッコリーの芯が料理に使われていて「芯って食べられるんだ。おいしいんだ」って気づきました。あの旅以来意識が変わり、残りもののリメイク料理に力を入れています。今日のお料理に付いていたスープも、野菜の切れ端から出汁を取ったベジブロスでしたね。おいしかったです。
今回の旅で発見したことは?
「本当の土」についてです。収穫や調理の利便性から農薬を多用すると、土の中に微生物がいなくなり、痩せた土になってしまう。それを三木さんが「世界中から、本当の土が失われている」と表現されていて、地球の危機を感じました。ゴミという身近な課題から始まり、地球の話にまで広がる、すべてのものはつながり合い、循環しているのだと実感できる旅でした。
三富今昔村
動物のストレスを減らす“アニマルウェルフェア”で育つ鶏に会いに行ったり、食を楽しんだりしながら、五感を使って自然と親しめるサステナブルフィールド。里山の草花や野草を使った体験プログラムや、野菜を収穫してBBQができるベジタブルスクールは予約制。資源再生工場見学は要問い合わせ。
住所/埼玉県入間郡三芳町上富1589-2
電話番号/049-259-6565
営業時間/10:00~17:00
定休日/火曜日(詳細は公式サイトで確認)