旅色
July 2023 Vol.173
目次
北海道 美唄の旅物語
[月刊旅色]2023年7月号
COVER
モデル / 貫地谷しほり
写真 / 村上未知
スタイリング / mick(KoaHole)
ヘアメイク / 北 一騎
  • スペシャルインタビュー 貫地谷しほり
    スペシャルインタビュー
    貫地谷しほり
  • 1泊2日のRefresh Trip 美唄市[北海道]
    1泊2日のRefresh Trip
    美唄市[北海道]
  • 特別コラム 美唄の春夏秋冬
    特別コラム
    美唄の春夏秋冬
  • 特別インタビュー 鈴井貴之が語る空知
    特別インタビュー
    鈴井貴之が語る空知
  • 特集「空知」 そもそも空知って?
    特集「空知」
    そもそも空知って?
  • 空知の日帰り旅01 南空知
    空知の日帰り旅01
    南空知
  • 空知の日帰り旅02 中空知
    空知の日帰り旅02
    中空知
  • 空知の日帰り旅03 北空知
    空知の日帰り旅03
    北空知
  • 旅する食卓 ~ヨリコのお取り寄せ日記 #10 ~
    旅する食卓
    ~ヨリコのお取り寄せ日記 #10 ~
  • 旅色LIKES サステナブルな旅 #03
    旅色LIKES
    サステナブルな旅 #03
  • [PR] 香川県綾川町
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    香川県綾川町
  • [PR] ジュノハート
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  • おすすめ宿 大自然に癒される一棟貸しの宿
    おすすめ宿
    大自然に癒される一棟貸しの宿
  • 読者プレゼント
    読者プレゼント
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      読者と“ちゃんと考える” サステナブルな旅
      読者と“ちゃんと考える”

      #03  “再生”からの自然との“循環”について考える

      サステナブルツーリズム(持続可能な観光)や、レスポンシブルツーリズム(責任ある観光)など、SDGsを意識した旅を考える連載。3回目は読者のERIさんと、埼玉県入間郡三芳町にある三富今昔村(さんとめこんじゃくむら)を訪問。荒廃した雑木林から蘇った自然の中で、“再生”から始まる自然と“循環”について考えました。

      写真/入江達也 文/川口裕子

      体験した読者はこの方
      ERIさん (旅色LIKES3期生)

      ERIさん (旅色LIKES3期生)

      埼玉県在住。勉強中のカメラを片手に、ご夫婦旅やひとり旅を楽しんでいます。ご本人曰く「芋煮につられて」参加したという、旅色LIKESのイベント“農業旅in福島県いわき市”では、トマトや里イモの収穫を体験。採れたて野菜のおいしさに感動し、自然の恵みや農業に携わる方々への感謝の気持ちを強くしたそうです。

      「旅色LIKES」とは
      旅での体験や悩みの共有をしたり、新たな旅のカタチを見出す活動をするコミュニティ。
      定期的に講座やイベントを開催中
      >>「旅色LIKES」

      “循環”を体感するサステナブルフィールドで学ぶ 地球と人にやさしい“再生” at 三富今昔村 [埼玉県入間郡]

      江戸時代のこと。川越藩主・柳沢吉保は、水資源に乏しく痩せた大地に雑木林を造成しました。木々の根が地下水脈を引き揚げ、落ち葉は堆肥となりこの地の農業を支えました。しかし近代になり、インフラが整備されると、役目を終えた雑木林は荒れ果て、不法投棄の温床に。雑木林の再生をボランティアで引き受けた石坂産業株式会社は、取り戻した緑豊かな里山を、自然との共生や循環社会を考える“三富今昔村”として開放しました。

      サステナブルフィールドのPoint1 「工場」から感じる“再生”と“循環”

      三富今昔村の中へ入る前に、まずは石坂産業株式会社の資源再生リサイクル工場を見学します。同社の三木千鶴さんから「当社が扱うのは建設系の廃棄物です。家やビルを解体した後に出る木材にコンクリート、ガラスや金属、その他土砂系混合物と素材も多彩。金属といっても鉄、真鍮(しんちゅう)、銅、アルミなどが混ざっているので、正しく分別するのが資源再生への第一歩です」と説明を受けました。見学通路からは、手作業で仕分けに取り組むスタッフの姿が見えます。「再生には丁寧な仕事が欠かせないのですね」とERIさんも感心。日頃何気なく捨ててしまうゴミこそが、再生のスタートなのです。

      サステナブルフィールドのPoint2 「体験」から感じる“再生”と“循環”

      いよいよ三富今昔村へ。まずは「10000の丘」に向かいました。ラベンダー、ローズマリー、カミツレなど100種類以上のハーブが育つ丘には、絶滅が危惧されるミツバチもいっぱい。園芸療法士の関口瑛梨奈さんは「ここにはかつて10000トンのゴミが不法投棄されていましたが、それらを取り除きハーブを植え再生させ、命の循環が形成されています。ハーブには人の体はもちろん、土壌を整えるパワーも備わっています」と教えてくれました。ハーブを摘んだら、ブレンドティー作りです。「フレッシュハーブで作るのは初めて」とERIさんも楽しそう。お茶を蒸らしている時間を利用して、エコバッグのハーブ染めにも挑戦。ハーブは梅雨前に剪定し、捨てられてしまう枝を使い作りました。

      サステナブルフィールドのPoint3 「散策」から感じる“再生”と“循環”

      くぬぎの森を歩くと小鳥のさえずりが聞こえ、地面にはモグラの通ったモグラ塚も。ERIさんは裸足で歩ける“アーシングゾーン”にチャレンジ。その後、“森の万華鏡”と名づけられたベンチに寝そべって風に揺れる梢を眺めながら「緑がキラキラして、本当に万華鏡みたい」と言いました。三富今昔村には、低木エリアと高木エリアがあります。「木の高さが違うと光の入り方も違います。すると育つ植物が変わるんです。植物を求めてやってくる昆虫や、鳥の種類も少しずつ違ってきて、生物多様性の高い里山に再生できたのです。企業の生物多様性への取り組みを評価するJHEP認証で“AAA”を受賞しています」と三木さん。この里山には1,300種類もの動植物がつながり合って生きています。
      “森の万華鏡”から見られる景色
      自社農園の有機小麦と自家製天然酵母を使用した食パンは
      しっとりもちもちした食感

      サステナブルフィールドのPoint4 「食」から感じる“再生”と“循環”

      発酵ビーガン バーニャカウダ
      里山のあちこちにあった落ち葉の山は、堆肥として生まれ変わり、土の養分になります。三富今昔村で提供する食材は、もちろんこの土で育ちました。今の人気メニューは“発酵ビーガン バーニャカウダ”だそう。野菜の味を引き立てるのは、豆腐とニンニクに、県内企業の弓削多(ゆげた)醤油が県産大豆で生産する“地産地消の醤油もろみ”を加えて作った“発酵ビーガンソース”。三木さんが「ここの醤油は今では希少な木桶仕込みなんです。木桶再生プロジェクトにも参加されていて……」と言うと、ERIさんは「小豆島のプロジェクトですか?」と質問。サステナブルな話題で、三木さんと会話が弾みました。

      “ちゃんと考える” Interview

      サステナブルフィールドで過ごしすべてが循環する世界を実感
      一緒に旅をしたERIさんに、雑木林の“再生”から生まれた
      三富今昔村で過ごした時間を経て、感じたことを聞いてみました。

      木桶の話で盛り上がっていましたね。

      100年以上の寿命がある木桶には微生物が棲息し発酵を助け、味に個性を生むそうです。でも木桶を作れる職人さんが減ってしまっているとか。旅先の小豆島で、木桶職人を育てるプロジェクトがあると知り、SDGsな取組みだなと印象に残っていたのです。地元・埼玉にもそのプロジェクトに参加している蔵元があって、そこと三富今昔村がコラボしていたなんて驚きました。

      サステナブルな旅と聞いて思い浮かべることは?

      旅色LIKESで行った農業旅です。それまで捨てていたブロッコリーの芯が料理に使われていて「芯って食べられるんだ。おいしいんだ」って気づきました。あの旅以来意識が変わり、残りもののリメイク料理に力を入れています。今日のお料理に付いていたスープも、野菜の切れ端から出汁を取ったベジブロスでしたね。おいしかったです。

      ERIさんも食べた“ファームの季節野菜たっぷりスープとヴィーガンワッフル”

      今回の旅で発見したことは?

      「本当の土」についてです。収穫や調理の利便性から農薬を多用すると、土の中に微生物がいなくなり、痩せた土になってしまう。それを三木さんが「世界中から、本当の土が失われている」と表現されていて、地球の危機を感じました。ゴミという身近な課題から始まり、地球の話にまで広がる、すべてのものはつながり合い、循環しているのだと実感できる旅でした。

      今回お世話になった施設

      三富今昔村

      動物のストレスを減らす“アニマルウェルフェア”で育つ鶏に会いに行ったり、食を楽しんだりしながら、五感を使って自然と親しめるサステナブルフィールド。里山の草花や野草を使った体験プログラムや、野菜を収穫してBBQができるベジタブルスクールは予約制。資源再生工場見学は要問い合わせ。

      住所/埼玉県入間郡三芳町上富1589-2
      電話番号/049-259-6565
      営業時間/10:00~17:00
      定休日/火曜日(詳細は公式サイトで確認)

      CONTENTS
      • スペシャルインタビュー
        スペシャルインタビュー
      • 1泊2日のリフレッシュトリップ
        1泊2日の
        リフレッシュトリップ
      • 特別コラム
        特別コラム
      • 特別プレゼント
        特別プレゼント
      • 特別インタビュー
        特別インタビュー
      • 特集「空知」
        特集「空知」
      • 特集「空知」
        特集「空知」
      • 特集「空知」
        特集「空知」
      • 特集「空知」
        特集「空知」
      • 空知コラム
        空知コラム
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      • 旅する食卓
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      • 旅色LIKES
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      • あの人の旅プラン 鈴井貴之[タレント・映画監督・作家]
        あの人の旅プラン
        鈴井貴之
        [タレント・映画監督・作家]
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