テーマのある旅 お花見クルーズ
山口県岩国市の「さくら舟」。満開の桜が並ぶ土手と橋の景色は格別。
あの桜を、今年は特等席から。お花見クルーズ

あの桜を、今年は特等席から。お花見クルーズ

今年の桜鑑賞は、お花見クルーズ船で。なかでも「日本さくら名所100選」に選ばれた各所を船上から楽しめる遊覧船をピックアップしました。水の上の特等席で、そこでしか味わえない桜の景色を楽しむ旅へ出かけましょう。

文/石塚あみ(RUNS)

Hanami Cruise 01 桜のトンネルを見上げて、美しい橋たちをくぐって 松川遊覧船

松川遊覧船
桜の見頃は4月上旬~中旬
富山県富山市
松川遊覧船
「富山城抹茶パフェ」は
富山城をかたどった最中が載り、
ボリューム満点
松川遊覧船
「松川茶屋」のカフェテラスからは、遊覧船の発着を眺められる
松川遊覧船
遊覧船から見上げれば、地上から見る桜とは一味違う景色が楽しめる
松川遊覧船
遊覧船のりば対岸の「リバー劇場」では、毎年箏曲家 太田衣代さんの演奏会を開催

富山市の中心部を流れる松川は、左右約4kmにわたって530本ほどのソメイヨシノが咲き誇る人気観光地。松川を進む「松川遊覧船」は鮮やかな赤の船体が目を引く、昭和63(1988)年から運航を開始した歴史ある遊覧船です。コースは遊覧船乗り場の「松川茶屋」を出発し、松川にかかる7つの橋“松川の七橋”のうち6つの橋をくぐり、桜橋で折り返して往復する、約30分の行程。城下町の歴史や文化を織り交ぜたガイドとともにゆったり花見を楽しめます。周辺には232年続いた富山藩の歴史の面影が残り、滝廉太郎の「荒城の月」のモデルとなったとされている富山城の跡地・富山城址公園も。下船後は、かつてはお殿様も利用した富山城専用の船着場跡「松川茶屋」で、富山城抹茶パフェなど甘味や軽食とともにちょっとひと休みするのもおすすめです。

松川遊覧船 スプリングクルーズ 住所/富山県富山市本丸1-34松川茶屋
料金/2,000円(開花中以外は1,600円)
運航期間/3月18日(土)~4月25日(火)
営業時間/平日 9:30〜17:00、土日 9:00〜17:30(随時運航)
※開花前後は公式サイトで要確認
休航日/雨天時
アクセス/電車:JR富山駅から徒歩約10分 車:富山ICから車で約15分
電話/076-425-8440
※スプリングクルーズ期間終了後は、11月30日までダイヤ運航(原則月曜定休)

Hanami Cruise 02 タワーと桜が織りなす、隅田川の春 お花見船隅田川ルート

お花見船隅田川ルート
坂本竜馬にちなんで名づけられた「竜馬」
お花見船隅田川ルート
1階席の窓側は座席指定可能なBOXシートでゆったり過ごせる

都内のお花見どころのひとつ、隅田川が桜の名勝になったのは8代将軍・徳川吉宗が享保2(1717)年に100本の桜を植えたことがきっかけなのだとか。その後も江戸の五大花見名所として知られ、浮世絵などにも色鮮やかに描かれています。現在は約1,000本の桜が並び、見頃は3月下旬~4月上旬。「お花見船 隅田川ルート」は、浅草から日の出橋桟橋を水上バスで結ぶ片道約60分間のコース。“墨堤千本桜”や中央大橋付近の桜はもちろん、東京タワーなど東京の観光スポットを桜景色とともに船上から眺められます。水上バスには「竜馬」などそれぞれ名前があり、船体デザインとともに個性あふれるラインナップ。どの水上バスに乗船するかは当日にならないとわからないため、それも楽しみのひとつです。

お花見船 隅田川ルート住所/東京都台東区花川戸1-1-1
料金/860円~ ※お花見船の運航期間は事前予約必要
運航期間/3月18日(土)~4月5日(水)
営業時間/10:35~、11:35~、13:35~、14:35~、15:35~、臨時16:55~
※コースにより異なる
休航日/無休
アクセス/電車:都営浅草線浅草駅すぐ
予約サイト/www.suijobus.co.jp

東京都台東区
お花見船隅田川ルート
漫画・アニメ界の巨匠・松本零士氏がデザインした「ヒミコ」
お花見船隅田川ルート
東京スカイツリー®の眺望を船ならではの角度(海抜0m)から楽しめる

Hanami Cruise 03 大阪一の花見スポットや国の特別史跡を川面から アクアライナー大阪城お花見クルーズ

アクアライナー大阪城お花見クルーズ
川面から見上げる、桜と大阪城天守閣の景観
大阪府大阪市
アクアライナー大阪城お花見クルーズ
船はガラス張りの天井で、橋の裏側まで覗くことができる
アクアライナー大阪城お花見クルーズ
ライトアップされた夜桜はフォトジェニック
アクアライナー大阪城お花見クルーズ
造幣局で毎年桜の開花時期に合わせ1週間限定で一般開放される「桜の通り抜け」

水都・大阪を代表する大川。沿岸は毛馬桜之宮(けまさくらのみや)公園や南天満公園などのリバーサイドパークが約4.2km続き、4,800本もの桜並木が続く桜の名所です。大川を運航する「アクアライナー」は、大阪城港から出発し、国の特別史跡・大阪城や“桜の通り抜け”で知られる造幣局などを約40分間かけて巡ります。また、船体の高さが低いため、まるで水鳥の目線のように桜を下から見上げて鑑賞できる「ウォーターバード・ビュー」も魅力のひとつ。船内では、ドリンクやアイスクリームの販売もしています。期間中の金曜〜土曜日は夜桜が楽しめる便もあるためおすすめです。

アクアライナー 大阪城お花見クルーズ住所/大阪府大阪市中央区大阪城2
料金/1,800円
運航期間/3月25日(土)~4月10日(月)
営業時間/10:15~、11:00~、11:45~、12:30~、13:15~、14:00~、14:45~、15:30~、16:15~(期間中の金・土・日曜日のみ、17:20~、18:05~、18:50~を増便)
アクセス/電車:JR大阪城公園駅から徒歩約3分
電話/06-6942-5511(大阪水上バス予約センター)

Hanami Cruise 04 桜色に包まれる華やぎの木造橋とともに 春の遊覧船「さくら舟」

春の遊覧船「さくら舟」
国内最大級の木造橋で、文化遺産の錦帯橋
春の遊覧船「さくら舟」
穏やかな川の流れの日は、鏡のような水面に逆さまの錦帯橋が映る

寛文13(1673)年、岩国藩主・吉川広嘉(ひろよし)が建造した日本三名橋のひとつに数えられる錦帯橋(きんたいきょう)。世界的にも珍しい五連の木造橋です。橋がかかる錦川の川岸には、ソメイヨシノをはじめとする約1,500本のピンクで彩られます。見頃は3月下旬~4月上旬で、県内でも屈指のお花見スポット。夜には桜と錦帯橋はライトアップされ、より幻想的な景色が広がります。錦川を遊覧する「さくら舟」では、約20分間、船頭の案内のもと屋形船の上から新緑の城山を背景に桜を眺められます。貸切遊覧(1時間~)を予約すれば、お弁当も注文できます。ゆったりとした格別の時間を過ごしましょう。

春の遊覧船「さくら舟」住所/山口県岩国市岩国1-4-34
料金/500円
運航期間/3月18日~5月31日の土・日・祝日 ※開花時は毎日運航
営業時間/11:00~17:00 (随時運航)
アクセス/電車:JR岩国駅からバスで約20分、車:岩国ICから約10分
電話/0827-28-2877(一社)岩国市観光協会鵜飼事務所

山口県岩国市
春の遊覧船「さくら舟」
水棹(みさお)で見事に舟を操る船頭の案内も楽しみに
春の遊覧船「さくら舟」
国指定の名勝、錦川は透明度が高く日本有数の清流