野沢温泉|長野県

わざわざ行きたい 立ち寄り湯のすゝめ

野沢温泉[長野県] 日帰りで名湯を楽しめる立ち寄り湯。津々浦々、今回立ち寄ったのは雪深い北信州にある野沢温泉へ。湯屋建築が目を引く共同浴場を訪ねます。
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今月の湯は 野沢温泉[長野県]

温泉街の中心にある共同浴場「大湯(おおゆ)」は、野沢温泉のシンボル的存在。湯屋建築の佇まいが特徴的です。浴槽はぬる湯とあつ湯に分かれていて、あつ湯の温度はかなり高め。かけ湯をして温度を確かめてから入浴を。

今月の湯は 野沢温泉[長野県]

90℃以上の源泉が湧きだしている湯だまり「麻釜(おがま)」は、国の天然記念物にも指定されている奇勝のひとつ。5つあり、それぞれ温度が少し異なっています。

冬でも湯冷めしにくい恵みの温泉へ
村人たちが守り続けてきた13の外湯

長野県の北東部に位置する野沢温泉村。日本で唯一、“温泉”という言葉が付いている村です。源泉は30余りあり、どれも良質な天然温泉が湧き出ています。温泉街には13の外湯が点在しており、村の人たちが共有財産として協力して管理しているため、入浴はすべて無料です。江戸時代から続く「湯仲間」という制度により温泉は清潔に保たれ、そのおかげで毎日使う村の人たちや訪れるゲストが気持ちよく使うことができるのです。また、外湯の源泉温度は40℃~90℃とどこも高温。短時間の入浴でぽかぽかと体がよく温まり、冬でも湯冷めしにくいのが特徴です。外湯の代表格「大湯」は、あつ湯とぬる湯があるので、好みの方に浸かりましょう。温泉街を上っていくと、熱い温泉がこんこんと湧出する大小5つの湯だまり「麻釜(おがま)」があります。ここで地元の人たちは野沢菜や山菜を湯がいたり、卵を茹でたりと日常的に使っています。温泉が生活と密着している野沢温泉ならではの風景なので、ぜひ立ち寄りを。

文/清水由香利(RUNS)

野沢温泉
野沢温泉

温泉DATA

泉 質
単純硫黄泉
効 能
胃腸病、リウマチ、婦人病 など
大湯
住所/長野県野沢温泉村豊郷9328
電話/0269-85-3155(野沢温泉観光協会)
時間/6:00~23:00(4月~11月は5:00~)
定休日/無休
料金/無料

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温泉神社

熊の手洗湯

13ある外湯のひとつで、手負いの熊が湯で傷を癒していたことが名の由来。源泉温度は約40℃と野沢温泉の中では低いほうなので、熱い湯が苦手な人でも温泉を満喫することができます。平成27(2015)年に建て直しされた木のぬくもり溢れる湯屋です。

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熊の手洗湯

冬の灯明夜まつり

野沢温泉の冬の風物詩。灯明や松明(たいまつ)滑走、白銀のゲレンデに打ち上がる花火など、昼間とはまた違った夜のゲレンデの魅力が満載です。令和5(2023)年は3月4日(土)19:00~野沢温泉スキー場長坂ゲレンデで行われ、樽酒やホットワインの振る舞いもあります。

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集印めぐり

村内には名所や旧跡を中心に、計27の集印所が点在。集印をしながらその歴史的背景を知ることができます。台紙と複写紙を重ねて金属製の版の上に置き、棒でこすって版を集めるのだとか。全部で10個以上集まると、野沢温泉オリジナルの記念品、画家・岡本太郎氏の「湯タオル」がもらえます。

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温泉卵

熊の手洗湯など4カ所の共同浴場や、足湯のある「ミニ温泉広場 湯らり」(冬季閉鎖)など、野沢温泉には温泉卵が作れる場所が5カ所あります。商店などで卵を購入して体験してみましょう。