日本のソウルフードといっても過言ではない「すき焼き」。
その歴史は古く、今もなお情緒あふれる
伝統的なお店が数多く残ります。
近年では、洋風にアレンジしたり、
ワインとのペアリングを楽しんだり、その可能性は無限大。
とはいえ、特別感があるごちそうには変わりません。
家族が集まる年末年始やこれからの季節に訪れる
ハレの日にふさわしい「すき焼き」をどうぞ！
文／小島浩隆（RUNS）
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創業当時と変わらない炭火を使用。同じく明治から受け継がれる秘伝の割下が味の決め手です
すき焼きに使用する牛肉は、A5等級の黒毛和牛のみ。一枚一枚職人が丁寧に手切りし、食べやすいように小分けをしています
受け継がれる手切り技、秘伝の割下、炭火、そしてA5等級の黒毛和牛。伊勢重のすき焼きは、創業から150年以上守り続けてきた伝統と、こだわりぬかれた味が魅力です。お肉は、小さなスジや血管を丁寧に取り除くことで、和牛のおいしさをさらに引き出し、なめらかでとろける口当たりに。作り方はいたってシンプル。だからこその技術とこだわりが際立つ至極のすき焼きです。
店主おすすめのランチ「すき焼きBセット」（4,950円）。上質な赤身肉と霜降りがなんとも美しいロース肉がどちらも楽しめる、バランスの良いセットです
ディナーでは、こだわりの牛肉をステーキとしても提供。最高級のお肉をすき焼きとステーキで味わえる贅沢なコース（11,500円）を用意しています
掘りごたつやイスなど、客室のバリエーションも豊富。季節や時期に合わせた限定コースもあり、忘年会や新年会にもピッタリです
客席はすべてが個室になっており、広々とした和の空間が広がります。家族でのお祝い事や、接待、歓送迎会など、さまざまなシーンで利用しやすく、ゆったりとくつろぎながら食事を楽しむことができます。また、伊勢重の1階部分は、自慢の牛佃煮と精肉販売の小売店舗になっています。お肉はもちろん、お弁当や加工品の販売もしており、テイクアウトやお中元・お歳暮にもおすすめです。
職人が一枚一枚丁寧に手切りするすき焼き用のお肉のほか、焼肉やステーキなど、用途に合わせて精肉・詰合わせをしてくれます 1,300円。
創業当時のまだ冷蔵庫がない時代、牛肉を長期保存するために誕生した牛佃煮。旨味の強い国産牛の肩肉を使用し、板前が手作りする佃煮は辛口でご飯にも相性抜群。店舗のほか、オンラインや一部百貨店でも取り扱っています。「特製牛佃煮」100g 1,300円。
和牛すき焼き 伊勢重
住 所
東京都中央区日本橋小伝馬町14-9電 話
03-3663-7841営業時間
ランチ11:00～16:00（L.O.15:00）ディナー16:30～22:00（L.O.21:00）
定休日
日曜、祝日アクセス
地下鉄日比谷線小伝馬町駅・JR総武快速線馬喰町駅・地下鉄都営新宿線馬喰横山駅から徒歩約2分、都営浅草線東日本橋駅から徒歩約5分
たしかに老舗の名店でいただくのも至極。
しかし、時代は令和。
すき焼きは時代とともに進化を続けています。
東京・代々木上原にある、ミシュランガイド東京2020より4年連続一つ星を獲得するレストラン「sio」のオーナーシェフ鳥羽周作が手掛けるすき焼き店。レストランが得意とする味の構成、調理法、コースの文脈、そして細部にまでこだわったホスピタリティなど、新たなエッセンスを加えることで、“アップデートさせたすき焼き”を提案しています。伝統的な和食文化とレストランイズムが融合した料理の数々はどれも絶品。おしぼりや箸、グラスなどのカトラリー類にもこだわり、食を通じた感動体験を味わうことができます。
奈良大豆を100％使用した大きなお揚げをめくるとすき焼きがぎっしり！ ガリの食感と酢飯のほどよい酸味がアクセントになり、いくらでも食べ進めたくなる味わい。「㐂つねすき焼き重」（2,750円）はテイクアウトも可能。ちょっと贅沢なハレの日にもぴったりです。
単調な味付けでも飽きがこないよう、2枚目、3枚目とお肉を食べ進めていく毎に味に変化をつけ、流れに緩急を生み出します。2枚目はオリジナルで配合した特製の極上七味、3枚目はとろろ卵黄でひと味違ったすき焼きを。
割下には和歌山の堀河屋野村の三ツ星醤油と、奈良の砂糖傳増尾商店の米飴を使用。塩梅を調節し、しっかりとした甘じょっぱさを感じながらもお肉の味や香りを損なわないバランスに仕上げています。
㐂つね
住 所
奈良県奈良市元林院町22番 鹿猿狐ビルヂング1階電 話
0742-27-5023営業時間
ランチ11:00～15:00（L.O.14:00）ディナー17:00～21:00（L.O.20:00）
定休日
不定休アクセス
近鉄奈良駅から徒歩約7分
お客様の目の前で特選黒毛和牛を一枚一枚丁寧に焼き上げるすき焼き専門店。すき焼きの具材はなんとお肉だけ。野菜や豆腐はありません。お肉は、東京食肉市場で買い付けた最上級のリブロースを使用するほか、お客様に提供しやすい囲炉裏一体型のコの字カウンターや、ガス釜で一気に炊き上げる島根県産コシヒカリなど、最高のお肉を思う存分味わうためのこだわりが随所に詰め込まれています。
店主の偏食ですき焼きではお肉しか食べなかったことに着想を得て、このスタイルを発案。具材をお肉だけにすることで、最高級のお肉を低価格で提供できる仕組みを完成させました。
味付けはシンプルに砂糖と醤油のみ。もともと店主の実家では割下を使用していたそうですが、旅行先で食べた関西風のすき焼きに感動。その味が忘れられず、以降は実家のすき焼きは砂糖と醤油のみの味付けになったといいます。
上質なお肉をじっくり焼き上げるために、火は炭火を使用。また、すき焼き専用の鋳鉄鍋を新潟・燕三条にある三条特殊鋳工所とともに特注で型から製造するこだわりよう。目の前で焼き上げられる最高の一枚に目が離せません。
すき焼き ちかよ
住 所
神奈川県藤沢市片瀬海岸2-9-4 AQA ART 江の島102営業時間
ランチ11:00～15:00（L.O.14:30）ディナー17:00～21:00（L.O.20:30）
定休日
月・火曜アクセス
小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩40秒
東京・蔵前にひっそりと佇む隠れ家すき焼き店。カウンター7席のみの店内は、シックで落ち着いたトーンで統一されています。現代的な和モダンの空間に映える着物姿の女将さんが目の前で丁寧に焼いてくれるすき焼きは絶品。近江牛の甘い脂の旨みと、きめ細やかな肉質を贅沢に味わえます。店内にはワインセラーも完備され、すき焼きとワインのペアを楽しむことも。
カウンター7席は全て完全予約制で、一組一組に丁寧なおもてなしを提供しています。特別な日のご馳走にぴったりな大人空間です。各コースには先付、近江牛、季節の野菜、白滝、生麩、焼き豆腐、卵、うどん、香の物、お味噌汁、デザートがセットに。
現代では取り入れているお店も数少ない関西の伝統的な味付けを採用。割下は使用せず、ザラメと醤油のみで焼き上げることで、お客様の好みの味に仕上げます。すき焼きの発祥といわれる京都に習った伝統的なスタイルを継承しています。
京都の九条葱、生麩、もち麩などのこだわりの具材と、最高級の近江牛が自慢。野菜は季節によって旬のものを提供。すき焼きの締めはうどんを焼いてくれます。
すき焼き 一葉
住 所
東京都台東区蔵前3-7-8 2階営業時間
11:00～22:00定休日
日・月曜アクセス
都営浅草線蔵前駅から徒歩1分
