岩井温泉|鳥取県

わざわざ行きたい 立ち寄り湯のすゝめ

岩井温泉[鳥取県] 思い立ったら気軽に行けて日帰りでも楽しめる立ち寄り湯。11月のおすすめは山陰最古といわれる岩井温泉。ユーモラスな風習「湯かむり」に出合う旅へ。
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今月の湯は 岩井温泉[鳥取県]

岩井温泉の共同浴場「ゆかむり温泉」。白壁の外観が特徴で、近郊の人々に親しまれる温泉施設です。浴場に描かれた壁画を眺めながら、心ゆくまで湯浴みを楽しんで。

今月の湯は 岩井温泉[鳥取県]

蒲生川沿いの旧街道に沿い、温泉宿3軒(うち1軒休館中)と共同浴場1軒の小さな温泉街。どこか懐かしさを感じる温泉街のゲートがあるので、お見逃しなく。温泉街をのんびりと散策しましょう。

奇習・湯かむりが伝わる岩井温泉で
地域で親しまれる「ゆかむり温泉」に立ち寄り

1300年の歴史を誇り、山陰最古といわれる岩井温泉。鳥取県の東側、海と山に囲まれた岩美町の真ん中あたりに位置し、山々の景色と清流・蒲生川のせせらぎが聴こえるのどかな温泉街です。今は旅館が数軒のみですが、明治・大正時代にかけては、荒金(あらかね)鉱山が繁栄し、多くの旅館や料亭が立ち並ぶ鳥取有数の温泉街として繁栄していました。また、江戸時代からの珍しい風習として「湯かむり」があります。「湯かむり唄」を歌いながら頭に手ぬぐいを乗せて柄杓で湯をかむる(かける)というもので、湯かむり唄はなんと100番まであるのだとか。ポカポカと湯をたたきながら歌うユーモアたっぷりな習わしで、いつまでも楽しく湯に浸かっていられることから作られたのかもしれません。共同浴場「ゆかむり温泉」には湯かむりの様子を描いた壁画があるので、湯に浸かりながら当時の楽しげな雰囲気に思いを馳せてみてはいかがでしょう。

文/清水由香利(RUNS)

岩井温泉
岩井温泉

温泉DATA

泉 質
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
効 能
神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復 など
ゆかむり温泉
住所/鳥取県岩美郡岩美町岩井521
電話/0857-73-1670
時間/6:00~22:00(10:00~、16:00~各15分間清掃消毒のため中断)
定休日/無休(6月、11月に館内清掃のため休館あり)
料金/320円

立ち寄り湯ついでにおすすめの立ち寄りスポット

御湯神社
御湯神社

御湯神社(みゆじんじゃ)

岩井温泉の守り神として尊崇される神社。創建は平安時代初期とされ、当時岩井温泉を発見した藤原冬久(公卿・藤原冬嗣の子孫)が温泉の守護神として勧請したのが始まりと伝わっています。

立ち寄り湯ついでにおすすめの立ち寄りスポット

愛宕山展望台
愛宕山展望台

愛宕山展望台

温泉街の南西にある愛宕山。岩井温泉や周囲の山々が一望できる展望台があります。また、展望台には彫刻家の山本兼文氏が造った「ゆかむりの塔」が立てられています。

立ち寄り湯ついでにおすすめの立ち寄りスポット

尾崎翠資料館ゆかむりギャラリー

尾崎翠資料館
ゆかむりギャラリー

明治29(1896)年、岩井温泉にある西法寺で生まれた作家・尾崎翠氏の資料館。花屋旅館(旅館は現在休館中)の本館一室を借りて作品を展示しています。

立ち寄り湯ついでにおすすめの立ち寄りスポット

松葉がに

松葉がに

鳥取を代表する冬の味覚で、11月上旬から3月に漁が行われます。とくに岩美町は日本一の漁獲量を誇り、シーズンになると町内の民宿や旅館には、松葉がにを味わおうと県内外から多くの人が訪れています。