日光市を中心とする栃木県に、隣接する群馬県、福島県の3県にまたがる国立公園。公園内には日光東照宮や日光山輪王寺、日光二荒山神社など、世界文化遺産に登録された社寺が建ち並び、自然と歴史文化が融合した景観が味わえます。今回は隠れた紅葉スポット・輪王寺に注目。輪王寺の本堂は、東日本では最も大きな木造建物で、平安時代に創建された天台密教形式のお堂です。本堂から少し歩くと逍遥園があり、こちらは江戸時代の茶人・小堀遠州によって造られたといわれる日本庭園。「逍遥」の名前のとおり、池のまわりをぶらぶら歩きながら紅葉を楽しみましょう。夜には、二荒山神社中宮祠や華厳の滝などの奥日光の観光スポットがライトアップされます（10月29日～11月20日までの期間限定）。

箱根、伊豆諸島、伊豆半島、富士山を中心にした周辺の湖沼や高原を含む富士山地域、4つの地域からなる富士箱根伊豆国立公園。今回は、世界遺産に登録されている富士山を、秋に眺めるならここ！というとっておきの河口湖周辺スポットを紹介します。まず、訪れたいのが大石公園。富士山と河口湖が見えるだけでなく、富士山のすそ野まで見えるビュースポットです。大石公園内にある散歩道を歩けば、10月にちょうど見頃を迎えるコキアが広がります。次に訪れたいのが河口湖紅葉街道。紅葉が60本連なり、「錦秋」にふさわしい光景が。10月29日～11月23日は「富士河口湖紅葉まつり」が開催予定で、夜のライトアップでは多くの人で賑わいます。

屋久島と口永良部島が国立公園区域で、屋久島は日本で最初に世界遺産に登録された場所のひとつです。10月はトレッキングにぴったりの季節。万全な準備をして屋久島のシンボル、縄文杉に会いに行きましょう。荒川登山口から片道約11km、4～5時間歩いた先で屋久島最大級の老大木、縄文杉が待っています。樹齢2000～7200年といわれる荘厳な木は、どーんと生命力を感じさせます。途中には、切り株の内側からハート形の空洞が見えるウィルソン株もあるので、お見逃しなく。縄文杉と合わせてチェックしたいのが、白谷雲水峡（しらたにうんすいきょう）。屋久島中央部にある渓谷で、清流が流れ、数百種もの苔などで埋め尽くされた緑豊かな様子は、まさに映画「もののけ姫」の世界そのもの。時間をかけて行く価値十分な、神々しい自然が感じられます。