大石さんは大の旅行好きとのことですが、どれくらいの頻度で旅に出られるんですか?
コロナ禍の前までは、月に1回くらいは必ず旅行に行っていました。旅に出ると自分の心が解放されますし、視野が広くなると思うんです。何か悩んでいることがあっても、旅行に行くと、「私なんであんなに小さいことを悩んでたんだろう」と思えることも多くて。旅で日常と少し距離をとるのが、私の大好きな時間です。
そんなにたくさん旅行に行かれているのはうらやましいです! 旅行はどなたと行くことが多いんですか?
ひとり旅をする勇気がなくて(笑)、友達や家族と行くことがほとんどですね。最近は旅仲間の永尾まりやちゃんと一緒が多いです。今まで10回以上、沖縄、ハワイ、上海、イタリアのマルタ島など、いろいろなところを旅しました。ちょっと前までは海外が多かったのですが、最近はコロナ禍もあって国内旅行も開拓していて。先日は緊急事態宣言が落ちついたタイミングで石垣島に行ってきました。私もまりやも地元の居酒屋さんに行くのが大好きなので、たまたま同じ時間にお店に居合わせた人たちとお酒を飲んだのがすごく楽しかったし、いい思い出ですね。ちなみにどこに行くかは一緒に決めようとするんですけど、まりやはいつもどこでもいいよ、という感じなので、私が候補を出して選んでもらうことが多いです。
「天空の森」の贅沢すぎる広さと自然に大感動!
最近行かれた旅で印象的だったところはありますか?
これもまりやと行った旅で、鹿児島の「天空の森」に泊まったんですが感動しました! 「天空の森」はいつか行きたいねとふたりで話していたのですが、簡単に泊まれるような金額ではなくて(笑)。なかなか踏ん切りがつかなかったんです。でもまりやの誕生日旅でもあったので、「よし! ここは奮発しよう」と、思い切って行ってきました。ここは本当に行ってよかったと思っています。東京ドーム13個分という広大な山のなかに、たった5つのヴィラしかないという贅沢すぎる施設で、しかも開発には25年がかかっているとか。本当に自然が豊かで、日本にこんな素晴らしいところがあったんだと、感動の連続でした。
一生に一度の旅という感じですね! 「天空の森」ではどんなことをして過ごされたんでしょうか?
アクティビティがとにかくたくさんあって、時間が足りないくらいだったのですが、山の上でブランコに乗ったり、畑で育てられているお野菜を見に行ったり、アヒルにエサをあげたり。面白かったのが、スタッフの方に「オープンカーで川のなかを走れますよ」と言われたので、「じゃあ乗りたいです」と言ったら、登場したオープンカーが軽トラックの荷台を切りとったみたいな形だったこと。オープンカーといえばそうだけど……って、まりやと二人で笑いました(笑)。その日は寝るのももったいなくて、まりやと朝まで語り明かしましたね。
朝ごはんは山頂で食べたのですが、環境も最高だし、お料理もおかゆやお野菜中心ですごく体に優しいものばかりで、心も体も喜ぶという感じでした。ちなみに川のなかにテーブルを置いて朝食を食べることもできるらしくて、次に行ったときにはぜひ食べてみたいですね。
ロンドン留学で知った、アートの奥深い世界
すごく素敵ですね! 大石さんが旅に出たら必ずやることはありますか?
なるべくアートは見るようにしています。アートは元々好きだったのですが、ここまでハマるきっかけになったのが、20歳のときに行ったロンドン留学のときのこと。メディアアートの授業をとっていて、そのクラスでいろんな美術館や博物館に行ったのをきっかけにアートの世界にのめり込んで。ロンドンでは学生が美術館に無料で入れる日があったので、より身近な存在になりましたね。今では旅色LIKESさんでアート旅の連載を持たせてもらっています。もっと多くの人にアートが身近な存在に感じられるような発信をしていくことが、今の目標でもあります。
アートを見ることで、どんな体験ができるのでしょうか?
とても落ち着くんです。心に何かもやもやがあったり、行き詰った感じがある時にアートを見に行くと、すっきりすることが多くて。アメリカやヨーロッパでは、アートセラピーというものがあって、アートが心に与える影響が証明されているそうです。心の病気がある人に、処方として美術館のチケットが渡されることもあると聞きました。アート旅で印象に残っているのは2019年にロンドン留学時代の友人たちと行った、香川県・直島。島全体でアートを使った町おこしをしている直島と、大好きなモネの展示がある「地中美術館」にはずっと興味があって、いつか行ってみたいと思っていて。しかもアートにハマるきっかけとなったロンドン留学時代の友人たちと、一緒に堪能できたことがいい思い出です。旅のなかにあるアートは、私にとって癒しであり、スパイスでもあり。コロナ禍が落ち着いたら、もっといろんなアートスポットを周りたいと思っています。
撮影/十河英三郎 取材・文/上野郁美(エフェクト)