400年前から湯を絶やさず
旅人の疲れを癒す名湯
宮城県蔵王町の西側、蔵王連峰屏風岳のふもと、標高330mの高原に位置する遠刈田温泉。ホテルや旅館、ペンションなど、約33軒ほどの宿泊施設が建ち並び、温泉街の中心にある共同浴場は観光客のみならず、地元の方にも長く愛されています。温泉発祥の由来は、「岩崎山の金を掘って財を成した、金売橘次(かねうりきちじ)が霊泉を発見したのが始まり」とされ、史料によると、金の採掘は慶長年間(1600年代)であることから、温泉の発見も実際はこの頃と推定。開湯約400年という、歴史を感じる温泉地として知られます。また、足腰の病気に効果があるとされる硫酸塩泉の湯は、「不動滝の大ウナギが三階滝の大ガニとの戦いに敗れ、切られた尾がこの地に流れついた。以来、足腰の病に効能がある」という言い伝えが残っており、かつては信仰登山の基地や湯治場としての役割を担っていました。温泉地の周辺には、樹氷で有名な蔵王連峰が美しく広がり、「御釜(おかま)」と呼ばれる火口湖や、不動滝と三階滝、長老湖などのビュースポットのほか、自然豊かな立地をいかした農場が広がっています。温泉や観光、レジャーを目当てに、県内外から多くの観光客が訪れてす。宿への宿泊はもちろんのこと、点在する日帰り温泉で旅の疲れを癒すのもおすすめです。
文/佐藤千鶴子(LoLo Creation)
効能/神経痛、リウマチ、胃腸病、婦人病、慢性皮膚病など

御釜
エメラルドグリーンの湖水が神秘的な、円型の火口湖。太陽光のあたり方次第で水面の色が変化するので「五色湖」とも呼ばれています。おすすめのビュースポットは蔵王刈田山頂の御釜展望台。御釜の全景が一望できます。

みやぎ蔵王こけし館
宮城県の伝統工芸品「宮城伝統こけし」など、東北の伝統こけしと木地玩具を展示。その数なんと約5500本と、規模は世界一です。表情豊かなこけしに魅了されます。予約をすれば850円で絵付け体験ができ、旅の思い出づくりにもぴったり。

蔵王酪農センター
広大な敷地には、牧場やチーズ工場のほか、飲食店や直売所までもが揃っています。6月上旬から7月上旬にかけてはチーズ工場内のバラ園が見頃で、約400種類のバラが開花。人気のアイスクリームを食べながらバラを鑑賞しましょう。

蔵王ブルーベリーファーム
約60品種2万株のブルーベリーが植えられ、7月初旬から8月中旬まではブルーベリー狩りが楽しめます(45分食べ放題/大人1,200円、持ち帰り/100g250円 ※団体客以外は予約不要)。パーク内の散策は無料で、ブルーベリーのスムージーやソフトクリームなども販売。